人類学のススメ

人類学の世界をご紹介します。OCNの「人類学のすすめ」から、サービス終了に伴い2014年11月から移動しました。

私の仕事:発掘調査、クービ・フォラ14(地引き網漁)

2010年09月01日 | D3.私の仕事:発掘調査・クービフォラ[

 クービ・フォラ遺跡のベース・キャンプは、トゥルカナ湖に東岸にあります。ここでの食べ物は、セスナ飛行機で輸送してもらうか、冷凍の肉・魚しかありません。そこで、お休みのある日、教官・学生・スタッフ全員で、湖で地引き網漁をしました。

 まず、全員が、少しずつ網を持ち、湖に入っていきます。

Koobifora64

クービ・フォラ64.トゥルカナ湖での地引き網漁1

 網の一端を、閉じていき、魚を追い込みます。

Koobifora65

クービ・フォラ65.トゥルカナ湖での地引き網漁2

 今度は、網を陸地に曳いていきます。このトゥルカナ湖には、ナイル・パーチやテラピアという魚が生息しており、何十匹かを獲ることができました。

Koobifora66

クービ・フォラ66.トゥルカナ湖での地引き網漁3

 ところが、この網の中に、ワニが一頭入っていました。これは、ナイルワニというワニで、このトゥルカナ湖には、約14,000頭が生息していると推定されています。しかも、このトゥルカナ湖のPHは高くアルカリ性のため、ワニの皮は加工に適さないとのことで、誰も捕獲しないので増える一方だとのことでした。

 でも、現地のトゥルカナ族は、クロコダイル・テール・スープ(ワニの尻尾のスープ)が美味だとのことで、少しは捕獲しているようです。実際、私も、トゥルカナ湖で、頭を槍で刺されて殺されたワニを見ました。また、噂通り、その尻尾は切り取られていました。 

Koobifora67

クービ・フォラ67.トゥルカナ湖での地引き網漁4・網の中のナイルワニ 

Koobifora68

クービ・フォラ68.トゥルカナ湖での地引き網漁5・網の中のナイルワニの吻部

 それにしても、誰もワニに咬まれず幸いでした。このトゥルカナ湖周辺では、毎年何人かはワニに咬まれて死亡する人もいるそうです。ワニは、網をはずすと、そそくさと湖に逃げ帰りました。

 ちなみに、その日の夜は、中国系アメリカ人の学生が、ナイル・パーチとテラピアを揚げて、中華風甘酢あんかけにして料理してくれました。生まれて初めて食べましたが、白身魚でなかなかの味でした。

Koobifora69

クービ・フォラ69.トゥルカナ湖での地引き網漁6・網をはずされて逃げるナイルワニ

Koobifora70

クービ・フォラ70.トゥルカナ湖での地引き網漁7・湖へ向かって走るナイルワニ

Koobifora71

クービ・フォラ71.トゥルカナ湖での地引き網漁8・湖に戻るナイルワニ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。