この本は、元京都大学の人類学者・近藤四郎[1918-2003]さんによる編で、日本人の起源を形態学・分子人類学・生体人類学から探ったものです。1977年に、日本人の生活と適応性シリーズ1として、社会保険新報社から出版されました。アマゾンで検索しましたが、ヒットしませんでしたのでリンクさせていません。
本書の内容は、以下のように、全3章からなります。
- 日本人の起源(山口 敏)
- 多型性形質からみた日本人とアイヌ(豊増 翼)
- 現代日本人の身性(近藤四郎)
この「日本人の生活と適応性シリーズ」は、IBP(International Biological Program:国際生物学事業計画)の「ヒトの適応能」日本班の仕事を解説することにあるそうです。このIBPは、1966年に日本学術会議で採択され、文部省特定研究「生物圏の動態」として行われた研究です。本書は、日本人の起源についてコンパクトにまとめられており、参考になります。もちろん、中身は少し古くなっていますが、それでも、多くの示唆に富んでいます。