能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
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能『東岸居士』を勤めるにあたり その1

2018-10-25 09:34:49 | マジメ能楽 楽屋表話
今週の10/28(日) 喜多流自主公演にて、能『東岸居士(とうがんこじ)』を勤めます。初演は昭和51年の青年喜多会でしたので、42年ぶりの再演となります。





東岸居士は自然居士(じねんこじ)の弟子で、名は玄寿といい東山雲居寺の放下僧(ほうかそう)です。

この能は50分ほどの短い単式現在物で、東岸居士が京都白川の橋のほとりで、道行く人々へ歌舞によって仏の教えを説くお話です。

舞台進行は、東国から来た旅人(ワキ)が京都の清水寺へ参る途中、白川の橋で、門前の者(アイ)に東岸居士に引き合わせてくれ、と頼むと、東岸居士(シテ)が登場し、ワキとの問答となり、所望により曲舞(くせまい)や鞨鼓(かっこ)を舞い教化します。

最後は「どうして人は雪と氷とを区別するのだ、溶けてしまえば同じ水だ。多くの仏の教えも、すべての真理も一つ萬法皆一如。万物の真相は一つだから、法門に入ろうよ!」とメッセージを送って終曲します。

放下僧の東岸居士は、敢えて髪も剃らず、墨染の衣も着ないで高座にあがり説教をし、舞を披露し鞨鼓を打って見せますが、時折時宗的な、空也の踊り念仏などにも通じるものを感じます。

この能は、終始シテの謡い舞い尽くす作品構成となっているので、演者の「謡」と「舞」の技芸を楽しむ、そこがこの曲の楽しみ方ではないでしょうか。

どうぞ、粟谷東岸明生居士がどのように謡い舞うのかを、お楽しみください。






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