ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

働く人と、心の病。

2015-12-02 06:23:24 | 日記
2014年度。
仕事のストレスなどで心の病を発症、労災申請した人は過去最多の497人。
心の病を発症し、労災申請した人は1456人。
自殺・自殺未遂も過去最多の99人に達したとのことです。

従業員50人以上の企業に対して、社員の「ストレスチェック」を義務づける制度が
12月から始まると報じられました。
心の病に陥ってしまうのは、職場環境の「いじめ・嫌がらせ」その他、嫌な体験などさまざまです。

12月から施行される制度によれば、自分の心の状態を知って精神的な不調に陥るのを
防止するために、
《従業員が、ストレスに関する質問に答える》
ということから始められるとのことです。

  《本人が希望すれば医師による面接も行われ、企業側は、医師の意見を基に、
   業務の見直しなどの改善策を講じる》
とされていますが、こうした対応で「心の病」に陥ることを、防げるとは思えません。
むしろ、体調に不安を覚えていても、設問には正直に書かない、書けない、のでは
ないでしょうか。

現在の職場環境の実態について、正確なデータなど持ってはいませんが、
今、どこの職場でも、正規、非正規を問わず、長時間労働、サービス残業などが
行われているのではないでしょうか。
職場に、余裕のある人員配置など なされていない労働環境下に置かれているところが、
多数を占めていると思われます。

制度が実施され、初期の「心の病」とでも診断されれば、治療の名の下に
職場からの排除と言う形が出て来るような気がします。

要治療者が出ても、適正な人員の補充もないままですと、人間関係までおかしくなってきます。
ストレスチェックによって、本人が不当に配置転換や、嫌がらせを受けることも
出て来るでしょう。
正確に質問に答えることに因って、
職場に居にくい状況が出てきてしまうような気がしてなりません。

個人のストレスチェックなどする前に、厚生労働省は、まず現在の労働者を保護するための
法基準・「労働基準法」がしっかり守られているかどうかの点検をすべきだと思います。

安倍首相は、企業に「賃上げ」を要請していますが、「労働者を保護するための法基準」を、
使用者は遵守すべく、しっかり見張ってほしいのです。

   ※総務省の調査では、2008年から4年間で、地方自治体における非常勤、
    臨時職員は10万人増えて60万人になった。
    全日本自治団体労働組合(自治労)の調査では、70万人と推計されている。
    公務員の3人に1人が、「非正規公務員」。
    いわゆる「官製ワーキングプア」だ。
                         (AERA 2015年11月16日号より)
                                  〈ゴマメのばーば〉
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