本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

法令用語2

2019-03-02 09:03:58 | Weblog
 昨日は時間的速度を表わす法律用語を述べた。ついでに、同一視させる意味の用語の法的用法に触れる。「みなす」と「推定する」のことだ。

 「みなす」は本来性質が違うものを法的に同一視させ、同じ法律効果を与える。これにどんな疑義があろうが反証は許されない。
 例を挙げると「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす(民法第886条)」とある。死亡時に生れていないから財産はやらんと言えないわけだ。民法第1条の3に「私権の享有は出生に始まる」とあるが、その例外なのだ。
 
 「推定する」は、本来その性質や事柄が同じかどうかあいまいだが、一応、同一視させておくという用法になる。
 例を挙げると「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する(民法第772条)とある。「みなす」と違うのは疑義があれば反証は許される。反証のDNA鑑定の結果、夫の子ではないとなれば認知を拒否することができるわけだ。子どもは妻にとって真実だが、夫にとって信仰であると誰かが言ったかな。