春の大会の感想

昨日、私の社中の春の発表会があり、無事盛会に終えました。
これもひとえに、社中の皆様の結束と応援に駆けつけて下さいました大勢の方々の
お力添えと感謝し、ここに御礼申し上げます。

番組は朝９時スタート！
東北大学・喜多学友会の学生さん達の連吟と仕舞から始まり、参加部員は今日から二年生になる女子５名と三年生になる男子２名でした。

学生諸君！
わざわざ上京でのご参加有難う！

９時開演ということは７時半には楽屋入りして、自分たちで着物を着て・・・
そして夕方の連調「葵上」まで丸一日、着物姿のまま楽屋の裏働きも手伝ってもらい大変だったと思いますが、私は嬉しく感謝していますよ。

皆、見違えるように上手になられて、もうびっくり！
学生さんの成長って、本当に早いんですね。

夏合宿前には、
「こりゃ相当鍛えないと～～基本からやり直し～～」
と心配した人も、夏合宿ではちゃんとレベルアップしてくれますし、そしてこの春の会を目指して、さらに精進してくれるので長足の進歩が見られました。

「あ！　あの型は僕のやり方、あの癖は僕のだな～～」
と必死に真似ようとしている姿勢が私には判ります。
能は真似から、世阿弥も申しております。

あ！
若い人ばかり誉めていると～～
そうでない方から、私たちの事も～～～！
とお叱りを受けそうなので一言吟じます！

じゃない、
書きます！

御歳８０～～？歳で仕舞をはじめられた阿部康男さんですが
今回も見事に、仕舞「船弁慶」を舞われました。
それもどこもお間違いなく舞われて、もう～すごい！の一言です。

私が、あの歳で、違うことを覚えられるだろうか～～～？？
無理だろうな～～
阿部さんは屹度、陰ですごい努力をされているのだろうと思います。

申合（リハーサル）では、一寸お間違いになられたので、つい
「どこに行ってるんですか！どこ見てるの？」

「？？？・・あれ？・どこかな・・」

「違う！違うでしょ！　真ん中は、！！！！ここ！！！ここですから！！！」
とつい怒鳴ってしまう私ですが、それでも

「は～！センセ、シュンマセン！は～～、ここでやるんですね」
とお怒りにもならず従順にお稽古して下さいました。


会終了後の懇親会でのこと

「阿部さん、ご立派でしたよ！
すごいな～～どこも間違えなくて、
前回はちょっと心配しましたが、今回はパーフェクト満点！
会員皆が阿部さんを見習ってますよ、その前向きさに・・・」
パチパチ拍手

「は！（笑顔）そうですか～、有難うございましゅ～
でもこの間の申合の時は～～
かなり怒られまして～～、
実は～内心・・・・・」

「ん・・・・・？なんですか？」

「・・・・でも、怒られた方がいいでシュネ、
よ～し！やってやろうと、燃えまシュから！」

「そうですよ、発表の目前でしたからね、
私もついつい大声になっちゃいましたが、それもこれも阿部さんに上手く舞って戴きたいという一心なんですよ」

「はい、判っておりマシュ」

「実は私も、これは言い過ぎたかな～～と、
でも上手くいけば、そんなことみんな忘れちゃいますよ
で～～次回は『紅葉狩』にしましょう！」

「は～い、がんばりマシュ！」

なんでも、前向きがいいですね。

ひとつ吟じます。

「ゲンジョウ～～イジばかりでは～あ～～～～～
コウ～～タイ～～～する～～ばかりな～り」

あると、思います！