朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

ジムロジャーズの自動車世界一周

2009-08-30 | もろもろの事
図書館に資料探しに行ったついでに、こんな本を借りてきました。
 ジム・ロジャーズは、ヘッジファンドのマネージャとして、1970-80年代に活躍した米国人です。知らなかったですが。
 大いに成功した後、1980年に「引退」して、オートバイで世界中を旅行して趣味に生きることにしたのです。



この本は、オートバイから自動車に乗り換えて、1999年1月から3年間をかけて、婚約者と二人で世界一周をしたときのドキュメンタリーです。単純な、早周りの世界一周ではありません。
 まず出発は北大西洋の孤島、アイスランド。欧州から中央アジア経由で中国、韓国、日本に達し、それからロシアに渡ってシベリア、モンゴルを通って欧州に戻りました。

 車はメルセデスベンツの改造車で、派手な黄色に塗っています。メルセデス社をスポンサーにして、写真やビデオ記録のスタッフを乗せた伴走車付き。所々で、数週間の滞在もしているので、3年間をかけています。

 欧州からアフリカに渡り、この大陸を可能な限り陸路で周回しています。アフリカの諸国は、治安が悪くいたるところで賄賂を要求されたとあります。陸路の国境通過は大変な苦労と危険が伴ったようで、そのあたりが冒険譚として面白い読み物になっています。

 アフリカの西から南へ行き、さらに東部を回ってエジプトまで走行しています。そこからサウジアラビアに入国しています。業務以外で異教徒が、サウジの入国ビザは取るのが大変だったと書いています。

 南アジアの危険な国々の多くも陸路で通り、オーストラリアに渡ってこの大陸もほぼ一周。
 南太平洋は車は船でチリへ、本人は飛行機で飛び途中、南太平洋の島で休暇。
 南米を最南端まで走って、その後はドンドンと北上して中米、メキシコ、アメリカ、カナダを抜けて、アラスカまで。
 さらにアメリカ大陸の太平洋岸をカリフォルニアまで南下し、大陸横断して、ニューヨークの自宅でゴールでした。
 24万キロメートル、116カ国を走って、ギネス記録だそうです。



図書館で、拾い読みした時に興味を持った点は、彼の旅行中リアルタイムで、インターネットのウェブに日記を掲載していたことです。そのウェブの読者が応援メッセージを送ってきたり、旅の途中で出合ったりする場面が出てきます。
 1999年時点で、すでにネットが機能していたことが第一点。日本では、まだADSLのブロードバンド夜明け前でした。ダイアルアップの時代、スピードは28kbps程度。
 もう一つの興味は、旅行記のスタイルの比較。私の知人、近藤さんが「遊牧夫婦」として2003年から5年間、世界各地で働きながら貧乏旅行して、それをブログにしてずーと発信していたので、それとの違いに興味がありました。

 ロジャーズさんは、資金に困らない言ってみれば、金持ちアメリカ人の冒険旅行。それに世界最強のUSパスポート所持。
 でも、彼のレポートは、各国各地での「投資機会」の発見と評価が興味深いです。相当大変な目にあっていますが、それでもアフリカ贔屓の感想がたくさん書かれています。アジアにもかなり愛着があるようです。ネットで検索してみると、生まれたお嬢さんには中国語を学ばせていて、2007年にはシンガポールに移住したとのことです。
  
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