外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

8月7日海外為替市場の総括と、10日の相場見通し

2009-08-10 15:20:40 |    -ドル円

アメリカ雇用統計待ちとなった7日東京市場は、大きな動意なく穏やかに円高ドル安に推移し、対円通貨は上値が重く、対ドル通貨は下値が硬い展開で終了しました。

7日欧州市場

ヨーロッパ時間に入っても基本的に様子見相場が継続し、発表された経済指標はご覧のとおり、良い内容ではなかったものの、特に目立った動きはありませんでした。

7日米国市場

アメリカ時間に入って発表された、注目の雇用統計は改善内容が予想より進んでいたことに加え、しばらくは悪化が予想されていた失業率までもが改善されていたことで、市場はやや過剰気味に反応しました。

対円通貨は迷い無く一気に円売りとなり、これまでの上値抵抗を簡単に上回る展開。一方で、ドルは発表直後にドル売りとなったものの、直ぐにドル買いで反応し、結局ドル全面高の展開で先週を終わっています。

株式市場は全面高、債券市場は投資先へ資金が向かう動きとなり、相場は下落して利回りは上昇。一方で、資源市場はドル高に牽引され、下落して先週末を終わっています。

これまで、いわゆる“投資意欲の向上”を示す資金の流れは、ドル安、資源高が通説でしたが、雇用統計が予想外の改善を見せた結果、ドルが全面的に買われた背景には、意見が分かれるところです。

本日8月10日午前の東京外国為替市場

先週末の急激なドル買いのまま、特に調整も無く大引けを迎えた海外市場だっただけに、今週はドルが売り戻される調整相場の滑り出しとなっています。
株式市場は、大幅な上昇を見せた先週末の海外市場の流れを引き継ぐように、日経平均は前日比で118円以上高く寄り付いた以降も堅調に推移し、前場を148円近く高く引けています。円安相場が一部、支援材料となっている模様です。

今後の動き

【ファンダメンタル】
これからヨーロッパ市場にかけて予定されているイベントとして、以下のような経済指標発表などが材料となりそうです。
15:00 日 7月工作機械受注速報
17:30 欧 8月Sentix投資家信頼感指数

本日は主要な経済指標の発表は無く、先週末の調整相場が主流となりそうです。今週後半にはアメリカの金融政策が発表される予定で、債券安による金利上昇が裏付けられるかどうか、それまでは明確な方向が出にくい相場展開を予想します。

【テクニカル】
円売りに加えて発生したドル買いの影響で、ドル円は上昇圧力を受けやすくなっています。短期的な揉み合い相場を上に抜け、以前の円安相場を継続する結果となりました。

ドル円を週足で観た場合、

長期的に2007年6月からの上値線は今週で99.30の水準に差し掛かっており、毎週約20ポイントずつ下落してきています。

本日の取引価格は97円台となり、次のチャートを見ても、中期的な下落トレンドの上値線を、終値ベース、高値ベースともに、既に上回っています。

しかし、6月上旬の高値となる98.85前後は依然として上値抵抗水準として控えており、また、一目均衡表の雲の上限と概ね一致しています。さらに、今後時間の経過と共に長期上値線もこの水準に接近してくることから、かなり重要な水準となる可能性があります。

新規取引を想定する場合、
■中期的な上昇相場を予測する向きは、98.85水準が近いため、越えてから取り組んでも良い状況に見えます。
■下落相場を予測する向きは、98.85円水準を後ろ盾に、97円台後半以上が入り口として想定できる水準となります。99円前半にはストップロスを設定したいところから、損失予算と相談しながら、入り口を模索すると良いかもしれません。