1986年に、ジョージタウン大学で開催された夏期集中解剖実習の講師陣は、ディム(Dym)教授・ノーマン(Norman)教授・ラオ(Rao)教授・ヴィディッチ(Vidic)教授の4人で、それぞれが、専門に分かれて指導を行いました。
大学の国際色を反映するかのように、講師陣も、ノーマン教授がアメリカ・ディム教授がカナダ・ラオ教授がインド・ヴィディッチ教授がユーゴスラビア(当時)出身でした。
今回のコースには、医学部及び歯学部出身者26名が7体のご遺体を解剖することになりました。ただ、医歯学部出身ではない、メディカル・イラストレーターの女性と私は、特別に、2人で1体を解剖する機会を与えていただきました。その他の人は、4人で1体を解剖することになりました。
コースは、1986年6月23日から8月4日まで行われました。ただ、医学コースは全期間(6週間)で、歯学コースは7月24日までで1週間短い(5週間)のが違いです。これは、歯学コースでは下肢を解剖しないためです。そもそも、日本と異なり、アメリカの歯学部では下肢は解剖しないそうです。
コースは、毎日、午前9時から午後4時まで行われました。午前3時間・午後3時間で、この3時間は、1時間が講義・2時間が実習というカリキュラムでした。午後4時までとはなっていますが、時には午後5時や6時まで行われることもありました。また、時々、土曜日に試験が行われました。
学生一人一人には、全身骨格標本が貸し出され、実習室の出入りも24時間自由になるので、試験前日や日曜日でも熱心な学生は夜遅くまで勉強できるという、素晴らしいシステムでした。
夏期集中解剖実習の参加者。中央が、私と一緒に解剖をしたメディカル・イラストレーター、