ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

読経の声を聞きながら、

2015-12-03 06:51:42 | 日記
長いお付き合いがあったAさんが急逝されました。
労組の委員長をずっとなされていて、退職後も「退職者組合」の役員ということで、
年に何回か、会報を届けて下さっていた方です。
短い時間でしたが、お茶などを飲みながら、
政治の話、それぞれの家族の近況、よもやま話の時間を共にしていました。

もちろん、労組の委員長時代には、大変お世話になった方です。
気性が激しく、集会では きつい言葉で詰め寄ったりする私に対しても、
持ち前の柔らかさと優しさで応じて下さっていました。

町内会の集会から帰って、お風呂に入って斃れてしまったとのこと。
お棺に納められた安らかなお顔に、
「こんなに慌てて逝くことはなかったのに」
「お世話になりました」
と、最後のご挨拶をしました。
“ぴんぴん ころり”などと言いますが、こうもあっけなく逝ってしまわれると、
何とも落ちつきが悪いものです。
歩いている時、急に障害物が差し出され、たたらを踏んだようで。

懐かしい思い出と共に、
安保反対闘争や、
労働条件・環境の改善、
非常勤職員の正規職員としての雇用を…………、
等々を、読経の声を聞きながら思い起こしていました。

水木しげるさんも亡くなられました。
代表作の戦記漫画「総員玉砕せよ!」、自らの戦場体験を基に、
死と隣り合わせの戦場における兵隊の心情や、過酷な様子が描かれていました。
暗くて、重たいテーマであっても、時にはユーモアを感じさせる水木しげる作品は、
私の好きな作品でもありました。

Aさんは、戦後、ご苦労をなさって大陸から引き揚げて来られた方です。
多才な方でした。
彼の安来節「どじょうすくい」を最後に見たのは、2年ほど前だったでしょうか。
Aさんは、最近、腰が少々曲がっていたのです。
踊り終えた彼に、
“もう、踊り終わったから、腰伸ばしなって!”
そんな、ヤジも飛ばしたりしました

まったく、こんなに急に、まったく。

“Aさん、安らかに。ご遺族の上に、なぐさめがありますように”
と、合掌しました。
                                  〈ゴマメのばーば〉
コメント (4)
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