能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

快晴の秋晴れ どうぞ国立能楽堂「粟谷能の会」へ

2011-10-09 08:04:29 | 粟谷明生の日常


起床、6時。

別に早起きしよう!と思った訳でもなく、
近年、6時くらいには目がさめてしまいます。。

窓から外の景色を眺めると、秋晴れなので一安心。

最近、サボッていたウォーキングをしながら、
金曜日の申合の模様を、再度ICレコーダーで聞きながら再チェック、準備万端です。

朝歩くと、頭が冴えているのか、いろいろな事が頭を巡ります。
面白いアイデアや、普段考えないような思考がめぐり、面白いです。

例えば、今日は

能の『天鼓』や『井筒』って戯曲家はなにが言いたかったのかな~?

『天鼓』ならば、親子の情愛、帝への怒りと服従、報謝の舞 なの?

『井筒』ならば、夫婦の愛情、浮気、待つ身の女、幼い時の思い出、愛する者への憑依なの?

作品にはいろいろなものが、とにかく天こ盛りしてあるな~

そうだ、正式なお食事と同じだ

例えば、「お肉が食べたい!」と高級なフレンチレストランに入って、
「おいしいお肉下さい」と言っても
まずは、前菜、スープ・・・・・順番があってその順に沿って
最後にお肉となる、もし途中で満腹になっても、デザートとコーヒーまで並ぶ。

ひとつの物には、多数のものが混在している
もちろん、シエフは全部に精魂込めてお料理を作る。

能もメインだけでなく、いろいろなものが混ざり合っていて、
戯曲家はどこでも、ご自由に観て欲しい、と考えたのではないだろうか

そんな風に閃きました。

演じる側も観る側も、自分のお好みを見つける作業
これがお能を楽しむ術かもしれませんと

そして、自分の好みは、ご自身で決めましょうね!
ガイドブックらしきものや、能評なんか、気にしないで

自分の好きな曲、能役者を見つけることが、一番ですね


そして、その多数の一番の中に、私も入れたらいいなあ、と思いました。

今日も
「今日も限りと命がけで、精一杯舞台勤めます!」



あとは、地震や天災がないことを祈り、
皆様のご来場をお待ちしております。



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2 コメント

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楽しかったです! (佐平次)
2011-10-10 10:38:55
「天鼓」がとてもよかった。
新工夫の太鼓、笛の音とあいまって天空をかける感覚がありました。
老人がよろよろと一畳台にあがり天鼓を鳴らしたあとは自信に満ちた足取りのようにみえたりしたのも嬉しかったです。
地謡も楽しい気分が出ていました。
鑑賞講座を始めいろんな試みを果敢になさった効果があったと思います。
そうそう、大胆なカットも二か所!あれも好いと思います。
これからの人たちに能が受け入れられるためにはこういう工夫は大事だと思いました。
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お返事 (粟谷明生)
2011-10-10 10:58:42
佐平次様
コメント有難うございました。

前シテの大胆なカット、お判り頂き嬉しいです。
いろいろな新工夫にチャレンジすると、賛否いろいろです。

皆様のご意見も取り入れながら、私なりの、私ならではの風を起こしていきたいと思います。

これからも粟谷能の会への応援、よろしくお願い申し上げます。
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