粟谷能の会でのアンケートへのお答え、続編です。

○囃子方の人達の掛け声は「よお~!」だけなのはなぜですか?
「さあ~!」とか「それ~!」とかではいけないのかしら?

お囃子の掛け声には「ヨ」「ホ」「ヨーイ」「イヤー」などがあります。
「サアー」や「ソレー」でも囃せないことはないと思いますが、あまりに直接的なメッセージが強すぎて、静かな演能には適さないと思います。
謡曲は8拍子で構成されていて、お囃子方は掛け声と音色で、「今が1拍目ね」「ここが5拍目ですよ」と周りに伝えています。

○終わる時、シテ(景清)が心さびしく静々とハケて帰っているのに、囃子方の人達が片付け始めちゃっているのはどうしてですか? 完全にシテが幕の内側に入ってからの方がいい感じがしたのですが?

仰る通りだと思います。基本的にお囃子方は、最後の演者が橋掛にかかると床几から降りて下座し道具の片付けをするのが、決まりです。景清の場合、シテとワキが完全に幕に入るまでそのままで居て欲しい、という要望は出せると思います。但し、一応の決まりを破るということになるので、ご機嫌悪いお顔をなされるかもしれませんね。


コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
なるほどね (どうきゅうせい)
2012-03-13 09:44:15
何もわからない自分でも、多少は、観てきたせいでしょうか、あの、少しづつ、個々の動きが『重なる』様子は、それこそ能舞台だと思ってきましたので、こちらの質問は新鮮でした。

どうでしょう、本当に景清たちに心を奪われていると、別に、お片づけ云々は気にならないと個人的には思いますが。

それに、ここからは主役の退場、ここからはみんなのお片づけ、と明確に区切らないことこそが、まさしく、曖昧を文化とする日本らしくて、いいじゃないですか・・・
 
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