ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

“いいや、あなたたちは知っていた”と。

2015-12-22 06:14:17 | 日記
12月20日(日)放映されたNHKスペシャル「新・映像の世紀」シリーズ第三集、
『時代は独裁者を求めた』
は、見ごたえのある いい番組でした。

第二次世界大戦。
あの惨劇は、ヒトラーという独裁者の狂気だけが生み出したのではなく、
世界恐慌や、第一次世界大戦の戦後処理にかかるドイツの窮乏などに疲弊した多くの人々が
ファシズムを支持したことが、映像で描かれていました。
自動車王ヘンリー・フォード
空の英雄リンドバーグ
そして、ハイデッカー
などなど。

なぜ世界は、独裁者に政治を託してしまったのか、
私たちに、現在に生きる者として省みなければならない様々な問題提起をしてくれた番組でした。
多分、再放送もあるのではないでしょうか。
是非、観ていただきたいと思います。

番組の中で紹介された反ナチ運動家・マルティン・ニーメラーの言葉から戦後生まれた詩です。
   【ナチスが最初
    共産主義者を攻撃したとき
    私は声を上げなかった
    私は共産主義者では なかったから。

    ナチスがユダヤ人を連行して行ったとき
    私は声を上げなかった
    私はユダヤ人ではなかったから

    そして ナチスが私を攻撃したとき
    私のために声を上げる者は
    誰一人残っていなかった。

そして、ニーメラーの元の言葉の最後には、
『もうその時は すべてが あまりにも遅すぎた』
と、記されていたと思います。

1945年5月、ドイツは降伏。
ドイツ人は、収容所内の生々しい虐殺の惨状跡を見ることを強要されました。
目撃した男性は、目をそむけ、
女性は失神し……………。
そして、人々から
“知らなかったんだ”
と、いう声が上がったとのこと。

すると、解放された収容者達は、怒りを顕わにして叫んだそうです。
“いいや、あなたたちは知っていた”と。

ナチスを支えたのは、多くの市民でもありました。
こうした、歴史の現実について、自分自身の問題として、
現代を、日本の政治のあり方を、省みなければならないことを痛感させられた番組でした。

ヒトラーが死の直前に残したという言葉、
   《ナチズムは壊滅した。
    もう終わりだ。
    その思想は私と共に消滅する。
    だが、100年後には、新たな思想が生まれるだろう。
    宗教のように新たなナチズムが誕生するだろう》と。

怖いことばです。
                                   〈ゴマメのばーば〉

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3 コメント

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映像記録 (A.S(たわごと的オピニオンの))
2015-12-22 10:24:35
狂気の時代を映像として残ったところから歴史を学びました。これほどの過ちを知ることが出来るのに今の日本は学ぶことができない体制に移行している様で恐ろしさを感じています。
この番組を旨くまとめて紹介して頂き良かったです。
ヒットラーの死の直前に残した言葉がその通りにならないようにと願い、行動しなければと感じます。
本日、快晴です。
返信する
ありがとうございました。 (ゴマメのばーば)
2015-12-22 20:25:09
こんばんは。
街中はクリスマスと、歳末の売り出し等で賑わっています。
「平和」とか「人権」などという言葉は不似合いな感じも致しますが、新聞の記事の端々に不気味な影が見え隠れしているような気がしています。
コメントありがとうございました。
返信する
Unknown ( )
2016-04-11 06:50:36
100年経たずに欧州に火がつきそう
返信する

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