こんばんは、
少し遅くなりましたが、今週もデータの更新がありましたので、IMM取組残高分析活字版をお届けします。
ただし、先般の米国政府機関閉鎖の影響がまだ残っている模様で、今回発表されたのは10月22日付けのデータでした。今回はこのデータに基づいて解説したいと思います。
では、まずはドル円相場の取組のネットポジションから見ていきましょう。
<ネットポジションのグラフ>
FOMCで緩和縮小期待が後退した影響は続いていた模様で、全般的にドルの上値が重い中で、ドル円相場はテクニカル的にもドルの頭が重くなっていました。しかしながら、ドルの底値が次第に堅くなる中で再びドルを買い戻す動きが始まっているようです。一時5万台まで減少していたドルのネットポジションは、71,802コントラクトまで買い越しが増えています。
<全通貨のネットポジション>
続いて全通貨に対するネットポジションのグラフです。
前回のFOMCで金融緩和縮小が見送られた影響は、こちらのグラフからもうかがえます。円以外の通貨は、全般的に買われる動きだったことが良くわかり、合い対するドルは売られる動きが続いていたことになります。
<前週比グラフ>
次に、前の週と比較した取組高の変化を示すグラフをみて見ましょう。
まず円ですが、
米国の金融緩和縮小期待が後退した影響で、一旦は円を買い戻す動きが出ていましたが、一方で一部には依然として年内の緩和縮小を期待する向きもあった模様で、円を再び売り直す投機筋の動きもあったようです。
円は前の週と比べて、12,536コントラクトの売り越しとなっています。
続いてユーロです。
10月22日の終了時点では非常に強いユーロ高トレンドだったこともあり、こうしたトレンドの中で、ユーロは遂に7万コントラクトを超えて、買い越しが進んでいたことは先ほどのグラフでも確認できました。
ユーロは前の週と比べて、12,060コントラクトの買い越しとなっています。
その他、オーストラリア・ドルも、
データの締切だった10月22日時点では、買い通貨として注目を集めていたこともあって、今回のデータでも買い越しを積み増す動きでした。
オーストラリア・ドルは前の週と比べて、10,126コントラクトの買い越しという結果でした。
更にポンドも、
少しずつ買い越す動きが出てきており、前週比では2,031コントラクトの買い越しでした。
さて、今回の発表時点で特にユーロなどは、対ドルで最も買い持ちが積み上がっていましたが、それから暫くたった現在の為替相場は、状況が大きく変わって来ています。
先週では、ユーロ圏の消費者物価が日本並みの低水準にあるという発表を受けて、市場のムードは一変し、今度はユーロ圏の金融緩和期待が台頭しています。一気に今までとは逆の展開となった事でユーロ相場は反落しており、大掛かりなポジションの取り崩しが進んでいると考えられます。
IMMデータは先週発表分から2週飛ばしとなっており、恐らく今週は最新データが発表される期待は持てますが、正常化するまでもう少し時間が掛かる可能性もあります。そんな状況下で、ドル売りのピークだった今回のデータは非常に意味があることから、今後の相場展開を推測してトレードする際には、必ず参考にする方が良いでしょう。
現在、アメリカ国内では金融緩和の年内縮小の可能性が再び出て来た一方で、ユーロ圏では次回のECB理事会で追加的な金融緩和が発表される可能性が新たに出て来ました。
相場はかなりの荒れ模様が予想されますので、方向性を確認しながらの慎重なトレードスタイルが賢明だと思います。
以上、この内容はForexTV・ジャパンで動画として閲覧できます。
古いデータでの番組ですが、今回のデータは色々な意味で重要であり、今後の起点になるかもしれません。