今晩は、
先週末のアメリカ雇用統計は予想外の改善となりましたが、ドル金利の先高観が手伝ってか、ドルが全面高となり、円安が進んだ割にはクロス円の上値は重い展開でした。
ここまでであれば、普通にドル高との解釈で良いのですが、既にご存知の方も多くいらっしゃるとは思いますが、週末の土日で発表された中国の貿易収支が、異常な落ち込みとなり、先月後半から顕著になった人民元安が一段と進むリスクが出てきました。
◎中国情報に強いDZH社ウェブサイトの当該ニュースはこちら
このところユーロやオセアニア及びゴールドが謎の上昇をしていましたが、可能性の一つとしてチャイナマネーの逃避が考えられるところでした。しかし、ここでアメリカの金利先高観が再燃したとすれば、これらの通貨からドルへと資金がシフトし易くなる上に、中国発の金融リスク懸念が加わったことで、ドルはリスク回避先として一層買われやすい地合いになったと考えることは可能です。
そうなると、急ピッチで上昇してきたクロス円は、クロス元に下落リスクが出ることに加えて、円サイドにはリスク回避による円高が加わることも考えられ、センチメントは先週から一変することも想定しなければなりません。
2月の貿易収支落ち込みには、旧正月の長期休暇が季節要因だとの指摘もありましたが、織り込み済みの市場予想から、前年同月比で輸出はネットで25%以上の落ち込み、貿易収支の金額ではネットで375億ドル強の減少で赤字に転落しており、織込み以上の何かが原因となっていると考えた方が無難です。シャドーバンキングの崩壊もささやかれる中で、潜在的なリスクがまた一つ顕在化しつつあることは充分念頭に入れて置きたいと思います。
浅野