一方で、全ての通貨で対ドルレートが存在すれば、どんな組み合わせのペアでも計算することで取引レートを導くことができる。 このように、通貨ペアとしてレートが常に存在しなくても、計算によって導くことができるペアの総称をクロス通貨ペアという。必然的にペアのどちら側にもUSDが登場しないのが一般的である。
特にドル円を除く対円ペアのことをクロス円などと呼ぶ場合もある。
では、ポンド円とスイス円のクロスを例に価格を作成してみよう。
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(例) ポンドドル=1.7445/50 ドル円=118.65/70の時、
① ポンド円を買う場合、円売りポンド買いをすることになる。ドル円でドルを買って、買ったドルでポンドを買えば理論上可能なので、1.7450×118.70=207.13
② ポンド円を売る場合、全てが反対なので、 1.7445×118.65=206.99 つまりポンド円の売買表示は計算値から206.99/13となる。
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(例)
ドルスイス=1.2973/78 ドル円=118.65/70
① スイス円を買う場合、ドルスイスでスイス買いドル売りし、売ったドルをドル円でドル買い円売りすれば理論上可能なので 118.70÷1.2973=91.50
② スイス円を売る場合、全てが反対なので、118.65÷1.2978=91.42 つまりスイス円の売買表示は計算値から91.42/50となる。
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昨今の外国為替証拠金取引では、何十という通貨ペアが非常に優れた売買価格で常に提示されているが、通常の市場ではまずありえないことが実現していると心得たい。それだけ、今や一般投資家の外国為替取引環境が優れているという現われであり、金利に着目したマイナーなクロス通貨ペア取引でもストレスなく行うことができるようになったことはすばらしい。
反面で、マイナーな通貨ペアの流動性リスクは大きくなるのが一般的であるが、この点がぼやけてしまうリスクもあることは覚悟が必要だ。
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