先日、マレーシアへの出張の際、香港空港で飛行機の乗り継ぎをしました。
帰宅してスーツケースを見ると、こんなシールが張ってありました。
縦が約4cm、横が約10cmです。HKIAの文字が印字されていて、英語と中国語の小さな文字で「このラベルはHK国際空港での荷物の識別に使用されている」と書かれています。
剥がして裏をみると、
銀色の金属薄膜のパターンがプリントされていました。
さらに、こんな文字が裏印刷で読むことができました: www.jgrfid.com
FRIDというのは、無線電波を利用して識別情報(ID)を読み取る方法です。
バーコードやQRコードと同様な機能ですが、情報量を多く伝えることができるほかこんな特徴があります。
バーコード・QRコードでは、貼り付けた場所をスキャナー(赤色光線などを当ててパターンを読み取る)か、最近のスマホならば所蔵カメラで撮影する方法で情報を取得します。
しかしこの方法は弱点があって、コードが印刷(シールの貼付け)してある場所を正確に指示しなくてはなりません。その作業をさらに大量にかつ高速に実行するためにRFIDが発明されました。
上記の www.jgrfid.com を見てみると、RFID応用を専門とする会社でした。そのサイトには、
こんな写真が掲載されています。ベルトコンベアで流れてくる荷物を機械で仕分けるシステムです。荷物の形や大きさが色々であっても、無線電波でIDを読み取るので、最大数メートル離れていても大丈夫。
空港の荷分けだけでなく、倉庫の在庫管理、工場の原料、部品、製品などの仕分けに活用されています。もともとは、膨大な種類と量を扱う米軍物資の調達や在庫管理を自動化、正確化するために開発されました。
冒頭のHKIAのシール裏面をクローズアップした画面で、
幅の広いパターンはアンテナです。真ん中にあるさらに小さな黒い部分にICチップが埋め込まれています。このICを駆動するための電池は内蔵してありません。その電力エネルギーはアンテナで受信する電波から受け取る方式となっています。
十数年前にRFID専門家に大学に来てもらって講義してもらった時の説明では、ICチップ1つが5円くらいのコストがかかるが、それが1/10になれば普及すると話していました。5円でも、上海万博の入場チケットなどですでに実用になっていましたが。
実は、現在、我々の多くが日常的に利用しているJR系や私鉄・バスのICカードにも同じ原理が使われています。
http://www.jreast.co.jp/suica/whats/merit.html#anchor-1
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