日経ビジネスの5月26日号はなかなか面白い記事が多かったですが、ウォーレン・バフェットの語りから、その一節を以下を引用します。
金融の専門家や経済学者が我々にあまり関心を示さないのは、私の投資哲学があまりにもシンプルだからだ。大学教授は複雑なモデルや方程式を作りたがるが、教室で知性をひけらかすためのものであって、現場では役に立たない。複雑なものは大抵の場合、何かが決定的に間違っている。
これは、たぶん知財戦略についても同じことが言えるように思います。知財戦略について難解な本がいろいろ出ていますが、現場を動かすために必要なのは、複雑で難しい理論ではなくシンプルなメッセージです。知財戦略の基本構造は、知的財産権というツールを参入障壁として効果的に活用し、自社の優位性を収益に結び付けていくというシンプルなものであり、あとはその企業が戦っている市場の中で特許権等のそれぞれのツールが実態的にどのように働いているのかを分析し、効果的な使い方をよく考えていく。その原則を関係者間でしっかり共有することが大切だと思います。
↓ バフェット自身の著作ではありませんが、投資の本質や企業経営のあり方を深く考えさせられる名著です。
金融の専門家や経済学者が我々にあまり関心を示さないのは、私の投資哲学があまりにもシンプルだからだ。大学教授は複雑なモデルや方程式を作りたがるが、教室で知性をひけらかすためのものであって、現場では役に立たない。複雑なものは大抵の場合、何かが決定的に間違っている。
これは、たぶん知財戦略についても同じことが言えるように思います。知財戦略について難解な本がいろいろ出ていますが、現場を動かすために必要なのは、複雑で難しい理論ではなくシンプルなメッセージです。知財戦略の基本構造は、知的財産権というツールを参入障壁として効果的に活用し、自社の優位性を収益に結び付けていくというシンプルなものであり、あとはその企業が戦っている市場の中で特許権等のそれぞれのツールが実態的にどのように働いているのかを分析し、効果的な使い方をよく考えていく。その原則を関係者間でしっかり共有することが大切だと思います。
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ビジネスは人なり 投資は価値なり―ウォーレン・バフェットロジャー ローウェンスタイン総合法令出版このアイテムの詳細を見る |
さらに「自社の優位性を収益に結び付けていく」という部分がもっと難しくて、実際結びつくか否かは別としても、結びつけるというレベルでの仕事をさせてもらうのも遠い道のりのような気がします。。。
でも、シンプルに考える、ということに基本的には同意できます。
ただ、シンプルがどれだけ難しいかを言っている記事に読めました(笑)。
「おまえにはできんじゃろ~」みたいな、と卑屈になってみたり。
コメント有難うございます。
たしかに商標権については「参入障壁」と考えるとわかりにくいですね。ヘルシア緑茶の例で考えれば、ライバル企業は自社も類似の高濃度カテキン飲料を出したいと思うだろうけど、(少なくともまともな企業間の競争では)「ヘルシア」に似た名前の飲料を出そうとはしないでしょう。最近発売された「綾鷹」は、茶葉の粉末が溶けてコクのある「伊右衛門」によく似ているように見えるけど、商品の名前はさすがに「五右衛門」とかにはしない。商標権はとっておかないとまずいものだけど、それが事業の「参入障壁」として働くわけではない。
特許だと「出さない」という選択肢も含めて、いろんなバリエーション・タイミングをいかに工夫するかが「効果的に活用」という部分になってくるわけですが、商標はどうなのか。深彫りして工夫するとなると、対象物そのものの選択に向かわざるを得ないのではないか、という気がしますが、そこは専門のwakiさんがぜひ考えてみてください。