山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

ペスカトーレとイタリアの遠い記憶

2013-01-30 | 思い出の味
イタリアの空気は湿気を含み
地中海の恵みが手の届くところにあることが
体で理解できます。
海が身近な島国
日本に生まれ育った人間だったら。
ところが
どの町の街並みも
日本のような赤白黄色
チューリップのような看板がないし
古びた石壁が落ち着きを見せています。
本来
石は冷たいものなのに
歴史がぬくもりを伝えています。
ナポリ行きのバスで
もっと南の方へ
延々となだらかな平地が続き
長く退屈な時間を過ごしました。
ベスビオスは富士山のような円すい形で
雪があれば最高なんだけど
暖かすぎる。
イタリア人は
フランス人と比べると
明るいような気がします。
観光国ですから
当たり前のことでしょうか。
ベニスのホテルで
ボンジョルノのアクセントがとてもうまいと
フロント係の人はほめてくれました。
出かけるときに
イタリア語を一言使ったら
満面の笑みで、イタリア語ペラペラ
何を言われたのかまったく判らなかったけど
気持ちは伝わりました。
(爆笑)
イタリアの食材は
海が近いので日本と似て
海の幸が豊かです。
何を食べたか思い出せませんが
シーフードの味と香りは
記憶に刻み込まれました。
ペスカトーレ
漁師の荒汁のパスタ
日本ではトマトで味付けるのが定番ですが
本場ではシーフードがあれば
味付けまでは指定していないようです。
車のメンテナンスで少し時間があったので
近くのレストランへ 
散々迷った挙句
イタリアンなレストランへ
またまた散々迷った挙句
ペスカトーレ
<料理画像消失>
 
一口ほおばれば
イタリアの
海の気配のこもった湿った空気が
記憶の中に
一瞬の風とともによみがえります。
イタリア万歳

その頃撮った
長岡スキー場のレストランの壁画

<2022年1月追加>

end

のっぺ=母の味<焼きアゴだし×塩バージョン>

2013-01-26 | 思い出の味

この1週間は
1月の新潟とは思えない
穏やかな日が続きました。
<弥彦山から見た佐渡島>




のっぺとは
新潟県の郷土料理で
小さく角切りにした里芋を主とし、
ニンジン、ゴボウ、油揚げ、貝柱、銀杏、筍等を加えた煮物で
冷たい状態で食べても、温めてもよい料理です。
鶏肉やイクラを入れる地方があったり
サトイモによって「とろみ」が自然につきますが
さらに片栗粉を入れる地方など
家庭料理なので食材は様々です。

我が家で必ず入れるのは
里芋と貝柱と椎茸くらいで
後はそのときあるものを使います。

今回は
焼きあごだしに
味を変えてみました。

私には
長岡では有名なラーメン店の
いち井さんの塩ラーメンが
焼きアゴだしで
最初に思い出される食べ物です。
そのラーメンには
動物系のスープも使っている
と思いますが

取り合えず
家にあった顆粒のスープの素で
挑戦しました。
かね七の
焼きあごだし
4g×10本で140円



2本入れたら台所が
鍋からあがる魚介系の香ばしい匂いに
包まれました。
後は
塩コショウで味を調えて
完成です。



想像した以上に
魚介香る素材を生かした
煮物になりました。


おまけ
弥彦山から見た
日本海の上昇気流


佐渡の山を超えてきた風が
日本海の海面とぶつかり
雲になって
越後平野に過剰な水分を運んできます。
end


穏やかな日に遅い登り初め2013@ 弥彦山№241

2013-01-20 | 弥彦山の足跡 1・2月+200回
新潟の冬は
鉛色の雲が名物で
高い確率で見ることができます。
それでも穏やかな薄日が射すと
出かけたくなります。
去年から冬の弥彦山も
楽しむようになりました。
今年はこの日が1回目でした。
弥彦神社からの登り
0合目から見上げると
まだ雪の中に葉の緑も見えます。

去年は大雪で
雪崩の危険があり
いつもの道が通れませんでした。
その危険地帯(5~6合目)は
この日は
雪を整備してくれた人がいて
スムーズに通ることができます。

感謝
登るほどに雪も深くなり
8合目から9合目を見上げれば

9合目にあるレストランは
冬休みに入りました。
3月中旬に再オープンだそうです。
雪だるま発見

お顔の表情が穏やかです。
9合目から山頂へ向かう階段の道も
今のところ
去年ほどの雪はありません。
もちろん階段は雪ノ下。
翼をつけた小枝

白いひげの幹

デコレートされた鳥居の文字

対照的に
穏やかな海

西方向の海は
黄金色に染まっていました。
この日は肉眼ではうっすらと
佐渡の山脈の雪が見えました。
今年が
よい年になりますように。
end

山の名前に誘われて 雨飾山 日本百名山№15

2013-01-19 | 15雨飾山(夏)
深田久弥さんの
日本百名山より
ついに私は久恋の頂に立った。
しかも天は隈なく晴れて秋の午後3時の太陽は
見渡す山々の上に静かな光をおいていた。
すべての頂には憩いがある梢にはそよとの風もなく
小鳥は森に黙した。風化し磨耗した石の祠と
数体の小さな石仏の傍らに私たちは身を横たえて
ただ静寂な時の過ぎるのに任せた。
古い石仏は越後の方へ向いていた。その行く手には
日本海を越えて能登半島の長い腕が見えた。
深田久弥さんが最初に登ろうとした頃は
はっきりした道もなく
3度目にようやく頂を得たそうで
その喜びが
文章の間からあふれてくるようです。
雨飾山という名前が
いつ誰によって名付けられたのか
はっきりしていません。
ずいぶんロマンチックな名前ですが
訪れるには不便で
急登の山道が続く
不思議な山です。
8月上旬
新潟県側の雨飾温泉からだと
かなりしんどい登りになるようなので
糸魚川経由で長野県小谷村の登山口
雨飾高原キャンプ場から登りました。
雨飾山
標高1963m
コースの高低差832m
コースの道のり9.2km

登山口の駐車場で
京都ナンバーの車に出会った話は
ブログを始めた頃の記事に
書きました。
登山開始は9:00過ぎ
林道から木道となり
(大きな葉になった水芭蕉)
 
湿原の中や木の橋を渡り
やがて急な登りになります。
登山口から1時間で
山頂方向の見通しがきき
白い岩肌の岩壁の上に
3つのピークがありました。
 
ここから少し下ってから登り返すのですが
山頂の右に続く登山道は
どう見てもこの先は急登です。

20分ほど下って
荒菅沢といわれる水場に到着。
 
深い谷のため
雪渓からドライアイスのような
冷い蒸気が漂っています。
 
夏ですから涼しいのはありがたいけど
急登で温まった体は
あまり涼しさを感じません。
さて一番きつそうな登りは
1時間以上かかり
途中には様々な花が
咲き乱れて
疲れを癒してくれました。
コキンレイカ



 
笹平から県境の稜線へ
割りと平坦な道が続きます。
荒菅沢が見える鞍部を過ぎると
最後の登り道がはっきりと見えます。
 

雨飾山の頂上は2つのコブがあり
南峰より北峰を望む

南峰の標柱

北峰の祠・石仏・地蔵
(奥に見える南峰の標柱)

雲がかかって
遠くまでは見通せませんでしたが
 
火打山方向に焼山の頂上が
不思議な色に染まって見えました。

山頂から見える笹原の道が
女性の横顔に見えます。
ちょうど口のところに
ご夫婦の登山者が通りかかり
あわてて写真を撮りました。

登り3:00
下り2:20
当日の歩数:18,512歩
今なら
花の写真でいっぱいでしょうが
この頃はまだ
登ること自体を楽しんでいました。
日本百名山№16からは
既に記事にしたので
日本百名山ブレイバックは
この山で終わりにします。
次回はどこに行くのでしょうか?
end

ホワイトアウトもどき 蔵王山 日本百名山№14

2013-01-12 | 14蔵王山(春)
2011年5月
毎年訪問している
喜多方の知人宅へ
地震の御見舞いを兼ねて行ってきました。
ちょうど知人宅のボタンの大木が満開でした。
 
会津地方は
揺れはひどかったが
大きな被害はなかったそうです。
会津若松近郊の温泉街の駐車場は
いわき方面からの避難者で満車でした。
都合で
2012年はお伺いできませんでしたが
その後、被災された方々は
無事お帰りになれたのでしょうか。
まだ記憶になるには時間がかかりそうです。
喜多方から脚を延ばして
蔵王山まで出かけてみました。
深田久弥さんの
日本百名山より
同じ東北の山でも蔵王には鳥海や岩手のような
独立孤高の姿勢がない。群雄並立といった感じで
その群雄を圧してそびえ立つ盟主がいない
この長大な尾根は東北人特有の牛のような鈍重さを
もってドッシリと根を張っている
(中略)
お釜と称する山上湖は蔵王の至宝とも言うべき存在で
一名 五色沼の称がある。お釜の水は妖しく濃い緑色で
噴火口特有の一種凄惨な趣がある。
国道121号線から13号線と
東北の背骨を北上し
上山市から東へ向かい
刈田岳(標高1758m)の
直下のレストハウスまで
車で登ることができます。
蔵王山の最高峰は熊野岳
標高1841m
標高差83m
コース片道40分の高原散策です。
刈田岳に上がると
正面に丘のような熊野岳
右下にお釜を見ることができます。
 
まだ爆発から日を重ねていないので
冬の樹氷で有名な樹木は
このあたりでは見られません。
火山帯の風景に
初夏の頃には
コマクサが咲き乱れるところにも
今は
ハイマツや草のような低木しか
見ることができません。
 

ガンコウランが赤い
花の時期だったらしい 
右手には刈田嶺神社が
少し高くなったところにあり
あそこが
刈田岳の山頂なのでしょう。
寒くて時間も少ないので
最高峰の熊野岳を目指します。
お釜を右手に見ながら
だだっ広い溶岩の道を
まっすぐ進むと
しだいに雲がかかって来ました。
あまりにもおおらかな広さで
霧で見通しがない中
なんとか熊野岳に到着しました。
 
*

祠があり
中には剣が奉納されていました。

寒くて眺望もないので
早々に引き上げます。
途中
雪の中を進むのですが
一段と霧が濃くなって
真っ白になってしまいました。
 
さほどの距離でないのは
判っていたので
慎重に足跡をたどりました。
刈田岳まで戻り
そのまま新潟に帰ります。
お釜がきれいに見えたので
よしとしましょう。
駐車場から宮城県側の景色です。
 
帰りは
長いドライブになりました。
本日の歩数:9327歩
end

ジャパニーズアンドロメダ満開 天城山(2) 日本百名山№13

2013-01-02 | 13天城山(春)
雪国の人間からすると
枝が不規則に伸び放題の木は
南国を象徴しています。
雪国では横に伸びる枝は
雪の重みで折れてしまいます。
天城山の万二郎岳から
尾根道の縦走路で
最初は少し下ります。
 
コース中唯一のビューポイントが
あるようなので、
注意して進んだのですが、残念
通り過ぎてしまいました。
尾根道といっても
両サイドは根や枝の張った林が
視界を微妙に妨げています。
左側に小さな岩場があり
その先に
伊豆七島の利島や新島が見えました。
 
手前は
稲取の風車群。
 
白い根っこの
枝を自由に伸ばした古木
 

桜も咲いています。
 
富士山も枝の間からのぞき
その手前には
伊豆半島の付け根の
西海岸が伸びています。

アマギシャクナゲは
まだ早かったようで
つぼみがちらほら
数輪が花開いている程度です。
 
 
満開のときは
甘い香りが漂うようですが
この日は違っていました。
万二郎岳から1時間10分で
万三郎岳に到着です。
  
ここも展望はありませんが
広場になっており
大勢の方が休んでいました。
ガイドブックでは
涸沢分岐点に下りて
深い森を行くコースになっていましたが

展望がなさそうなので
来た道を戻ることにしました。
少し体力を使いますが
何とか脚ももちそうでしたし
何よりビューポイントを通り過ぎたのが
残念でしたから。
戻る道で再確認したのですが
山全体を包む香りのようなものが
ありました。
その正体はアセビです。
 
 
 
帰り道のほうが上り坂で
トンネル感覚が強調されていました。
アセビのトンネル
 
英語では
Japanese Andromeda Tunnel
やがて万二郎岳の手前の登りに
さしかかると
小さな岩場のすみっこの小さな岩に
山ガールが2人くっついて
座っていました。
挨拶をすると
返事とともに
富士山の絵を書いているのだそうです。
ということは
ここがガイドブックのビューポイントだと
判りました。
山ガールのひとりが
富士山を独り占めしている
と言ったので、二人だから
二人占めだよねって言ったら
爆笑
場所を少し譲りましょうかと言われて
絵を書いているのに申し訳なく
岩場を少し上がったところでも
見えると言うので
そちらから
 
しばらく休んで
山ガールのお別れをし
下りることにしました。
ゴルフ場のバス停
15:00発のバスで戻ります。
最初は少なかった登山客も
バスの時間が近づくと
ほぼ満員の人数になりました。
*
大勢になると
にぎやかなグループがあるものですが
都会に近いせいか
皆さんとても静かに
バスを待っておられました。
帰りに車を運転しないで済むのは
楽チンです。
本日の歩数:24,922歩
南国ムードは香りから
以前に行った
南の国を思い出しました。
end

南国ムードも自粛ぎみ 天城山 日本百名山№13

2013-01-01 | 13天城山(春)
2011年5月
丹沢山の疲労が残る翌日は
電車とバスを乗り継いで
伊豆の天城山まで遠征です。
天城山とは
伊豆半島の中央部に連なる山脈の総称です。
最高峰:万三郎岳
標高1406m
深田久弥さんの
日本百名山より
天城のいいところの1つは見晴らしである。
煙を吐く大島を始め伊豆七島がそれぞれの個性のある
形で浮かんでいる海を眺められるし
いつも真正面に富士山が大きく立っている。
山の好きな人だったら富士山の左に遠く
南アルプスの山々が連なっているのを見落さないだろう。
ネットで時刻表を調べて
横浜から長い電車の旅は
その地域の老若男女を
乗せては降ろし
海岸沿いを走ります。
やはり
富士山が大きく見えてくると
旅の喜びが膨らみます。
伊東からはバスで
登山口のある天城高原ゴルフ場まで
行く予定でしたが
9時発のバスがなくなっていました。
バス会社の伊豆急の窓口で
東日本大震災のためかと聞くと
そうではなくて
もともと決まっていた減便だそうです。
次のバスは10時発ですから
少し遅すぎる気がして
タクシーの運賃を聞くと
レンタカーを借りれるくらいの値段でした。
せっかく来たので
少しでも長く山にいたいと
しかたなく
タクシーでゴルフ場まで行くことに
運転手さんにはたいへん喜ばれ
バス乗り場の場所や
帰りのバス時間の確認
トイレの場所まで案内してくれて
登山口の真ん前で降ろしてくれました。
天城縦走路入口の
登山口出発は9時半過ぎ
植林された林をしばらく行くと
少し下る道となり分岐点があります。
直進すると万三郎岳
左に曲がると万二郎岳
ガイドブックの通り左へ曲がると
徐々に坂が急に
林も南国ムードとなり
1時間ほどで
万二郎岳に到着です。
林に囲まれ展望はありません。
つづく