能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

粟谷能の会無事盛会に終わりました

2007-10-15 07:41:32 | 粟谷明生の日常
第82回粟谷能の会 粟谷菊生追善は無事盛会に終わりました
ご来場頂きました皆様、有難うございました。

写真は私の勤めた『三輪』の後シテに使用した「堰」の小面です。
これはこの度出版された「粟谷菊生能語り」にも書かれていますが、
父が愛用した小面です。
以前は父しか使えない、父の専用面でしたが~~~~

今回、後シテの面に何をつけようか~と悩み
「増女」を使いたい気持ちはあるが~~

初演!お披らきでもあるし~~、
一応 喜多流のお決まりがいいのではないか~
と能夫とも相談して、小面にしました。

では何に~~~
お蔵に入り、何面か見て選んで最後に残った二面の内の一つが
「堰」でした。

粟谷菊生追善ですから、父の愛用したものを~~
でも愛用したものだから大事にしまっておいて~~

で~~結局


「堰」にまた新たな魂を入れたらどう?
という能夫の言葉に押されて
「よっしゃ~!堰でいこう!」と選択したのでありました。

後場、引廻が降り作物の中から姿を見せるときに
面が少々、照って(上向き加減)いたのが、後で気がつきましたが
心残りの残念な結果でした。
神楽を舞う前に後見が耳打ちしてくれて、それからは直しましたが
あ~~最初、女姿が照り輝いていなきゃいけないところ
面が照っては~~~~

楽屋では

もし菊生先生がいらしたら~~~
「あ~~~あ、あ~~、あ~~~~~~」
という、ため息がうるさかっとことだろうね~~~と

「ああ~~いなくてよかった!」と
「ああ~~いないのか~」の二つの気持ちが

アキ君にはグルグル回っているのです。

で~~今年の能公演はこれで終了!チャンチャン!

来年20年のアキ君の演能予定は下記の通り

3月2日   粟谷能の会「邯鄲・傘之出」
4月8日   いわき能「小鍛冶・白頭」
8月2日   吉田城薪能「船弁慶」
9月5日   大槻自主公演「采女・佐々浪之伝」
10月12日 粟谷能の会「絵馬・女体」
12月21日 喜多流自主公演「張良」

そうだ、もう来年3月の粟谷能の会の番組を作成しなくては!
終わった!と思うと、またはじまるのね~~

能役者は番組作成、舞台取り、三役交渉といろいろやるんですよ!
番組作成は私の担当。
さあ~~作りますよ!!

あっ!昨日のご感想のコメントお待ちしております。

いやだ~~私恥ずかしいわ~~でもちょっと書きたいのよ~~~

とお思いのあなた、あなたさまですよ。

そういうあなたはこちらに、そっとお聞かせ下さい
akio@awaya-noh.com
粟谷明生

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日月光かかやけば (玉手)
2007-10-15 20:56:51
三輪、とても「面白」く拝見致しました!
間狂言で、すでに、
三輪の縁起によれば、三輪と伊勢は一体分身であり、
男神が女姿で現れるのであろう
と語ってしまうんですね~
(この言葉があるのは万蔵家だけですか?)
三輪=伊勢=大日如来?(@三輪神道)

後シテは、
三輪の神が憑依した巫女の姿??
それとも、
白い光を発する太陽の姿???

そういえば、
古代祭祀に関わる故地・伊勢―三輪―淡路を
ほぼ北緯34度32分で東西に結ぶのは
「太陽の道」!!

いや~
古代・中世の神様の世界は深いですね!!!
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ご来場有難うございました。 (粟谷明生)
2007-10-16 10:20:08
玉手様
いつも深い鑑賞眼、恐れ入ります。
今回のアイ語は万蔵家だけかもしれません、
私には詳細は判りませんが常の語よりも長いのを
依頼したのは確かです。

理由は装束の着替えがどうしても時間がかかるので、時間稼ぎにお願いしました。

話している内容は作物の中で天手古舞いですから
聞いていない、というのが本音です。
すいません、

コメント有難うございました。
返信する
粟谷菊生「能語り」を読んで (能楽兎者)
2007-10-16 17:23:55
菊生師が 丸まる出ている芸談、いや人生訓です。
感じ入った処は、全部 付箋を付けました。
本当に良いものが残りました。

「三輪」の舞台、例によって感想書きました。
ご笑覧下さい。
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