本店の玄関口です。
細い道路をもっと先にいって、左手に酒造り員の寮があり、以前は数人づつの大部屋だったのを、現在は個室にしています。昨年からは女性職員も採用したそうです。
お酒の神様、三輪明神。
見学者は靴カバーと使い捨て帽子をつけて入場しました。
酒米をなぜ精米するのか?
一番外側は糠。その内側の白い部分にも、タンパク質などでんぷん質以外の成分が多く、清酒にすると雑味が交じるためだそうです。・・ここ「手取川」の醸造では49%を残して清酒にします。
極端な場合、7%だけ残す清酒も世の中にはあるそうです。かの獺祭は37%かな?
削った粉をどうするのか、質問がありました。毎年、大量の米粉が産出します。一番外側は糠、いわゆる糠漬けの原料や肥料に。その内側は米粉として、煎餅や餅の原料になるのですが、ご飯用に比べ酒米では味が劣り価格が安くなり有効な利用方がない、やむなく廃棄することもある・・提案募集中です。(外国産白米から作る米粉はもっと安い)
これが業務用の精米機です。これに、何回も通して精米を重ねます。
さらに内部に進むと、神棚が祀ってありました。伝承によるとこの神様は女神なので、かつては酒造りの場所には神様の嫉妬?を避けるために女人禁制としていたとのこと。(神様なのにね・・)
酒母室、清酒の酵母種を元にして米から生産用の酵母を生成するタンクです。温度と湿度が厳密に制御されています。このときも、外から入るとかなり寒く感じました。
実は、酒造りは秋から初夏までの作業なので、見学した時にはもうほとんど生産が終わっていて、数個のタンクに原酒があるだけでした。
特別に、はしごを登ってタンクの中を覗かせてもらいました。白い液体があり、時折アワがブクブクと発生していました。これが原酒です。
醗酵が終わると、この機械にかけて絞ります。すだれ状にフィルターの袋が縦に並んでいて、一番端にピストンがあってゆっくりと押して行きます。
隣には、昔使っていた積み重ねて絞る機械も置いてありました。
機械の奥のパイプから、できたての清酒が左下の円形の小さなタンクに溜まります。
ありがたくも、試飲をさせて頂きました。シュワシュワと、炭酸のガスを舌に感じました。でもフレッシュで美味しいお酒でした。
酒蔵から出る通路に、こんなポスターが;
彼がニューヨークで知り合った映画監督が、ぜひ清酒を造る映画を作りたいとの希望がありその作品のポスターです。
インターネットにそのサイトがあり、作品の購入もできます。予告編Trailerを見ることもできます。
新しく、「吉田蔵」なるブランドを立ち上げて、新作を試していますとのことでした。
数年前にニューヨークにて日本酒販売のインターンシップを経験して、今後は外国での清酒の販促にも活動の場を広げたいとの意気込みです。
醸造所の建物は至るところで、空調設備がフル稼働していました。あたかもコンピュータールームの如く、ギンギンに冷やされています。吉田専務の説明では、出荷待ちの倉庫も空調で冷やしているので、消費電力が半端でない。なんとか省エネの工夫をしたい、倉庫の屋根に太陽子パネルを置いて、建物の断熱工事をしているそうですが、さらに製造過程でも品質に影響を与えないようにして消費エネルギーをさらに少なくしたいと近い将来の希望を話してくれました。
早速、現地で購入して、自宅で美味しく頂きました。
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金沢駅新幹線売店で買った、手取川山廃仕込辛口・・
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