外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

ドル円、安値から底堅い動きのなかドルの買い越し残高に大きな変化無し-IMM分析活字版Part1

2014-04-30 11:28:05 |   -【特集】IMM残高分析

今週番組で使用する最新データは、

4月22日のIMM市場が終了した時点のものです。


今回、データの対象になった期間のドル円相場は、



前週進んだ円高から調整気味に戻す中、イースターを挟んだこともあり、動意に欠ける一週間となりました。前回は円の売り越しが大幅に解消され、円高に推移した背景を裏付ける形になりましたが、今回のデータには何か、変化があったのでしょうか。

では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。




<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>

オレンジの折れ線グラフが示す毎週火曜日時点の終値推移は、明確な方向も無く同じ水準で上下に揉み合っています。


ドルのネットポジションも方向感なく増減を繰り返していますが、相場が安値から遠ざかる動きになった割には、ドルの買い越しは67,243コントラクトと、僅かながらも前回から更に買い越しが減っています。これで相場が高値を付けて以降、前週比で38%も買い越しを減らした3月18日データに次いで2番目に少ないネットポジションになっています。


イースターを挟んだ今回の期間は、基本的に動意が無かったとは思いますが、僅かでも調整気味に上昇したにも関わらず、ドルの買い越しが僅かでも減少した事実は、矛盾であることは事実です。

買い越しが手仕舞ったのか、売り越しが増えたのかについては後程詳しく見てみましょう。(続)


【PR】




IMM残高分析4月28日号の動画を臨時休刊、お詫びと活字版による代替リリースのお知らせ

2014-04-30 11:11:50 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、

本日で早くも4月最終日となりました。今週末からGW後半に突入して行く訳ですが、毎週月曜日または火曜日にリリース目標を置いているIMM残高分析の番組ですが、週末に親戚の不幸があるなどでどうしても制作の時間を捻出できず、水曜日に突入してしまいました。

来週はGWでお休みを予定しており、2週連続で番組をお届けできなくなりましたことを、先ずはお詫び申し上げます。

その代わりに…と言っては何ですが、今週分に限り活字版に画像を載せて詳細にお伝えします。折角、画像作成まではどうにか仕上げたので、活用したいと思います。

一旦、ページを改めた後、早速順次お届けします。画像が多数になるため、いつもの通り4部構成を一つずつ、投稿したいと思います。この機会に当番組内容をよりご理解頂き、今後は是非動画でもご覧いただけると幸いです。皆様の一つ一つの閲覧が唯一の支えとなっています、よろしくお願いします。


浅野


【PR】




ドル円、安値揉み合いでドル買い越しが大幅解消も、円の買い越し増えず-IMM分析活字版

2014-04-20 17:57:58 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、今週もIMM取組残高分析活字版をお送りします。

今週番組で使用する最新データは、4月15日のIMM市場が終了した時点のものです。
今回、データの対象になった期間のドル円相場は、前週に進んだドル売りを僅かに伸ばしたものの、底堅い動きとなり101円台後半で揉み合う展開でした。
前週締切の段階で、既に大幅な下落をした後にも関わらず、ドルの買い越しは意外にも大きく減少していませんでした。今回、この揉み合いを通じてその後の残高に変化があったのでしょうか。
では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。
先ずは、ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化のグラフからです。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
オレンジの折れ線グラフが示す毎週火曜日時点の終値推移は、揉み合い相場を物語るように前週と殆ど同じ水準となっています。一時的に大きく下落するような動きも無かったにも関わらず、ドルのネットポジションは68,716コントラクトの買い越しと、4週前の水準へと減少していました。

これで、2週連続して値動きとネットポジションの動きがかみ合わない現象になりましたが、合わせて考えると一応は順当な結果に収まった格好です。
逆に今回の結果だけを見れば、ドルの買い越しが減少したにも関わらず、相場が下がらなかったという印象を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

<全通貨別ネット残高推移>
次に、各通貨のネット残高のグラフです。
先ず主要3通貨ペアからですが、何れも通貨を買う方向へ残高が増える傾向でした。


円は売り残高が減少しブルベアもブルが2ポイント回復し、
ユーロは前週と同じ比率を維持しています。
ポンドはブルが3ポイント伸ばす結果となっています。
そのほか、
豪ドルは買い越しを伸ばし始め、ブルベアもブルが4ポイント伸ばす結果になっています。

前週大きく買い越しを伸ばしたメキシコペソは、予想通り調整があったようですが僅かなものに収まり、大幅な買い越しは維持されています。

<前回データと比較した各通貨のネット残高変化>
続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。

先ず円ですが、このグラフでは円が大きく買い越された格好になっていますが、ブレークダウンを見ると、
円の売り越しが大きく減少したことが結果的にネットの買いとして機能していたことが判ります。実際に円の買い越し自体は僅かな増加となっており、相変わらず円に対する先高観は育っていないようです。円の買い越しが増える動きにならない限り、円高方向への動きは限定的なのかも知れません。

ユーロは、売り越す調整が続いた後、買い越しに転じています。
ブレークダウンからは今回、売り越し買い越し共に残高が増えており、ユーロへの注目が復活していることが判ります。買い越しが売り越しを上回ったことで今回は買い越しに転じましたが、明確な方向性には乏しい印象です。

ポンドは、買い越しが継続する中、その勢いは低下しています。
ブレークダウンでは、買い越し売り越しとも縮小しており、利食いや損切りが進んだ格好ですが、ショートの手仕舞いが優勢となっており、市場は依然と上昇見通しが優勢に見えます。

残高分析ではいよいよ買い越しに突入した豪ドルは、買い越しの勢いこそ低下傾向にありますが、3週連続して買い越す動きが続いています。
ブレークダウンでも、依然として豪ドル買いへのシフトが継続しており、豪ドル高の見通しに変更は見られませんでした。

<総括と考察>
さて、前回から引き続きドルの金利先高観が後退している中、各通貨を買う動きが優勢で、IMM残高でも買い越し方向へ残高が向かう傾向が確認できました。特に、高金利通貨が買われる傾向が強い中、低金利通貨の方向性が定まらない印象があります。

ユーロにはウクライナリスクが付きまとい、市場規模が縮小していた中、今回、残高が回復する兆しがありましたが、明確な方向感は出ませんでした。

円に関しては、先週この番組で想定した通り、安値揉み合いを通じて売り越しが調整され、どうにか矛盾を解消する動きとなりました。ネットで見る限り、円の売り越しは上下しながら調整中ですが、3週連続して売り越しが解消されているのは事実であり、直ぐに円安相場が再開する様には見えません。
先ほど、番組の中でも想定したように、買い越しが増加しない限り円高には振れにくいとは思いますが、円売りが解消されている流れが継続している以上、一方的な円安も見込みにくい地合です。

ポンドは好調な経済指標を背景に買い基調が継続し、豪ドルは高金利通貨を背景に、いよいよ買い越しに転じています。取組むとすれば、このように流れが出ている通貨が順当であり、週替わりで方向性が入れ替わるような通貨は回避すべきかも知れません。

以上、IMMの取組残高分析は動画でもご視聴いただけます。


※上の画像をクリックしますと、ForexTVジャパンのIMMチャンネルにアクセスします。沢山の画像やグラフを使い、解りやすく仕上げておりますので、是非一度、ご覧ください。


【PR】


 


ドル円急落後のネットデータにドル買い越しが減少した気配無し-IMM分析活字版

2014-04-15 15:41:03 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、今週もIMM取組残高分析活字版をお送りします。

今週番組で使用する最新データは、4月08日のIMM市場が終了した時点のものです。
今回、データの対象になった期間のドル円相場は、前週のドル買いを引き継ぎ104円台定着を目指す動きから始まりましたが、再び103円台に沈んだ以降、最終日の8日には急落して101円台で締め切りを迎える展開でした。
締め切りは日本時間9日朝の6:00に当たるため、前週増えたドルの買い越しは大きく手仕舞いされたと考えるのが順当でしたが、さて実際のIMM残高にはどのような変化があったでしょうか。

では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。

先ずは、ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化のグラフからです。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
オレンジの折れ線グラフが示す毎週火曜日時点の終値推移は、101円台で終わったこともあり、ドルの買い越しが大きく解消された3週前に迫る反落をしています。しかし、ドルのネットポジションは、87,462コントラクトの買い越しと、前回大きく回復した買い越しから僅かな減少に留まっており、大きなサプライズでした。

その理由について2点考えられます。
一点は、高値揉み合いで相当ドル買いをつぎ込んだにも関わらず相場は全く上昇できなかったことから、買い増した分の投げが入り下落したものの、買い越しを減らすまでには至らなかった。

或いはもう一点として、一時はドルを大きく売り越して相場を押し下げたものの、ボトムに掛けて買い下がるなどしてポジション的には大きな変化に至らなかった…という2点です。


いずれにしても、最終的には買い越しに変化が無いまま相場だけが下落してしまったことになり、下落リスクが拡大して終わった印象はぬぐえないと考えています。

<全通貨別ネット残高推移>
次に、各通貨のネット残高のグラフです。先ず主要3通貨ペアからですが、

ドル円以外で注目に値するのは、ユーロの買い越しとポンドの買い越しが逆転したことで、ユーロに高値警戒感が生じている一方、ポンドは上昇見通しが強まったことが判ります。

ブルベアでは、ユーロの買い越しが3ポイント減少した一方、ポンドは3ポイント増加という結果になり、先週想定したとおりポンド相場が続伸しています。

その他ではメキシコペソが買い越しを大きく伸ばし、3週前のニュートラルから躍進しています。新興国リスクは完全に消滅したと判断されての買い越しという側面もあるかもしれませんが、ドル金利の先高観がまたも後退し、高金利通貨に資金が急速に流れ込んだという可能性はあるでしょう。
ブルベアはご覧のとおり、大きくブル側に傾いており、行き過ぎ感は否めない状況です。

豪ドル相場は前回の締切から一段高となった割には、殆ど買い越しは積み上がっておらず、ブルベアも極めて中立的な状況です。言い換えれば今後、買い越しが増える地合いは充分に残っており、上昇の余地は依然として可能性は高い一方、再び売り越しに転じることも容易であり、ここからの騰落に関しては五分五分である状況だといえそうです。

<前回データと比較した各通貨のネット残高変化>
続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。

先ず円ですが、このグラフでは、前回と今回の比較では、ほぼ何も無かったかのように見えます。ブレークダウンから、ロングもショートもほぼ同額が取り崩された結果であることが判ります。円買いも縮小していたことはやや意外であり、見た限り円高に振れた背景が明確に確認できない格好となっています。

ポンドは買い越しが優勢でした。ブレークダウンでも、売り買い共に拡大する中、大幅な買い越しが全てに尽きるという結果でした。

ブルベアが極めて中立だった豪ドルは、しっかりと上昇側へとシフトしている状況を継続していました。このままだと買い越しに転じる傾向にあることは確実であり、相場的にはやはり続伸に期待がかかる状況に見えます。

一方、買い越しが急伸したメキシコペソは、一気に買い越しへとシフトしていることが判ります。市場規模も3週前はグロスで4万コントラクト程度だったことを考えると、随分しっかりした規模に成長こそしましたが、やはり買い越しの行き過ぎ感は否めず、次回は調整気味な結果に終わる可能性が指摘できそうです。

<総括と考察>
さて、アメリカの雇用統計とFOMC議事録公表をこなして、ドル金利の先高観は市場から後退し、ドルは一時全面安になる展開でした。裏を返せば、この分析番組が見ている各通貨は買われることになりますが、現にカナダと円以外は概ねブルが優勢だったことは見ての通りです。

円に関しては、実際に売り越しも減少はしていましたが、それが買越しにつながるどころか買い越しは一段と減少し、ブルベアは最近の中でも最も円売りに偏っていました。それにも関わらず、相場は円高に振れるなど、矛盾する結果があぶり出されました。

例えば、ドル円相場の下値揉み合いがもう少し継続し、売り越しがある程度まで圧縮されれば問題は無いのですが、ブルベア的には、このまま再び円安に向かう力はあまり残っていないように映りました。

依然として、本年安値の100.75銭が意識されながら、下落リスクは高い状態が続くと見ています。

以上の内容は、動画番組でもご覧いただけます。

※上の画像をクリックしますと、ForexTVジャパンのIMMチャンネルにアクセスします

実際にグラフや画像を多数取り入れていることで、非常に理解しやすい構成になっています。是非、ご覧いただき、チャンネル登録などをしていただけると幸いです。


【PR】




円の売り越し再開、残高は揉み合いの上限へ一気に迫る-IMM分析活字版

2014-04-09 12:59:32 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、IMM取組残高分析の活字版をお送りします。

今週はなかなか編集にかける時間を捻出できず、次回データの締切後にまで掲載が遅れてしまいました。
活字版の原稿は、既に月曜日の内から準備したもので、動画撮影にも使用していますが、締切後に改めて見直してみると、火曜日のデータ締切直前では、IMMの投機筋もポジションを調整し、色々な仕掛けをしているのではないか??という、事情が見えてきた気がしています。

是非、一度動画の方もご覧いただき、より深いご理解をしていただけると幸いです。

今週番組で使用する最新データは、4月01日のIMM市場が終了した時点のものです。
今回、データの対象になった期間のドル円相場は、前週の急騰から調整気味に揉み合いながら下落する中で始まり、月末に近づくにつれて101円台後半から103円台後半へと上値を切り上げる展開でした。先週この番組で想定したように、相場は円売り再開となった訳ですが、さて実際のIMM残高にはどのような変化があったでしょうか。
では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。
先ずは、ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化のグラフからです。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
最近では稀に見るドル買いの大幅解消から僅かに立ち直った前週から、大きくドルが買われ、88,638コントラクトの買い越しとなりました。1日火曜日の相場は、終値でも久しぶりに103円台後半となり、ドルの買い越し増加を裏付けました。次第に10万コントラクトの買い越しが近づいており、今回の流れで突破できるかどうかが焦点になります。

<全通貨別ネット残高推移>
次に、各通貨のネット残高のグラフです。先ず主要3通貨ペアからですが、
今回目立ったのは、やはり円売り残高の急増で、増加率も加速度的な伸びが見られます。
ブルベアでは円売りが再び8割を回復しており、上昇見通しが再開している状況です。

その他では、快調に買い越しを増やしていたユーロの残高が、減少傾向に転じています。
ブルベアでは一時65%を占めていたユーロ買いが60%にまで低下しています。買い残高が減ったのか、売り残高が増えたのか、後程ブレークダウンで詳しく見てみます。

ポンドは買い越しを少しずつ伸ばしており、ネットではユーロと同程度まで残高を増やしています。ブルベアではユーロを上回る64%までブルが勢力を拡大していました。

また、3週前までは大きく売り越されていた豪ドルは、ニュートラルに近い水準まで取り崩しが進みました。相場も方向は豪ドル買いとなってかなり上昇はしていますが、残高はやっと中立に近づいた程度です。こちらも詳細は後程確認してみましょう。

<前回データと比較した各通貨のネット残高変化>
続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。

先ず円ですが、3週前に大きく買い越された動きは完全に逆転し、2週連続して売り越しが進んでおり、期替わりとなった4月1日の時点では円売りの勢いが強まっていたことが判ります。これだけでは、買い越しが取り崩されたのが、売り越しが伸びたのか詳細が不明です。そこでブレークダウンのグラフが有効になります。
買い越しも売り越しも増えたことから、円高見通しも存在していたようですが、圧倒的な売り越し増加が加速要因だったことが判ります。円の買い越しは2週前の水準にも届いておらず、ベアに押し切られた様子がうかがえます。

ユーロは、勢いこそ弱まったものの、売り越しが優勢な地合いが2週続きました。
ブレークダウンからは売り越しが増えたというより、買い越しの取り崩しの方が大きく、ユーロ安地合いというよりは、上昇を諦めたロングの手仕舞いが根拠だったようです。

ポンドは、終始上昇相場だった割には買い越す動きは限定的でした。
ブレークダウンではロングショート共に増えていたことが判り、買い越す動きに伸びを欠いたと同時に、ポンド売りにも興味を示す向きが存在していたことを示しています。

先週大きく買い越したカナダドルは、売り越しの大幅な取り崩しが原因でした。
今回は売り越し買い越し共に取り崩され、市場規模が大きく縮小しており、下落見通しが優勢なまま、相場が一巡した可能性が示唆されています。

豪ドルは再び買い越しが目だつ結果でした。
ブレークダウンからは、確かに買い越し側にシフトしていたことが判ります。しかし、ブルベアは未だ半々程度に留まっており、上昇力も一服となる可能性が示唆されています。今後残高でも買い越しが優勢になるかどうかで続伸か否かが決まってくるでしょう。

<総括と考察>
さて、円の売り越しが10万コントラクトの大台に迫る中、その後の相場は先週末から反落気味に推移しています。恐らく売り越しは圧縮されつつあるとは思いますが、下落の反応が悪い場合、投機筋は再び売り越しを強め、もう一段の上昇を狙ってくる可能性はあるでしょう。

また、豪ドル相場は快調に上昇を継続していますが、ブルべアは買い越しまでには至っていませんでした。ここまでは買い越しも順調に増えながら中立なブルベアまで持ってきましたが、例え今後残高が買い越しになっても、売り越しの取り崩しに依存するような状況だと、一段高は望みにくい展開を予想します。

以上の内容は、多くのグラフや画像を交えた動画でもご覧いただけます。


※上の画像を直接クリックしていただきますと、動画を放映しているForexTVジャパンのIMM専用チャンネルにアクセスします

是非、ご覧ください。



【PR】

 


円の売り越し解消進まず、逆に買い越し解消が優勢-IMM分析活字版

2014-03-31 18:03:44 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、先週アップできなかったIMM取組残高分析の活字版をお送りします。

今週番組で使用するデータは、3月25日のIMM市場が終了した時点のものです。

今回、データの対象になった期間のドル円相場は、前週の急落を帳消しにする急騰となりその後は小幅に揉み合う展開でした。再度売り越す動きが活発になった可能性が在りましたが、実際のIMM残高にはどのような変化があったでしょうか。

では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。

先ずは、ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化のグラフからです。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
前回のドル買い越しは、目を見張る解消となりましたが、やはり昨年中盤まで揉み合った時期の最低水準は底堅かった模様で、今回は68,887コントラクトの買い越しと、若干ながら買い越し残高が回復しています。

火曜日の終値ベースの相場は、一時ドル買いか大きく解消される前に揉み合った、102円台前半までの円安に留まっていますが、ドルの買い越し額はまだその水準まで余裕がある状態です。

<全通貨別ネット残高推移>
次に、各通貨のネット残高のグラフです。

今回目立ったのは、カナダドルの売り越しが急激に縮小したことです。前回増えすぎたカナダの売り越しに対する反動とも言えそうですが、3週前を下回る動きになっており、カナダ売りは一旦、ピークを打ったことが示されています。

また、買い越しに勢いが付いていたユーロも調整が入った模様で、相場が反落気味に推移したことを裏付ける格好となりました。

今回ブルベアのグラフは、後程のブレークダウングラフに譲りますが、前回、急激な動きを見せた、円、ユーロ、カナダは調整される動きが中心の一週間となったのは明白です。その一方ではポンドや豪ドル、ニュージードルが順調なトレンドを見せており、そのトレンドを伸ばせるかどうか…といった展開に見えます。

<前回データと比較した各通貨のネット残高変化>
続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。

先ず円ですが、前回大きく買い越された動きは、今回その片鱗もなく、僅かな売り越しとなりました。ここまで極端な動きになったことから類推すると、3週前の動きを含めた目先の売り越しは大方手仕舞いとなった可能性があり、再び売り越す余地ができたという見方も出来そうです。

ブレークダウンをみると、今回は円の買い越しが減少した方が目立っており、どちらかと言えば円高を見込んだ筋は、既に利食いなどで手仕舞いが進み、円売りを解消する動きには全くつながっていなかったとが判ります。

次にユーロですが、これまでの買い越しから一転して売り越しになった今回は、ブレークダウンを見ても、買い越しが取り崩されたのが大きな要因になっています。ロングは早々と手仕舞われ、若干ユーロ売りにシフトしていることから、目先のピークを打った可能性も示唆されているように思われます。

最後にカナダドルは、前回進んだ売り越しを倍返しする程の買越しになっています。ブレークダウンでも、カナダ買いに強くシフトしており、前回強まったカナダ売りは否定されたかのような動きを見せています。これは調整の域を越えた動きにも見え、カナダ売りは完全にピークを打った可能性が示唆されています。

<総括と考察>
さて、今回は円の売り越しが若干増える動きがありました。これを除くと、かねてから指摘してきたドル売りの流れは、依然として継続しているように見受けられました。ポンドやオセアニアが順調な強さを見せていますが、データが締め切られた段階では、まだ底堅いという程度で、その後の上昇に対するデータは次回確認できると思います。

そんな中で注目したのは、最初のグラフのところで触れたように、円のネット水準は売り越しがかなり解消された状態が2週続いたにも関わらず、円高を見通す買い越しの動きは増えるどころか、直ぐに解消されていました。

過去のブルベアと単純に比較はできませんが、円の買い越しが現在と近い状態にあった当時のドル円相場は、現在よりも円の売り越しがもっと多かったにもかかわらず、ずっと円高水準だったことが判ります。つまり、100円以上の円安に対して、市場は相当な消化が進んだことになります。

そんな状況の中で、投機筋はブルベアの比率が僅かに変化した際の市場の動きを敏感に感じ取り、反応が良い方向に大きく傾けてくる可能性は充分あります。
3週前の売り越しは結果的に失敗した格好ですが、これまでの動きから見て、円買いより円売り余地の方が拡大している印象は、先週から変わらない結果となりました。

以上の内容は、実際にグラフを使った動画で視聴できます。


※上の画像をクリックすると、ForexTVジャパンのIMMチャンネルにアクセスします

動画でご覧いただくと、尚解りやすくなっています。是非一度ご覧いただき、チャンネルのご登録などを頂ければ幸いです!



【PR】




米・雇用統計改善でドルが買われやすい地合いに要注意-IMM分析活字版

2014-03-10 22:52:29 |   -【特集】IMM残高分析

今週も、IMM取組残高分析活字版をお送りします。

今週番組で使用するデータは、3月04日のIMM市場が終了した時点のものです。

今回、データの対象になった期間のドル円相場は、ロシアの軍事介入が議会承認を受けたとの報道が前週末にあり、ウクライナ情勢が一気に緊迫し、明けの月曜日は円買いが進みました。

 しかし、即時介入は無しとの声明で、リスク懸念が後退しつつあるところで締切となっています。ドル円は、どうにか102円台を回復した形ですが、IMMの残高はどのような変化あったでしょうか。

では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。
先ずは、ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化のグラフからです。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>

相場は一時101円台前半まで下落したものの、データの締切時点では102円台を回復したことで、相場は概ね横ばいとなりました。
 しかし、ネット残高は前回に頭一つ出たドル買いは概ね帳消しとなり、再び、79709コントラクトのドル買い越しに減少しました。

冒頭のチャートを見ても、相場は前回の締切水準まで戻していることが判りますが、ネットのドル買いは回復し切れずに終わっており、今回のデータ締切時点では、円安に対して楽観ムードは影を潜めた格好です。詳細は後程、ブレークダウンで見てみましょう。


<全通貨別ネット残高推移>

次に、各通貨のネット残高のグラフです。

今週も、前週から目立った動きは特になく、ユーロの買い越しがやや目立つ程度となっています。前回は全体的に各通貨が買い戻される傾向がありましたが、今回はその流れを伸ばす通貨と、売り越しに戻る通貨に分かれた印象です。

ブルベアを見てみますと…、

円は、結局買い越し優勢で終わった模様で、しばらく買い越しの壁だった15%を上回っています。つまり、相場は円高から戻してはいたものの、ウクライナ情勢を懸念した円買いムードは払しょくされていなかったようです。

ユーロは、残高グラフが示す通り、ブルが前回より2ポイント優勢でした。ただ、売り越しも増えており、ユーロの上昇には懐疑的な見方もあったことが示されています。

一方ポンドは、ブルが1ポイント増えたものの、ブル/ベア共に残高を減らしており、ポンド買いで一時盛り上がった相場も、やや冷静に戻りつつあったようです。

豪ドルは、ブルとベアが共に増えました。増加率は同程度でブルベア比率は変化なしでしたが、ベアも増えていたところを見ると、戻り売りを試す流れも発生していたことが示唆されています。

<前回データと比較した各通貨のネット残高変化>

続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。

今回も、突出した動きを見せた通貨はありませんでした。中では、ユーロの買い越しは3週連続で小ジッカリしていたことが判り、円は方向転換を示唆する流れにあったようです。

ブレークダウンでは…、

円の買い越しが優勢だったことが良く判り、円のロングが4桁転落目前だった1月14日のデータ以降、2万コントラクトを回復した今回の買い越し額は、最大となっています。

ユーロは買い越しが順調に伸びる中、売り越しは殆ど動きが無く、ユーロ安を諦めた様子は殆ど感知できませんでした。

またポンドは、市場規模を徐々に縮小させており、下落見通しは諦めつつも、一旦は上値に限界感が出はじめていたことが良く判ります。

最後に豪ドルは、ロング・ショート共に増える中、売り越しがやや優勢でした。チャート的には、短期的なトリプルトップのネック水準が既に割れていた地合いがあり、それが一時的なベアの増加に影響したとも推測できます。

<総括と考察>
さて今回のデータ以降、各相場はドル売り円売りが急伸しました。

ウクライナ情勢の武力衝突が当面回避されるとの思惑や、ECBが金融政策の据え置きを決定したこと、或いは底堅いアメリカ株式市場などを受けて、リスクオフの動きが再開したのが、その要因との見方があります。


今となっては、恐らくリスク回避的なポジションは相当圧縮されていると思いますが、先週末のアメリカ雇用統計は改善となったものの、ドル金利の先高観により株価の伸びは限定的となる一方、一部にはドル買いが優勢な動きも出るなど、一概に楽観的な資金の動きとは言えない状況も生じています。

前回のウクライナ緊張による各通貨の下落は、円高が要因だったと言えそうですが、チャイナリスクが新たに顕在化しつつある中、現在はドルが買われやすい地合いになったことは注意すべきで、円高にならないまま、他の通貨がドル買いで下落する可能性を秘めています。

今週は人民元や中国株の動きには一層注目したいと思います。

以上、IMMの取組残高分析の内容は動画でも視聴できます。



※上の画像をクリックすると、ForexTVのIMMチャンネルを表示します。

たくさんのグラフや画像を使ってより解りやすい番組を目指しています。是非、一度ご覧いただき、チャンネルのご登録をお願い致します。

【PR】



円の買い越し微減、売り越し微増で円売り残高が頭一つ回復-IMM分析活字版

2014-03-04 16:30:58 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、今週のIMM取組残高分析活字版をお送りします。

今週番組で使用するデータは、2月25日のIMM市場が終了した時点のものです。
今回、データの対象になった期間のドル円相場は、ウクライナ情勢の緊張からくるリスク回避の円高と、株価回復による安堵感からくる円売りとが交錯する中、底堅く推移する展開でした。102円台を維持できればどうにか…というムードの中、IMMの残高はどのような変化あったでしょうか。

では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
前回に引き続き、ドルの買い越しを取り崩す動きは収まり、過去2週の微増から頭一つ出た印象があります。相場はやや上値が重く見えるものの、85,090コントラクトのドル買い越しと、前週に比べて約5000コントラクトが増加し、売り越し再開のムードが芽生えていた様子がうかがえます。

<全通貨別ネット残高推移>
次に、各通貨のネット残高のグラフです。
まず円は僅かずつ売り越しが再開していることが判り、円以外で売り越しが目立っていた、豪ドル、カナダ、ペソは売り越しが取り崩される傾向が見て取れます。一方で、買い越し気味に推移していたユーロとポンドは、その流れを継続しています。

つまり、25日が終了した時点では、ドルが全面的に売られた経緯が読み取れることから、新興国リスクの後退が一段と進む一方、ドル金利の先高観が後退したことによるドル売りとも考えられ、米国の株価が回復以降も底堅い要因になっているとの見方もできるでしょう。

ブルベアを見てみますと、
円は、売り越しが増え、買い越しが減少したことで、再び買い越しが13%へと低下し、
ユーロは、買い越しが増え、売り越しが減ったことからブルの微増となっています。
またポンドは、ブルが6対4を上回る程度まで伸び、前回から3ポイント上回っています。
豪ドルは、売り越しが減少し、買い越しが微増となり、ブルが前回から2ポイント上回りました。

<前回データと比較した各通貨のネット残高変化>
続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。
今回はどの通貨も、ネットで10,000コントラクト以上の変化はなく、目先に対する見通しには、迷いが暗示される結果となりました。ただ、ユーロ、ポンド、豪ドルの買い越しは継続しており、このグラフからも円を除いた各通貨が買い戻されている傾向が見て取れます。

円のブレークダウンでは、前回僅かに膨張した市場はその規模を保ったまま下側(円売り側)にシフトした様子が判り、短期筋の一部が円高から円安へと再び見通しを変えた可能性が示唆されています。

ユーロは、少しずつ市場規模を拡大しながら、ロング寄り(つまりブル方向)へとシフトしており、ユーロの先高観が育ちつつある状況が伺えます。

また今回のポンドは、前々回に市場規模が拡大し過ぎた反動からか、市場規模が縮小する中で、売り越しの取り崩しが優勢だったことが判ります。こちらも次第にポンドの先高観が育ちつつあるようにも見えています。

最後に豪ドルは、売り越しの手仕舞いが進んだ以外は大きな変化はありません。上昇しつつある最近の相場ですが先高観にまでは至っていない可能性が在りそうです。

<総括と考察>
さて今回のデータまでは、アメリカの株価も順調に回復し、世界経済も順調な兆しが散見されていたことから、一部にはリスク回避を解消する資金の流れも観測されていたように思います。
しかしその後、仮想通貨相場の暴落や人民元の急落、或いはウクライナの情勢不安から、一部の通貨に対してはドルが買われるなど、データ以前とは逆行する展開になっています。

ウクライナ政権はロシアよりからユーロ圏よりの政権に交代し、一旦ユーロは歓迎ムードになったものの、これに対して週末にはロシアの軍事介入が議会承認され、再びリスク回避ムードへと傾きつつある展開です。
地政学リスクの影響が強いユーロは、いまのところ比較的冷静な対応となっていますが、円がギャップを空けて買われたり、金が急速に買い戻されるなど、既にリスク懸念の兆しは出ています。

今週は、ユーロやポンドの下落が対円の下落に因るものなのか、リスク回避のドル買いに因るものなのかを、見極める週となりそうです。

以上、このIMMの取組残高分析は、動画でもご視聴いただけます。


※上の画像をクリックするとForexTVジャパンの当該ページに移ります。

是非一度ご覧いただき、いわゆる投機筋として代表的なシカゴ筋のポジション動向をご確認ください。


【PR】

 


円残高は買い/売り共に増える中、売越し縮小は底打ちを見せる-IMM分析活字版

2014-02-25 17:57:18 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、今週のIMM取組残高分析活字版をお送りします。

今週番組で使用するデータは、2月18日のIMM市場が終了した時点のものです。

今回、データの対象になった期間のドル円相場は、アメリカ経済指標が相次いで悪化し、リスク警戒感から円買いが先行した後、週明けに101.38円の安値を付けた以降は、日銀の政策金利発表を控えて調整気味に戻し、発表前後では思惑も入って前週の高値を更新するなど、往来相場となりました。

値動きからも、あまり大きな変化は期待できませんが、早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。


<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
前回に引き続き、ドルの買い越しを取り崩す動きは収まっています。
相場は僅かに反落したものの、79,784コントラクトの買い越しと、前週に比べて1000コントラクトほど買い越しが増加し、僅かながら2週連続してドル買いが増加しました。

一時100円台後半を付けた今回の下落は、昨年5月の下落幅の約半分程度に収まった反面で、単純にドル残高の減少幅は前回の2倍近くあり、残高の減少幅が相場に与えたインパクトは、今のところ限定的に終わっていることになります。

<全通貨別ネット残高推移>
円は僅かずつ売り越しが再開していることが判り、
豪ドルは上昇相場を受けて、売り越しの減少が継続しています。
メキシコペソの売り越しは、沈黙状態から減少に移り、リスク警戒感が後退し始めた可能性が指摘できます。
ユーロは方向感に欠ける中、以前の売り越しから買い越しに転換し…、
ポンドは買い越しを一段強めるなど、目先はヨーロッパ通貨の上昇見通しが優勢である状況が指摘できます。

ブルベアを見てみますと、
円は買い越しも僅かに増えて、再び買い越しが15%を回復し…
ユーロは買い越しが売り越しを押し返す格好となりました。
また、ポンドは6対4程度まで買い越しが増加し、売り越しを寄り切る気配を感じます。

豪ドルに関して
ですが、先週のグラフはデータの表示が間違っていました。ブルベア比率に問題はありませんでしたが、今回は売り越し、買い越し共に残高を減らし、豪ドルへの興味が後退している状況の中、ブルベア比率への影響は特にありませんでした。


最後に、今回売り越しが一段と増加したカナダドルは、
2月に入って売り越しが徐々に取り崩される動きが続き、相場はカナダが強含む展開でした。昨年12月終盤のブルベア程度に一時売り越しが減少しましたが、相場の水準は高い位置を維持できたことから、先週のカナダ売りにも見られたように、売り越しに安心感が戻った可能性が在りそうです。

<前回データと比較した各通貨のネット残高変化>
続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。

ネットの増減だけで見ると、3週前との比較ではユーロとポンドの変化が一番顕著で、売り越しから買い越しへと大きく方向を変えています。

ユーロからブレークダウンを見てみますと、売り越しが僅かに減少する中、買い越しが大きく増加しています。共に買い越しに作用したことで、大幅な買い越しになった訳ですが、3週前と比較すると買い越し残高は相当回復しており、IMMの投機筋はユーロの先高観を強めていることが判ります。

またポンドのブレークダウンでは、買い越し・売り越し共に残高が大きく増加しています。ネットでは相殺されるため今回の買い越しはさほど大きくは見えませんが、先高観が強まった中で対抗売りの興味も増えており、ポンドへの注目度が再び盛り上がり始めたことが判ります。

<総括と考察>
さて、アメリカの中央銀行的な役割を果たすFRBは、イエレン新議長体制が本格的に始動する中、資産買い取り額の縮小を継続しています。FRB筋からも依然として強気の発言が多く見られ、アメリカの株式市場は2月初旬の安値からはかなり回復しています。

しかし、一方で弱い結果が続くアメリカの経済指標はリスク警戒感を呼び、債券市場は一時的に上昇して利回りは低下する等、市場はリスクに対してONかOFFのどちらを優先すべきか、まだ確固たる判断はしかねているように見えます。

先週の当番組で想定した通り、ここまでの各為替相場は方向感なく上下する展開ですが、今回のIMMデータからは、僅かながらもリスク警戒感が後退しつつある兆しは、継続していたように見えました。

もう少し債券市場に安心売りが見られるまで明確な方向感は出にくいとは思いますが、フォレックスTVとしては、これまで同様、ドル売り円売りが優勢な見方を維持したいと思います。


以上の内容は動画でもお送りしています。多くのグラフなどを交えて、より解りやすく解説しています。

※上の画像をクリックしますと、ForexTVジャパンが放映している「IMM分析チャンネル」に移動します。


【PR】




前週比の円売り越しは、意外にも買い越し残高の取り崩しが要因-IMM分析活字版

2014-02-18 18:56:25 |   -【特集】IMM残高分析

こんにちは、今週もIMM取組残高分析の活字版をお送りします。

今週番組で使用するデータは、2月11日のIMM市場が終了した時点のものです。

今回、データの対象になった期間のドル円相場は、新興国のリスク懸念によって円買いがピークを迎えた以降の動きとなり、100.80前後から102円台中盤まで上昇するといった、買戻しが主流でした。

では早速、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。
まず、「ドル円の相場推移」と「対円におけるドルのネットポジション変化」のグラフからです。

<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>

6週続いたドルの買い越しを取り崩す動きはいったん収まり、僅かにドル買いが増加し、78,786コントラクトの買い越しとなりました。相場の方も僅かにドル買いで上昇しています。

<全通貨別ネット残高推移>
次に、各通貨のネット残高のグラフですが、今回のデータからは、前回と比べて大きな変化はありませんでした。

円、カナダ、豪ドル、メキシコの4通貨は売り越し、その他は概ね中立という構図は過去3週間変わっていません。

強いて挙げれば、豪ドルの売り越しが順調に減少しており、最近の上昇基調を裏付けています。

またメキシコペソを見る限り、新興国懸念は一旦は収まっているようですが、売り越しが減るわけでもなく、懸念解消にまでは至っていない状況が判ります。

念のため円と豪ドルのブルベアを見てみましょう。

円は前回、買い越しが15%まで押し返していましたが、今回は13%へと戻されています。
一方、豪ドルのブルベアは、ロングもショートも共に僅かに取り崩されたようですが、変化が小さかったため、ブルベア比率は前回と同じ結果となっています。

<前回データと比較した各通貨のネット残高変化>
続けて、前週と比較した各通貨のネット残高の変化を、3週間追跡したグラフです。

先ず円ですが、ネットの変化は買い越しから僅かな売り越しに転じたことが判ります。

ブレークダウンでは、僅かに減少した円売り残高が買い越しに作用してしるものの、今回の売り越しは、買い越し残高が一層取り崩されたことに因るものだったのは意外な結果でした。もしかすると、現在の買い越しの多くは、短期的なポジションが代わる代わる積み上がったものである可能性が指摘でき、僅かに相場が反転するだけで、不利な円の買い持ちを直ぐに投げてしまう状況なのかもしれません。

次に豪ドルですが、ブレークダウンを見ると、売り残高の大幅な取り崩しが、今回買い越しに作用した主要因であることが判ります。買い越しも僅かに減少していることから、投機筋は豪ドル高を見通すまでには至っておらず、調整の段階にあったことが言えそうです。

最後にユーロですが、前回の大幅な売り越しから一転し、今回は若干の買い越しとなりました。
ブレークダウンからは、買い越しがそこそこ増加した一方、売り越しは微増に留まっており、新たにユーロ高を見通す新規参入があった可能性が指摘できそうです。

<総括と考察>
さて、新興国懸念に対して、市場は一段の悪化を見通していないようですが、楽観視までには至っていないようです。

一方、新興国リスクに対して、米国の金融政策に変更はないと断言してきたイエレン新FRB議長ですが、このところ国内景気が悪化しつつある経済指標が続き、金融緩和縮小の継続が危うい可能性も出てきたとの声も聞かれるようになっています。

現在の為替相場はドル金利の見通し次第という側面が強くなりつつあり、新興国リスクによる米債買いが金利を下げる一方、緩和縮小継続の思惑が金利先高観を生むという、相反する要因で相場は揺れ動いています。

フォレックスTVでは、本日締め切られるIMMデータについて、今回番組で使用したデータで見えてきたドル売りの傾向をもう一段強めたものになると予想しており、このドル売りが優勢な地合いは、今暫く継続すると見ています。
ただ、今週に限っては欧米の経済指標が数多く予定されており、結果に一喜一憂する不安定な展開も考えられることから、取組自体はかなり難しく、注意を要するでしょう。

以上の内容は動画でもご覧いただけます。


※上の画像をクリックすると、動画ページにジャンプします。

動画に登場するグラフの見方等については、当ブログに掲載した「IMM特集」をご覧ください。
◎<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化
◎<全通貨別ネット残高推移
◎<前回データと比較した各通貨のネット残高変化
◎<ブルベア円グラフの主旨
◎<ブルベア残高のブレークダウン


【PR】