能の作品のメインとなる部分を「曲」と書いて「クセ」と読みます。   「クセ」には、シテが動かず座ったままで地謡が物語を進行させる居曲(いぐせ)と、シテが立って舞う舞曲(まいぐせ)の二つがあります。 『玉葛』は通常は居曲ですが、明日は途中から立って舞う舞曲も取り入れる特別演出で勤めます。   『玉葛』のクセは、筑紫から舟に乗り都に逃げ戻った玉 . . . 本文を読む

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能『玉葛』は三番目物(夢幻能)と四番目物(狂女物)の二つの要素を取り入れた特殊な構成の能です。 夢幻能とは、前場にシテ(主人公)が仮の姿で現れ、ワキ(僧)に昔語りをすると、僧の弔いにより後場に亡霊(後シテ)として昔の姿で現われ、舞を舞い夜明けと共に消え失せますが、それは僧の夢であった、と構成されています。 狂女物は、生きている者の狂い(狂いとは、気違いではなく、思いが一点に集中しすぎること)を . . . 本文を読む

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