バブルの頃のこと。リクルート花盛りで、殊に金融業界で理工系学生を採用していた。
中堅証券会社の人事担当の知り合いも理工系の学生がほしいようで、誰かその方面の先生を紹介してくれないかと言われた。
その会社に義理があったので、ポン友である某私大工学部の教授に頼みにいった。「それじゃ、お前の顔を立ててやるか」と聞き入れてくれた。友達甲斐のある男である。
約束の日、証券会社の人を連れて教授の部屋に出向いた。
彼はひとしきり話を聞いていたが、ゼミの学生の面々は実業を希望して、虚業には行かんのですよと。言ってくれるではないか。顔を立てるどころか面子をつぶされた。
金融工学なるものもあるだろうが、技術系人材が給与がよいからと虚業になびいては、ものづくりが空洞化するのだ。
面子や友達甲斐はともかく、彼の工学スタンスに分があるということだった。
中堅証券会社の人事担当の知り合いも理工系の学生がほしいようで、誰かその方面の先生を紹介してくれないかと言われた。
その会社に義理があったので、ポン友である某私大工学部の教授に頼みにいった。「それじゃ、お前の顔を立ててやるか」と聞き入れてくれた。友達甲斐のある男である。
約束の日、証券会社の人を連れて教授の部屋に出向いた。
彼はひとしきり話を聞いていたが、ゼミの学生の面々は実業を希望して、虚業には行かんのですよと。言ってくれるではないか。顔を立てるどころか面子をつぶされた。
金融工学なるものもあるだろうが、技術系人材が給与がよいからと虚業になびいては、ものづくりが空洞化するのだ。
面子や友達甲斐はともかく、彼の工学スタンスに分があるということだった。