経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

中小企業に関わりのある方はぜひご一読を。

2015-09-30 | 書籍を読む
 拙著・元気な中小企業はここが違う! でもご紹介させていただいた株式会社エンジニアの高崎社長が、「『ネジザウルス』の逆襲 累計250万丁の大ヒット工具は、なぜ売れ続けるのか」を上梓されました。出張時の移動中に読み始めたところ、そこに高崎社長とエンジニアの社員の皆さんがおられるかのような気分になってきて、すっかり本の世界に入り込んでしまっているうちに、あっという間に読み終えていました。
 中小企業にとって大切なことは何か、それがすごくリアルに伝わってきます。社長のお人柄(僭越ながら「人柄」というよりもっと総合的な「人間性」と言ったほうがいいかと感じます)と思い、そして社長と社員の方々との関係性、それが新商品という形で実を結び、社会に広がっていく喜び。知財戦略についても具体例を含め大変示唆に富む理論が展開されていますが、中小企業の知財に関わられる方には、テクニカルな講釈を垂れる前に、ぜひこのリアルな人と人との関係性の部分をしっかりと感じとってもらうことが必要ではないかと思います。
 ベンチャーファイナンスに携わっていた頃も、よく同業者と「結局は人(=経営者)だよね」と言い合っていましたが、改めてそのことを思い起こすことになる一冊でした。

「ネジザウルス」の逆襲 累計250万丁の大ヒット工具は、なぜ売れ続けるのか
クリエーター情報なし
日本実業出版社