能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
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粟谷能の会の延期理由をお伝えします

2021-02-16 12:21:37 | 粟谷明生の日常
第104回 粟谷能の会は、誠に残念ながら番組を変更せずに来年に延期することにいたしました。
「何故、今延期の決断を?」
の、お問い合わせに対して、事情と私見を少々長くなりますが、述べさせて頂きます。
政府は昨年末から新型コロナウィルス感染者が急増したため、2回目の緊急事態宣言を発令しました。
当初の期限は2月7日でしたが、更に3月7日迄と延長を発表しました。
 
粟谷能の会は、入場者数50%の制限要請以前に入場券の販売を開始していましたので、50%以上の販売も可能でしたが、世論を考えると50%にとどめ、採算がとれなくても公演を決めておりました。
しかし、公演を延期しました。
 
粟谷能の会のお客様は、長年の常連様、社中の皆様、そして一般の能楽愛好家の老若男女の皆様のお力添えで成り立っています。
常連様や社中にはご高齢の方もおられ、今回、感染を怖れて鑑賞を諦められ方が多くおられました。
「生い先短いから、観たいものは行く!」
と、お元気な方々も、ご家族や周りからの外出自粛のご忠告には従わざるを得なく、諦められた方が高齢者だけではなく、若い方々にも多くいらっしゃいました。
 
誤解を招かないために申し上げます。
ご忠告が悪い訳ではございません。
ただ気になるのが・・・
その、ご忠告に正しい裏付けがあるのか、少し疑問に思うようになりました。
 
能楽鑑賞はお隣の席を空けて、
演能時はお喋りはしません。
国立能楽堂は入場者検温と徹底した消毒で感染予防の対策を行っており安全です。
三密を避けて、行政の指導に従って公演しております。
であるのに・・・
ご忠告が、飛び交うのは何故か?
 
それは、今、身のまわりに流れている情報がご忠告を生んでいるのですが、その情報が本当に真実で正しいのか、はたまた誤っているのか、操られているのか、そこがキーポイントではないでしょうか?
 
今流れている情報、例えば
① 感染アプリは長期間作動してなかった。
② 専門家の先生は沢山いらっしゃるのに、何故か同じ先生だけが毎回メディアに変わらず登場する。
また以前はよく顔を見せていた先生が全く画面から消えてしまった・・
など、どうも一方通行の意見しか流さないテレビ放送
③ 飲食関係への時短要請はキツいが、海外からの入国者のチェックは不思議とユルい現状
と、少し挙げてみましたが、
なにか緩んでいると、感じませんか?
 
日本人は政府や専門家の先生の発言、メディアの流す情報に素直に従順で結構ですが、もしそれが誤った情報であったら・・・
従順鵜呑みは、とても危険を感じます。
 
こんなシーンを想像します
「真実をしっかり伝えて下さい!
誤った情報は流さないでください!」
(鵜呑み従順者)
「はあ?! こっちは商売なんでね、視聴者(国民)が食いついてくれれば、それでいいのよ」
(商売人)
 
もし、こうだとしたら・・・
どうします?
 
自戒を込めて言います。
我々、鵜呑み従順者が結局緩んでいるのかもしれません。
粟谷能の会は政府の要請、専門家の発言、そしてメディアの流す情報に素直に従いました。
それは、長年の常連様や社中、そして一般能楽愛好家の皆様を巻き添えにしてまで公演はしたくない、との思いからです。
延期を決意しましたが、我々まさか商売人に騙されているのではないでしょうね?
と、悔しく感じてしまうのです。
 
もし、私たちの周りから、真相を知る方がいて、商売人を怖れずに発言発信して下さる方が続出すれば、日本のコロナ対策はもう少し早く良い方向に向くのではないでしょうか?
 
一年延期を決断するにあたり、私の本音を吐かせていただきました。
 
 
 
 

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