外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

カナダ円分析-金利が高くない資源国通貨が買われる理由

2009-08-03 21:25:19 |    -加ドル

相場ですから、例えばポンドオージーが高値を更新仕切れなかった場合、巻き戻しも入ることでしょうから、安直に行動しきれないことは事実です。しかし、対円で何かを取引する場合ドル円が動かないと仮定すると、ユーロ円やポンド円を買うよりオージー円やカナダ円を買ったほうが、より安全だといえそうです。

ちなみに、オージーとカナダはどちらが強いのか、オージーカナダというクロスペアを見てみると、現在はオージーが強い状況です。しかし、基本的には甲乙付けがたいと判断するのであれば、少しで遅れ感のあるカナダ円が有利か、という状況です。


08年10月末から11月初頭の対円高値を起点に、09年初の安値を終点とする、フィボナッチリトレースは、オージー円が50%戻しの手前に迫るところ、カナダ円では38.2%の手前で留まっています。現状のカナダ円相場は、89円に週足一目均衡表の雲の上限が位置しており、上値抵抗となっています。


日足で見ても89円台は重く見えますが、6月高値となる89.30円あたりを上回ってくると、週足でも久しぶりに雲の上に出ることになり、そうすれば、フィボナッチの50%戻しをターゲットとしても、97円あたりが見えてきます。ストップロスは週足雲の上限内側が順当かもしれません。88.50円以下に置ければストップアウトの可能性も軽減できるかもしれません。

ドル安、ユーロ安の行き先として、円もそのターゲットになっているのは、間違いなさそうです。貿易黒字はさほどでもないことから、昔のようなジャパンバッシングは少ないと思いますが、今後の通貨高圧力がBRICSあたりにその頬先が向くのであれは、これらの通貨が高めに推移するという想定はできそうです。


カナダ円分析(1)-IMFレポートの矛盾の矛先

2009-08-03 20:27:03 |    -加ドル

本日はいつもと構成を変えてみます。

先週末の動きは、最終的にドル売りで相場が一致し、ポンドドル、ユーロドルが上昇したのはもちろん、ドル円相場までもがドル売りの影響を受けて下落しています。
ドルが全面安となった背景に、IMF報告の内容が指摘されています。報告では以前にもドルは過大評価を受けている見解が示されていたようですが、週末の報告ではこの見解を維持するというものでした。

当然、為替相場はドル売りで反応し、週末から本日にかけての流れを作ったというわけですが、ファンダメンタルから見ても、ポンドやユーロが選好されて買われていると考えるのは、どうも腑に落ちません。ましてや、IMF報告ではドルへのコメントに先んじて、ユーロの過大評価についてもレポートしています。

その影響を受けてか、ポンドドルの上昇に比べて、ユーロドルの上昇度合いは鈍くなっています。ドル円は一連のドル売り圧力と、ポンドやユーロ上昇に伴うクロス円の上昇による円売り圧力とが均衡する形で、ドル安値圏での揉み合い相場といったところです。

ポンドやユーロが対円、対ドルで強い中でも買う気になれない矛盾の理由探しに、本日はポンドを代表してクロスをチェックしてみました。すると、一方でポンドは対AUDやカナダでは弱く推移しており、何か矛盾が解けた気がしています。

つまり、対ドルや対円では強く見える欧州通貨の先には、こうした資源国通貨へと流れていることが分りました。ポンドオージーに至っては、5月に付けたここ数年来のオージー高値を更新する勢いで高留まっています。

今となっては決して資源国通貨=高金利ではなく、例えばカナダ円、オージー円の旨みは薄れてはいますが、ユーロ安、ドル安が同時に叫ばれている現在、行き場を失った流動性はこのような動きをして双方の目的をかなえていたようです。