能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

粟谷菊生舞台写真集の感想

2006-10-19 08:20:20 | 粟谷明生の日常

先日、日本能楽会・粟谷家合同葬儀の準備のために
日本能楽会理事の観世流野村四郎氏とお話する機会があった。

野村氏から
「お父さんから写真集をお贈り頂いたよ」

「はい、お贈りしたと申しておりました」

生前、電話で写真集の話をしたときの事が思い出される。
父にどうして、四郎さんなの?と尋ねたところ、

「贈りたかったから」
この一言だった。

屹度、これからお世話になることを判っていたのかもしれない~~

野村氏からの言葉が私の心に残る。

「あれね~~今にも菊生さんが飛び出してきそうな、迫力ある写真集だね」

きっと、父が喜ぶお言葉を頂き目頭が熱くなった。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
写真集 (弓之段)
2006-10-20 13:38:30
写真集を拝見していますと、舞台での感動が

また鮮やかに蘇ってまいります。『大江山』

を観て、こんな風に舞えるなんて・・・いつ

か私も! と感涙しつつ心新たにしたこと、

『景清』の面づかいに長い年月の流れを感じ

たこと、そして『頼政』を舞うことを目標の

一つ、としたのも菊生先生の舞台を観たから

なのです。

でもやはり心温まるのは、一番最後のお写真、

菊生先生、明生先生と尚生さんが並んで写っ

ていらっしゃるものです。

尚生さんが『猩々』をお披きになった時の、

菊生先生の本当に嬉しそうなお顔を忘れるこ

とができません。

・・・色々と思い起こしつつ、一観客として

菊生先生を思う時、そのご生涯はとても充実

していて幸福なものであった、と私は思いま

す。『江口』のお謡いを聴くことができなか

ったのはとても残念ですが・・・菊生先生、

お約束は守られましたね。五十回忌追善能を、

場所は違えどお心に感じられて、安心された

ことと存じます。

『江口』を口ずさんでいると、菊生先生の暖

かい眼差しを頭上に感じるこの頃です。

喜多流を皆で支えていきましょう。微力なが

らその一人でありたいと願って精進します。



心からご冥福をお祈り申し上げます。





返信する