「青年能」を応援してほしい

小さな青虫が大きな青虫になることは成長とは言わない。なぜなら能力にあまり差がないからだ。さなぎが蝶に変化してこそ成長と言える。

今年から喜多流「青年能」に私の教え子の佐藤陽も同人入りして、メンバーは塩津圭介君を筆頭に佐藤寛泰君、そして今年から大学に入学した谷友矩君と高林昌司君も入り、総勢５人態勢となり、これから活動していくことになった。

同人に入れる条件なのか、「高校を卒業したので晴れて入会させます」との説明があったが、私など昭和４７年６月１６歳の時に青年能（当時、青年喜多会）で能『小鍛冶』を舞わせてもらっているので、少し遅いかな、とも思うが、昔と今を比べるのはもう無理である。恵まれた自分の環境が判り、周りの方々への感謝の気持ちがこみ上げてきたことは儲けものかもしれない。

若い人達は緊張するだろうが、稽古を積んで萎縮しないで、舞台に出てほしいと思う。
大きな青虫になるのではなく、小さくても蝶になってほしい。蝶になるには自身の力を鍛えるのが第一だが、ここに別の苦悩も加わる。同人は皆、与えられた負担分だけ入場券を売らなくてはならないのだ。若い人たちの一枚￥３５００をたくさん売るのは、困難だ。
「佐藤陽を応援しよう！」と思われる方、佐藤本人に直接か、または私にチケットのお申し込みをいただくと、佐藤　陽は助かります。
若い能楽師に、皆様からの応援を期待しています、どうぞよろしくお願い申し上げます。


佐藤陽　（さとうよう）

1981年、秋田県北秋田市生まれ。
東北大学在学中、能楽部に所属。
2006年、上京し粟谷明生に師事。
2008年、初シテ『箙』。
2013年より青年能同人　6月『経政』が青年能初舞台となる。

佐藤　陽　yo.sato.email@gmail.com

青年能番組案内

青年能
6月22日（土）１２：００開演　喜多能楽堂
経政　佐藤　陽
羽衣　塩津圭介
雷電　佐藤寛泰


粟谷明生　akio@awaya-noh.com

文責　粟谷明生