禁煙5年目

　もうすぐ、喫煙を断って5年になる。医者や薬の手助けなしにタバコを止められた。
　
　その朝、ゴミ置き場に向かう途中、生ごみのポリバケツを持ったまま息切れして動けなくなった。空気の薄い高地にいるとこんな症状になるのだろうか。この急な呼吸困難が、禁煙のきっかけになった。

　喫煙歴は半世紀以上に及ぶ。その間１日に２箱の本数を文字通り煙にしていた。検診で医師から酸素ボンベを背負うようになるよと忠告されていたが無視していた。
　というのは過去に何度か禁煙を試みて失敗しているからだ。しかし、息も絶え絶えの衝撃から禁煙を固く決意したというわけ。

　今では深い呼吸とともに足取りが軽くなった。もう、失敗することはなさそうだ。
　昨今、タバコの値上がりはひどい。それにうろたえることはなく、本の購入やウナギやフグ料理の機会が増した。それで「禁煙は　小遣い増える　二次効果」と駄句なる川柳で悦に入っている。