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外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

IMM分析「5:ブルベア残高のブレークダウン」

2014-02-10 21:59:21 |   -【特集】IMM残高分析




このグラフでは、実際のブルとベアのコントラクト数を表示して比較することで、前週比較での買い越しや売り越しが、どんな背景で発生したかを見ることができます。


つまり“前週から単純に買い越しになった”といっても・・・

売り越しは変わらず→買い越しが増えた
売り越しも増えたが→それ以上に買い越しが増えた
売り越しが減って→買い越しも増えた
売り越しが減って→買い越しは変わらず
買い越しが減ったが→それ以上に売り越しが減った

場合が考えられ、その詳細からIMMの微妙な変化を感じ取ろうという試みです。

今回の豪ドルは、前週比で売り越しから買い越しに転じ、一見上昇相場が優勢になった印象があります。しかし、上昇見通しを意味する買い越しは3週連続で減少して売り越しに作用するなど、上昇見通しを諦めた参加者が継続して存在する一方、売り越しが急激に取り崩され買い越しとして作用したことが、買い越しの主要因だったことが判ります。

ブルベアと比較してみると、今回の豪ドルは円に匹敵するほど、ブルベアのアンバランスが生じていたことが判り、その市場規模も円に肉薄するまで大きくなっていたことが判りました。
つまり、IMM筋は依然として上昇は見通していないものの、売り越していた向きが、ブルベアの偏り過ぎによる警戒感で、買い戻したという背景が見えてきました。

地合いとしては円と似たような状況だったことから、オージー円が右往左往したのも納得できます。従って今後も同じ地合いをもう少し継続すると仮定した場合、共に買戻しとなるオージー円より、ドル・円での円買いと、オージー・ドルでの豪ドル買いに分けた方が考えやすく、収益機会もより高い取組にはなるでしょう。


さて、
今回のデータ締切以降、ドル円相場は若干回復する一方、豪ドルは同じ水準で揉み合っています。リスク回避志向が優勢となり円売りポジションを圧縮している状況は良く把握できましたが、決して円買いには至っておらず、リスク回避の円買いという報道には違和感があります。

今回の分析では明確な方向は掴めませんでしたが、微妙な状況であることは間違いありません。今後は円の買い越し動向に注意しながら、過度な円高悲観論には惑わされないよう冷静な判断が必要に思います。


IMM分析「4:ブルベア・グラフの主旨」

2014-02-10 21:45:46 |   -【特集】IMM残高分析

そこで、本年に入って追加した一つのグラフが円グラフです。
残高だけでは見えてこないブルとベアの割合をビジュアル化することで、残高の単純な偏りが、その通貨に与えているインパクトを判り易くお伝えできればと考えました。

繰り返しになりますが、緑の棒グラフで見たネット残高があまり多くない場合、ブルとベアは半々近くとなり動意が薄いことになります。


ポンドのブルベア(ブル:52098 ベア:41147)



スイスのブルベア(ブル:13236 ベア:11016)

例えば共に5万コントラクト近いボリュームでブルとベアが釣り合っている場合、全体の10%に当る約1万コントラクトのベアがドテンしただけで、一気に2万コントラクトの買い越しとなり、残高の増え方から見ても、上昇相場が断然有利な展開に映ります。

一方、市場規模が2万程度の小さい通貨では、同じ10%に当る2000コントラクトのベアがドテンしたところで、4000コントラクトの買い越しになるだけに過ぎず、大きな動きとしては捉えにくいところです。

逆に言えば、ある程度大きな買い越しや売り越し残高を記録しても、市場規模が大きければ、ブルベアへの影響は限られることにもなるわけです。


ここで新たに問題になるのは、ある時点でのブルベア比率は、





その格差が拡大途中なのか、縮小途中なのかで意味が異なる場合があり、そこを補うために追加したのが、次で説明するグラフです。(続)


IMM分析「3:前回データとの比較分析」

2014-02-10 20:23:37 |   -【特集】IMM残高分析

続けてご覧いただいているのが、こちらの前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。

これは先にご覧いただいた緑の棒グラフの変化部分だけを拡大表示したものとお考えください。グラフの目盛りが必然的に細かくなるため、変化の状態がより明確に把握できます。

ゼロから上が買い越し、下が売り越しですが、今回のポンドがそうであったように、前週との比較が買い越しから売り越しへと180度方向転換しても、ネットでは依然として買い越しでした。

つまり、緑のネット残高グラフでは潜在的なIMM筋の見通しが判ると共に、このグラフを併用することで、目先のセンチメントがどうだったかがより明確にわかり、そのセンチメントが安定しているのか不安定なのかをビジュアルで判断できます。

こうして見てみるとユーロは、前回と今回の比較差は全通貨の中では最大となっており、残高そのものが逆転する程の動きがIMM市場で発生していたことになります。

また新興国懸念で売り込まれたメキシコペソは、一旦は落ち着いたものの買い越す程、センチメントはまだ改善していなかったようです。

このグラフの問題は、例えば今週のポンドのように、IMM筋は目先の見通しを下落としているように見えます。しかし、実は実際の売り越しは逆に40コントラクト減少しており、買い越しが大きく取り崩されたことが、結果的に売り越しとなっています。

つまり、ネットを分析する意義は大いにありますが、それだけではIMM筋の意思までは明確に見えないことが、この分析からも判明することになりました。(続)


IMM分析「2:全通貨別ネット残高分析」

2014-02-10 20:12:55 |   -【特集】IMM残高分析

通常、次にご覧いただいているのがこちらの、全通貨のネット残高のグラフです。

トレンドをより明確に認識するため、3回分のデータを並べて表示していますが、内容としては最初のグラフと同じで、ルーブルとレアルを除いた、IMMが取り扱う全通貨の推移を把握しようというのが、ここでの試みとなっています。

グラフが対象としているのは、各通貨そのものの残高であるため、円が下向きの棒グラフになっているのは円の売り越しを示しています。

こうして見てみると、現在動きがある通貨が一目瞭然で、やはりポジションがどちらかに傾いている通貨がトレード通貨として焦点が当てられていることが判ります。また、現状のIMM筋は、対象通貨を買いで持ちたがっていない傾向も見えてきます。クロス取引も考えられるため一概には言えませんが、結果的にIMM筋はドル買いが基本的なスタンスであることも判ってきます。

問題はやはりここでも、ネットだけでは市場の盛り上がりが伝わりにくい点が指摘できそうです。

例えばユーロやポンドは、毎回出たり入ったりと傾向も無く、その残高は目測でも精々3万コントラクト程度の動きと、興味も動意も全く無いように見えてしまいます。


しかし、同じようなNZドルの市場規模(つまり買い越しと売り越しのコントラクト数を単純に足したもの)は、実は2万強であるのに対し、ユーロやポンドは共に10万前後と、ネットだけでは見えてこない数字が隠れています。

NZドルのように市場規模が小さければ、本当に冷え切った動意がない通貨であると、このデータから言えますが、市場規模がそこそこある場合、一夜にして数万コントラクトがネット残高として発生する可能性が高く、今は正に緊迫した状態での睨み合いだと言えそうです。

このネット残高についても気になる通貨に対しては別途グラフを用いて、詳細に見て行く試みを普段の番組内で行っています。(続)


ドル買越は10万枚を割り込む一方、円買越は微減-IMM分析「1:ドル円相場とドル・ネット分析」

2014-02-10 19:53:40 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、
今週のIMM取組残高分析は、都合により動画版をお休みします。その代りに、動画版でいつもお届けしているグラフの解説なども付け加えた活字版の特集を、パート別にお届けしようと思います。


さて、今週使用するデータは、2月04日のIMM市場が終了した時点のものです。

先月末は新興国懸念が再燃しましたが、新興諸国は通貨防衛のために大幅な利上げに踏み切るなどで対抗し、どうにか下値を維持しつつも102円を中心に乱高下する展開でした。
そんな中で、FOMCは資産買入れ額の縮小を断行したことで、懸念を煽る形となり、週明けはとうとう100円台へ突入したところでデータが締め切られています。

円売りが相当取り崩されたことは予想できますが、果たして結果はどうだったのか、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
まず最初にいつもご覧頂いているのが、「ドル円の相場推移」と「対円におけるドルのネットポジション変化」のグラフで、表示期間は概ね過去3年間の推移です。

ドル円相場のドルの動きに合わせて見やすくするために、棒グラフが表すネットポジションはドルベースで表示されています。ドル円相場の動きに合わせて、ドルのポジションが増減しているのは、皆さんも同意していただけると思います。

つまり、幾ら為替市場のほんの一部であるIMM市場でも、参加者はかなりのプロ集団であることから、IMMデータの変化と、市場全体の動きそのものである相場変動とは相関性があり、データの有用性は認識できると思います。


従って、相場が動かない中で残高に動きがある場合や、相場変動の割に残高に動きが無い場合は、相場を少し疑ってみる価値はあります。


一方、残高と相場水準は必ずしも整合性は無く、例えばドルの買い越しが10万コントラクトの時、相場は100円前後で一致するとは限りません。ただ、今回、10万コントラクトを割り込んだIMM残高は、昨年中旬以降の大きな揉み合い期間程度まで残高が既に減少しており、この期間の最小残高と相場水準等とを比較しながら、今後底値確認ができれば、再びドル高に推移する可能性は充分残っています。


このように、ここではドル円の相場推移とIMM残高に矛盾が無いかどうかをザックリと確認するのが主旨となっています。

問題として全般的に言えるのは、データと発表タイミングの時差であり、現在の相場に応用するためには、締切以降の相場変動を織りこむ必要があることです。

またこのグラフはあくまでネットであるため、単純に10万コントラクトの買い越しといっても、買い越しが102Kで売り越しが2Kなのか、買い越しが150Kで売り越しが50Kなのかで、大きく意味合いが異なってきます。
これらをなるべく補足するために、以降のグラフが意味を成してきます。(続)


ドル買越高が25%減少も、円買越高は微増に留まる-IMM分析

2014-02-04 11:22:56 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、今週もIMM取組残高分析活字版をお送りします。
今週番組で使用するデータは、1月28日のIMM市場が終了した時点のものです。

今回、データの対象になった期間のドル円相場は、1月23、24日に掛けて顕著になった、新興国のリスク懸念によって、円買いが優勢となり、先週序盤には101.75の安値を付けました。しかし、その後の反発も強く、103円台に戻したところで締め切りを迎えています。

では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
ドル買い残高が、ピークを迎えた翌週に高値を付けたドル円相場は、下落基調で推移したことに合わせて、これで5週連続してドルの買い越しは減少となりました。


ドルのネットポジションは102,169コントラクトの買い越しと、前回比で25%強の減少になり、買い越しを取り崩したコントラクト数としては、この3年間で1,2を争う大幅な減少となっています。

<全通貨別ネット残高推移>
円売り残高が急速に減少する中、その他の通貨では、前回同様ドルカナダと豪ドルの売越残高が、比較的高水準を維持しています。

円のブルベアはこのように、依然として大きなアンバランスとなっていますが、前回と比べると幾分、買い持ちの割合が増えたことが判ります。

またメジャー通貨のポンドとユーロは、ドル金利の先安観によってドル売りが進み、ブルの割合が少し増えています。

その他、大きな変化があったのは、メキシコペソです。円グラフは準備できませんでしたが、高金利をもってしても、とうとうIMMは売り越しに転じ、今回の新興国ショックをそのまま反映する結果となっています。

<前回データと比較した各通貨のネット残高変化>
続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。


先ず円ですが、買い越しの変化は大きな額になりました。

ブレークダウンを見ると、売り越しが大きく取り崩され、買い越しも僅かに増加しており、両方の変化が共に買い越しに働いたのが背景です。ただ、買い越し額は想像以上に少額だったことから、IMM市場は依然として円高見通しは低く、売り残高の取り崩しだけが進んでいたことになります。

次にユーロですが、前回の売り越しから大きく買い越しに転じていました。

ブレークダウンを見ると、市場規模は殆ど変らないように見えますが、そこそこ買い越しが増加した以上に、売り越しも減少したことから、ネットでは大きな買い越しとなったことが判ります。これは、前回の比較とは正反対の動きであり、市場は下落見通しから、一気に上昇見通しへ方向を変えていたことを意味し、23日のユーロ急騰を裏付けた格好です。

続いてポンドですが、前回の売り越しから、今回は比較的大きな買い越しとなりました。

ブレークダウンでは、売り越しの減少分と、ほぼ同額が買い越されており、買い越しは結果的に倍増しています。市場規模は概ね同じに見えることから、IMMの見通しは上昇に転じた格好です。データ対象期間中の相場は、乱高下したにも関わらず、この様な結果になったことは、興味深く受け止めています。

大幅な売り越しとなったメキシコペソは、買い越しはある程度取り崩されて20,000コントラクト強へと残高が減少する一方で、売り越しは25000コントラクト近くが純増となり、IMMは売り一色になっていたことが判ります。

<総括と考察>
さて、新興国パニックは諸国の緊急利上げなどが好感され、今回のデータが締め切られる時点では、リスク度が後退していました。しかし、その効果も一時的に過ぎず、先週末にかけて、ユーロドルは前週の安値を更新し、ドル円も安値を試すなど、リスク回避色は再びドル買い・円買いに傾いています。


一方、こうした地合いの中でアメリカは、据え置く可能性も出ていたQE3縮小の第二歩を躊躇なく踏み出したことで、新興国リスクに対しては様子見というアメリカのスタンスを市場に伝えたことになります。現にその後のアメリカ経済指標はさほど弱くも無く、ドル金利の先高観とリスク回避のドル買いが一致しかける局面もありました。

ドル円にとってはドル金利先高思惑のドル買いと、リスク回避の円買いという上下2つの要素が絡み合い、それが乱高下の一因だとも考えられますが、今週末のアメリカ雇用統計が好結果となれば、一部の通貨でドル買いが急伸する恐れも出てきたように思います。

今週は、リスク回避の影響がドル金利にどう影響するかを見極めながら、雇用統計に対する準備をしたいと思います。

以上、IMMの取組残高分析は動画でも視聴できます。


※上の画像をクリックすると、当該動画を掲載するForexTVジャパンの動画ページを表示します。

ふんだんにグラフを使い、より解りやすくご覧いただけます。是非、ご覧ください。


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懸念していた円の買い越しが僅かに増加-IMM分析 活字版

2014-01-28 16:48:58 |   -【特集】IMM残高分析

今週もIMM残高分析の活字版をお送りします。
一日遅れとなりましたが、今日のIMM市場が終わったデータが、週末の発表になりますので、このまま終わるとも思いにくい感じです。、
ではどうぞ!

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今週のIMM取組残高分析をお送りします。
今週番組で使用するデータは1月21日の市場終了時点のものです。
さて、先週は週末にリスク回避の動きが大きくなり、ドル円相場も円買いが急伸しました。
今回のデータにはこの動きが織り込まれていないことを予めお伝え致します。

では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。
まず、ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化をみてみましょう。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
御覧の通り、ドルの買い越しは依然として取り崩される動きが継続していますが、今回はその勢いが後退しつつあったことが判ります。相場の方も一旦下げ止まっており、目先の調整も一服といった状態でした。
ドルのネットポジションは114,961コントレクトの買い越しに減少しています。

<全通貨別ネット残高推移>
次に、各通貨のネット残高のグラフです。

円の売り越しは少しずつ減少していることは、こちらのグラフを見ても良く判ります。


メジャー通貨では、ユーロもポンドも中立に向かう傾向が続きました。円グラフを見るまでもないですが、御覧のようにブルベアは両通貨共に概ね半々となっており、上昇見通しと下落見通しが依然として睨み合っている状態が判ります。


その他の通貨では、カナダドルとオーストラリアドルの売り越しが順調に伸びており、両通貨共に弱い地合いが見て取れます。

<前回出たと比較した各通貨のネット残高変化>
続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。

先ず円ですが、
前週比でも、円が買い越されている動きは継続していましたが、3週比較では最も小さいことから、調整の勢いが収まりつつあった状況でした。

ただブレークダウンを見てみると、円売りは殆ど動きが無かった一方、懸念されていた買い越しが僅かながら増えていました。つまり、既にこの時点で先週末の下落を暗示するかのように、投機筋には円高を見込む動きが芽生えていたことになります。

次にユーロですが、
売り越しが再び復活していたような推移でした。

詳細を見てみると、買い越しが減少し、売り越しが増えると言った典型的なポジションの入れ替わりが見られており、先週火曜日の時点では、下落見通しがかなり優勢だったことが判ります。

続いてポンドですが、
ブレークダウンを見てみると、買い越し、売り越し共に増加して市場規模が拡大する中、そのネットが、僅かに売り越し優勢だったに過ぎない背景が判ります。方向感は依然として定まらないものの、投機筋のポンドに対する注目度は、依然として高まっていたようです。

その他、
メキシコペソの売り越しが急拡大していました。先週末に発生したリスク回避の動きは、新興国懸念が一大要因とされていますが、IMM残高からも既にその前兆はあったことになります。

また豪ドルも14日以降の下落が反映された結果となっており、売り越しを縮小する動きから、再び活発な売り越しに転じていたようです。

<総括と考察>
さて、先ほど触れたとおり、データが締め切られた以降、相場はリスク回避の動きを強めています。リスク回避の一因は新興国の資金流出懸念でしたが、メキシコ・ペソの前週比でもまさにその通りの結果でした。

今週に入ってここまで、相場のリスク回避の動きは一服し、ドル円も下げ止まった格好ですが、今週末発表されるデータの締め切りは本日であり、このままだと円の売り越しは相当取り崩されているはずです。

投機筋が円安見通しを市場に対して明確に示すためには、本日締め切られるデータから、円売りポジションがさほど取り崩されていないという印象が必要です。しかし、もし今週末発表される今日のデータで円買いまでもが増えているようだと、来週は余程のサプライズが無い限り、もう一段の円高もあり得ると考えています。


こうした点からも、本日、ドルの買い戻しがどこまで進むかに注目し、週末を待ちたいと思います。
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以上、IMMの取組残高分析は動画でも視聴できます。


※上の画像をクリックすると、動画ページに移ります。

グラフを沢山使って、より解りやすく解説しています。是非ご覧ください!!


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円の売り越し減少の一方、買い越しも増加どころか減少-IMM分析活字版

2014-01-20 19:15:07 |   -【特集】IMM残高分析

今週は少し早く作業が終わりましたので、IMM取組残高分析活字版をお届けします。

今週番組で使用するデータは1月14日の市場終了時点のもので、10日金曜日のアメリカ雇用統計発表後の動きが織り込まれています。
ご存知の通り、発表を受けたドル円相場は、13日月曜日に102円台を一時付けました。しかし、データ締切日には104円台に戻すなど、乱高下しました。
果たしてIMMデータの円売りポジションに大きな変化はあったのでしょうか。

では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。
まず、ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化をみてみましょう。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
4週前にドルの買い越しがピークになった後、相場の下落に対応して3週連続で買い越しが減少し、118074コントラクトの買い越しとなっていました。

減少幅は4週間で最大となっていますが、13日月曜日の段階での減少幅はもう少し大きかった可能性は有るでしょう。ただ、雇用統計以降の経済指標は強い内容が続いたことから、先週はデータの締切以降、底堅く推移しています。ドルの買い越し減少に歯止めがかかっているかどうか、引き続き市場の注目が集まります。

<全通貨別ネット残高推移>
次に、各通貨のネット残高のグラフです。

円売りが減少傾向にあることは先ほども確認したところですが、ユーロやポンドには買い越しが減少する傾向が見て取れます。このグラフだけではブルベアが5対5に戻しつつある程度の理解に留まっており、一概に売りトレンドに入ったという段階ではないように見えます。
その他、豪ドルは一段の下落見通しが弱まっていることや、カナダドルの売り地合いが継続していることが判明しています。

<前回出たと比較した各通貨のネット残高変化>
続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。

先ず円ですが、買い越し傾向が継続し今回の買い越しが大きかったことが見て取れます。

そのブルベア動向ですが、実際のロングは意外なことに僅かながら取り崩されており、ショートの大幅な取り崩しが主要因だったことが判ります。買い越しが増える気配もない中、売り越しの取り崩しだけでは、ブルベア比の大幅な改善は望めません。
この状態では確かに調整に対する懸念は残りますが、市場規模が僅かながらでも減少傾向にあることから、依然として“一先ずの手仕舞い”が先行しているに留まっていると言えそうです。

次にユーロですが、売り越しが優勢な状況は継続しています。

市場規模は先週から微増となっており、主要因は売り越し増加だったことが判ります。買い越しは僅かながら取り崩し傾向であり、ユーロ安見通しに傾きつつある状況が判ります。ブルベア比は依然として買い越しが優勢なことから、先ずはニュートラルになってからの動向に注目したいと思います。

続いてポンドですが、これで2週連続して売り越しとなりました。

そのブルベア動向ですが、買い越しは僅かに取り崩される中、売り越しが過去3週で最大となる動きでした。市場規模は若干回復し投機筋が再び注目し始めた兆候が見られます。ブルベア比は再びニュートラルに向かって売り越しが押し返しており、14日の時点ではやや下落見通しが高まりつつあったことが伺えます。

<総括と考察>
さて、アメリカ雇用統計は一時悲観材料となったものの、その後の指標は強気となり、市場は概ね悲観色を払しょくした印象です。
にも関わらず、ユーロに関しては今回のデータ締切後、一段と下落色を強めており、今回分析した傾向を継続する流れです。

一方、ポンドは今回の分析傾向に順じた流れから、先週末に切り返した動きを見せました。

相場にはまだ明確な方向は見られませんが、買い越しが増加したのか、売り越しが取り崩されたのか、次回のデータで何か見えてくるでしょう。

肝心の円ですが、依然としてブルベア比は1対9以上の偏りがあるものの、先週の番組で懸念した円買いは全く増える気配がありませんでした。データ後の相場の動きからも、投機筋は依然として、円高には全く思惑が傾いていないことも明らかとなり、ForexTVジャパンとしても、円安傾向に陰りは無いとの見方を変えていません。

勿論、今後の突発的要因で市場のセンチメントはいつでも変わり得ますが、暫くは円の方向性は失う反面で、ユーロやポンド、豪ドルなどで歪みが無いかを確かめる動きが優勢となりそうな気配をくみ取りました。

特に今週はユーロの下落傾向が継続するかどうかに、注目したいと思います。

以上の内容はグラフなどを実際に組み込んんだ動画でもご覧頂けます。


※クリックすると当該番組の入り口となるForexTVジャパンのWEBサイトの、IMMチャンネルを表示します。

本年より画像を増やし、より詳細な分析を見やすく制作しています。是非ご覧いただき、動画をご登録して頂けると嬉しく思います。


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昨年5月以降の円のブルベア、ベア動向だけで動く-IMM分析後編

2014-01-08 12:00:59 |   -【特集】IMM残高分析

<前回出たと比較した各通貨のネット残高変化>

続けて、前回データと比較した各通貨のネット残高変化のグラフです。

こちらも、今後3回分のデータを掲載する予定ですが、年末に差し掛かる時期だったこともあり、豪ドルを除き、方向に一貫性が見られず、調整が主体だった裏付けにもなっています。

ネット残高の方向性を確認することで、各通貨に対するIMMの相場観は概ね把握できますが、ここでも重要なことは、各通貨全体の取組高の増減や、反対のポジションが取り崩されての方向性なのか、同じ方向の残高が増えての方向性なのかによっても、意味合いは微妙に異なってきます。本年はこの辺りもなるべく掘り下げてみようと考えています。

まず、ドル円ですが、前回が大きく売りこされ、今回は逆に買い越される結果となっていますが、全体の動きを詳細に分けてみてみましょう。

過去3回分のブルベアはご覧の通りで、依然としてその割合は今回のデータでも大きく傾いています。
円の買い持ちは極限にまで減少し、今回は前回と概ね同じ残高である一方、売り持ち残高だけが3回の中で最も少なくなっており、今回の買い越しの殆どが、円売りの取り崩しによる調整が進んでいたことが判る反面で、円高までを見込んでいなかったことも見えてきます。

また同じ8000コントラクト強の買い越しとなったポンドは、御覧の通りの結果です。

過去3回の買い越しには殆ど動きが無く、ポンドの先高観に変化はないようですが、ここからのポンド高には懐疑的であることも見えてきます。
今回の買い越しは、主にポンド安を諦めた売り越しの手仕舞いによることが判っており、ネットの方向性が買い越しだったからといって、先高観が高まったとは言えない状況が伝わってくるようです。

<総括と考察>

さて、新年に入り各相場は一段と調整色を強めています。

週末の米・雇用統計を前に積極的になれないと仮定するなら、調整の方向にポジションを積み上げているのではなく、今回見たドル円のように傾き過ぎた側の残高を落としている状況が想定できます。

2013年は5月に103円台後半を付けた以降、乱高下しながら暫く揉み合いました。この間、円高を見越す円の買い越しは一度も3万コントラクトを上回っていません。つまり、円売りの積み増しと取り崩しだけでここまで相場が進んできたとも言えそうです。

だとするならば、円買い残高が積み上がり始めるまでは、少なくともIMMは円高を考慮しない可能性が在りそうです。売り越しの残高調整で相場が下落することは今後も有りそうですが、こうして考えてみると、円のブルベアがある程度均衡に近づくまでの調整を待っていては今後も円売りに動けない可能性が出てきます。

勿論、買い越しの動向には注意をしつつも、ブルベアの偏りをあまり警戒材料にし過ぎない方が良いのかもしれません。
こうした観点で、次回以降もIMMデータを分析してみたいと思います。

以上、IMMの取組残高分析でした。
この内容は動画でもご覧いただけます。豊富なグラフなどを交えて、より理解しやすくなっています。是非、ご覧ください。


※上の画像をクリックすると、ForexTVジャパンのIMMチャンネルが表示され、当該動画をご覧いただけます。



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円売越しは小幅減少、原因は円の買い戻しに尽きる-IMM分析前編

2014-01-08 10:54:48 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、

2014年、明けましておめでとうございます。本年最初のIMM取組残高分析をお送りします。

前回データは順延となって番組をお届けできませんでしたが、今回のデータは12月31日終了時点のもので、本来は先週末3日の取引後に米CFTCから発表されるものが、6日月曜日に順延されたため、日本時間では今朝になって発表されたデータです。

では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。まず、ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化をみてみましょう。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>

前回のデータはFOMCの結果が織り込まれた24日終了時点でのデータでしたが、相場は一段と上昇し、ドルの買い越しが一段と積み上がっていました。今回のデータはその後の年末までをこなしたものですが、買い越しは調整によって減少していた一方で、相場は更に上昇していたことが判ります。

対円におけるドルのネットポジションは、前回の143822をピークに、135228コントラクトの買い越しに減少しています。

<全通貨別ネット残高推移>

次に、各通貨のネット残高のグラフです。

今回から過去3回分のデータを各通貨毎に表示することに致しました。こうすることで直近のトレンドが確認できると思います。

前回の番組に使用したデータから一回飛ばしたデータを挟み、今回のデータの3本がそれぞれに表示されています。単純なネットポジションの推移からは、各通貨共に目立った残高の変化は有りませんでした。

強いて言うなら、ポンドの買い越しが微妙に増えており、ポンドに対する強気の見方が増えています。
また、豪ドルの売り越しが徐々に増加傾向にあり、こちらは弱気の見方が優勢であることが判ります。

この比較で他に重要なことは、各通貨全体の残高や、ブルとベアの比率です。
円のネットの売り越し残高は飛び抜けて大きいですが、全体の残高の10%程度ならまだ健全な範囲です。ただ、実態はご覧の通り、1対9程度まで偏りが進んでおり、これこそが調整への警戒感を引き起こしています。

一方、カナダと豪ドルの売り越し残高は概ね同数ですが、2通貨全体の残高が異なるため、そのブルベア比は、御覧の程度の違いになっており、明らかに豪ドルの方が弱気になっていることが判ります。

このように、ネット残高がある程度積み上がってくると、そのブルベア比は次第に重要になってきますので、今後はこうした点にも注意の上、取り組まれると良いでしょう。

以上、今回は動画も2部に分けてお送りしています。前編の動画は下記画像をクリックしてご覧いただけます。


※クリックすると、ForexTVジャパンのIMMチャンネルにジャンプします。


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