ユーロは比較的長期に渡り強さを維持してきたため、ユーロ円相場は上下しながらも年初来からの上昇トレンドを継続してきました。ただ、8月の高値は6月の高値を越えられず、トレンドにややかげりが見えて今月末を迎えようとしています。
これだけを材料に下落反転を唱えるには時期尚早ですが、8月安値の132.15円水準を下回るようだと、7月安値が目標となってきそうです。
8月の安値割れはN波動における第三波動の開始を意味するのと同時に
ヘッドアンドショルダーのネック割れを意味しているように見えます。ネックの水準となる8月下値には要注意です。
戦略的には、ネックを下回った時点でストップエントリーを考え、134円台に戻るようなら一旦ギブアップ。
下値目標はヘッドアンドショルダーによる計算値と一致するN計算値は、奇しくも7月安値と概ね一致します。硬く行くなら128円台を目標として視野に入れたいところです。
26日東京市場~欧州市場
東京市場では朝方にクロス円を中心とした円買いが持ち込まれましたが、本格的な取引時間を迎えると、堅調な株式市場に同調する円売り圧力が掛かり、クロス円は買い戻されて往来相場。ユーロドルはユーロ買いとなって相場上昇を支援しました。一方、全面的に弱いポンドは下支えされるのが精一杯という展開。
結局、株式市場は日経平均が前日比で142円強、高く引け、投資ムードは依然として好調を維持したようです。
欧州時間に入ってもユーロドルが上昇基調を維持する中、発表されたドイツのIfo指数が好調な内容となると、ユーロドル相場は一時1.4350水準まで上昇しました。しかし、上値ではユーロ売りの圧力も高い模様で、特にユーロ円の売り需要が高い印象があります。また、中国の株式市場の上値が重たかったことも、上値警戒感をかもし出していたとの報道も見られました。
米国市場
米国時間に入って早く発表された、住宅ローン指数の内容も良く、また続いて発表された耐久財受注や新築住宅販売も伸びていることが確認されると、ドル円は一時94.55水準の高値まで円売りドル買いが進みました。ドルは、対欧州通貨でも強く推移しており、一時はドル全面高で一致していた観がありました。しかし中国からは、国家を挙げて各産業における余剰分の生産能力を削減する旨の報道が伝わっており、欧州通貨でのドル買いは、リスク回避的な要素が高かった模様です。
現に
・ドル円が上昇していたにも関わらず、クロス円は下落する展開
・米国債券の入札が好調に終わるなど債券需要の高さを確認
・ユーロ安を嫌気した資源市場が下落
なども悪材料視された模様です。
さらに、市場に悲観的なムードが高まって耐久財受注の内容が再度見直されると、コア指数の低さに目が向く格好となり、ドルは一段と資産の逃避先として選好される結果となりました。引けにかけては、円もリスク回避先として浮上し始めドル円相場は緩やかに円高基調となっています。
本日8月27日午前の東京外国為替市場
投資ムードの改善と、リスク回避の強まりとが、報道でも混在するほど市場の判断は一時、混迷していました。しかし、中国の大手企業が増資を発表するなど、リスク所在が判明するにつれ、穏やかに推移していたドル円相場も円高が強まり、株式市場も軟調に推移しています。
欧州通貨は昨日中にドル買いを進めており、今のところ大きい変動はありませんが、クロス円はドル円に牽引される形で、こちらでも円高が進んでいる状況です。
今後の予想
ファンダメンタル
これからヨーロッパ市場にかけて予定のあるイベントでは、次の経済指標発表などが材料となりそうです。
15:00 英8月全国住宅価格
15:10 独9月GFK消費者信頼感
既に弱さが目立つイギリスの住宅価格指標は悪化。また、ユーロ高のけん制を継続するユーロ圏の主要国ドイツの消費者信頼感は若干の改善が予想されています。ドイツの信頼感はこの一年、僅かながらも改善トレンドにおり、その流れを維持できるかが注目されます。
テクニカル
本日はユーロ円相場を分析してみます。追ってアップいたします。