趣味の小箱

ばあーばの気儘な部屋
 「人生に計画をたててはなりません」ヘッセの手紙残像となる

菊花展

2006-11-01 11:44:38 | 写真
 今日から、町の菊花展が始まった
昨日の朝役場の所を通ったら、テントが張ってあるので
覗いてみた。搬入してあったのはまだ少しだったが
見事な三本仕立ての作品が並んでいた。



写真を写していたら、一人の老人がやってきた。
前に会ったことがあり、名前を覚えていたので声をかけてみた。
「Mさんも菊を作っているんですか?」
「そうなんだよ、今日もってくんだ」
私がデジカメで菊を写し始めると
「おれも、持ってんだよ」と首に下げた薄型の
デジカメを胸の中から取り出した。

「へえー、すごいじゃない! これどんなふうにするの?」
「ここ、押すんだ」
「ああ、これが電源なのね、それで、花のマークはどこ?」
「ええーと」三角のマークが付いているところに花のマークが付いていた。
「あ~、ここをこうすれば、接写になるのね」
「で、写した画像を見るときはどうするの?」
「ここを押すんだ」「そう!ああ~見えた、見えた、ああ~そして、ここの三角印で右と左に選択しすればいいんだね、おお~いっぱい写してあるんじゃない!」

「おれ、手が震えてだめなんだ」
「これ、腕時計じゃない、これ奥さん? 雪の写真もあるじゃない! プリントした?」「してねえんだ」
「プリントするといいのに、全部で何枚写せるんだろうねえ」
「おれのこと、何で知ってんだア~」
「Mさんコミセンで保健婦さんがしている、リハビリに来ていたじゃない!私、ボランティアで手伝いに来ていたのよ、それでMさんのこと知ってるんだよ」

「今は保健センターでやんだ、今は来てねーんだ」
「うん、今はボランティアはやめたの」
「グリーンなかさいに行ってる人は、リハビリにこれねーんだ、介護保険で一級になんねーと、グリーンなかさいには行けねーんだ」
「ああーそうなんだあー」
「Mさん車の運転するんだよねえー」
「そうだよ、おれ車だねえーとこれねえーんだ」
Mさんは確か85歳以上になると思った
一度脳梗塞をしているのかな、足が少しおぼつかないようだ

デジカメにも挑戦していて、車の運転もする行動派のようだ
ちょっと、危なっかしいが、人生の青春真っ只中のように
生き生きしている。たいしたおじいさんである。
久しぶりにさわやかな、会話ができた。

      *******************

 ちなみに、“グリーンなかさい”は特別養護老人ホームのことで
グリーンなかさいに行くとは、ディケアに行く事です
“介護保険で一級”とは介護保険の認定で要介護1のことで
それ以上になった場合に特養のディケアにいけるようになり
保健師の行うリハビリ教室には参加できないということです。
コメント (4)
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