山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

モノトーンで静かな山頂の朝@蓼科山☆日本百名山№36

2015-09-16 | 36蓼科山(夏)
前日は夕焼けだったのに
夜中に雨が降って
この日の蓼科山もスッキリしません。
深田久弥さんの
日本百名山より
蓼科山は俗に北八ツと証せられる連嶺の一番北の端に、
一きわ抜きん出ている峰で、その余威は更に北に向って、
次第に高さを落しながら広大な裾野となる。
しかしそれは赤城山のようにスムースな美しい線ではなく、
幾らか不整形なので人々の眼はただその円頂のみにそそがれる。
この円頂はどこから望んでも端正な形を崩さず、
蓼科山が名山として讃えられたゆえんも、ここにあるのだろう。
蓼科牧場から車で上がった7合目に
駐車場があり
今回の蓼科山登山の出発点です。

写真は帰りのものです。ちょうど
団体さんのバスが到着しました。
地図は登山時に調べ
参考にさせてもらいました。

朝早くモヤがかかり
小雨が降っています。
登山道は針葉樹林で囲まれ
朽ちた倒木さえ覆う苔の林床が広がり
車山とは違う静かな山道です。



馬返しと呼ばれる地点から急坂が始まり

分かりやすい一本道は
天狗の露地という標識のところで
横道が見えますが

山頂方向の標識どおりに進めば
迷うことはありません。
上るに従がい
石が大きくなってきますが

倒木を針金で組んで
階段状になっていますから
見た目ほど
歩きにくいことはありません。
もうじき
蓼科山荘だろうと思いましたが
急坂で休む場所がなかったので
登山口から1時間で休憩にしました。
予想通り
静かな林の上から
人の気配がしました。
ここまでほとんどひと気がなく
小雨は止みましたが
雲は厚く展望もありません。
ガイドブックの標準タイムどおり
7合目の登山口から1時間10分で
蓼科山荘に到着です。

山小屋の中から
食器の音が聞こえましたから
朝食の時間だったのでしょう。
外にも
出発の準備をしている人がいました。

小屋から上り始める単独の登山者に
先を譲り
再び始まる急登に取り付きます。

傾斜を増した岩の道は
一部に鎖があります。
下りには重宝するでしょう。

疲労が残る身体で
30分かかって
蓼科山頂ヒュッテに着きました。

すぐ脇に
山頂のりっぱな案内板があり

もう到着した気になりますが
ここはまだ北の端です。
大きな黒い溶岩の上を
慎重にゆっくり進むと
平坦な山頂の中央部に
山頂を示す標柱と蓼科神社奥宮があります。

独立した山容ですから
晴れていればすばらしい眺望でしょう。
この日は
白と黒の世界が広がります。

先行した単独の登山者がすぐに下りたので
広い山頂に
誰もいなくなってしまいました。
朝食をとって
晴れ間を待ちましたが
上空を飛行機が2機通り過ぎただけで

風が穏やかで
1時間ねばっても雲がとれないので
下りることにしました。
下りは1時間30分かかりました。
急坂なので
時間は上りとあまり変わりません。
上ると雨が止んだように
下ると雨が降り出しました。
登ってくる人が多く
年齢層もばらばらで
大勢の団体さんも2組すれ違いました。

今回は
展望も花もありませんでしたが
これも日本百名山だと思います。
山頂の独特な風景が
強く印象に残りました。
この日の歩数
10,385歩
信州りんごを買って帰りました。
end