人類学のススメ

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民俗学の本18.イモと日本人

2013年11月05日 | H4.世界の人類学者[Anthropologist of
イモと日本人―民俗文化論の課題 (ニュー・フォークロア双書) イモと日本人―民俗文化論の課題 (ニュー・フォークロア双書)
価格:¥ 3,360(税込)
発売日:1979-12

 この『イモと日本人』は、元国立歴史民俗博物館の坪井洋文[1929-1988]さんが、主に食べ物と民俗学について書いたものです。副題には、「民俗文化論の課題」とあります。1979年に、ニューフォークロア双書として、未来社から出版されました。本書は、坪井洋文さんが様々な学術雑誌や本で発表した論文をまとめたものです。

 本書の内容は、以下の通りです。

  • 単一文化の条件
  • 柳田国男の農耕文化論
  • 畑作儀礼研究の計画
  • 餅なし正月の背景:イモと日本人(1)
  • イモと餅の象徴:イモと日本人(2)
  • 畑作文化の確認:イモと日本人(3)
  • 補篇:万葉時代の地域社会(東国篇)

 本書のタイトルは、再録されている「イモと日本人」3部作からつけられています。餅以外に、サトイモ(里芋)やヤマイモ(山芋)等が重要視されている地域について民俗学から検証しており、大変、興味深い結果が示されています。

 著者の坪井洋文さんは、國學院大學を卒業後、母校の教授となり、1981年に国立歴史民俗博物館教授に就任しますが、1988年に惜しまれながら定年退官前に死去しました。

Tuboi1979


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