ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

『この世は舞台』などと、

2015-12-11 06:30:29 | 日記
NHK連続テレビ小説『あさが来た』
赤ちゃん誕生。
名前は「千代」、いい名です。
待望の赤ちゃん誕生をめぐっての大喜びと期待。
ドラマらしく、かなりの大はしゃぎには、
『ビックリ ポン!』
ドラマであっても、新しいいのちを迎えることは、晴れがましく嬉しいことです。

病院の入院病棟にある大広間の椅子に掛けて、暫くの時間を過ごしていますと、
色々な方の姿が目に入ります。
売店へ行って、何か買い求めて来たのでしょうか、
入院患者用のパジャマに軽い上着を羽織って、ゆっくりエレベーターを降りて来る人。
外で来ていた厚手のコートを着込んだまま、額に汗を浮かべて忙しげに歩いて行く人。
あぁ、心も急いているのだろうな。
母親と一緒に、入院患者の面会にきたものか、はしゃいで叱られている幼い児の泣きべそ顔。

南に面した明るい広間の そこ此処に集っている それぞれの方たちの共通項は『病』です。
聞くともなしに入って来る会話の端々から、おおよその見当はついてきます。
病状の深刻な肉親を入院させている働き盛りの夫婦が、顔を突き合わせて、囁きあっている姿。
家族も また大変なのだろうと考えてしまいます。

『病』を共通項としている この方たちの中で、
その存在感が ひときわ明るく、大きいのは乳幼児の姿です。
身体に幾本かの管を付けたまま、車イスから幼子を眺めているのは、
多分、おじいちゃんなのでしょう。
痩せた頬に、笑みが浮かんでいます。

恋人かと推される若いカップルも、
深刻な顔つきで、どこかに暗さを湛えて、何か話し合っています。
“早く、快くなるといいね”
と、祈りたい気持に。

外は、冬。
気の早いジングルベルのメロディーも、どこからか流れてきます。
暖房の効いた病院の建物の内と外。
温度差だけではなく、かなり異なった光景です。
でも、双方が、暮らしの絆が織りなす師走の光景です。

『この世は舞台。男も女も役者にすぎない』(シェイクスピア)
などと、考えながら、病室へ戻る連れ合いの後姿を見つめていました。
                                   〈ゴマメのばーば〉

コメント (2)
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