山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

ズングリとした丸坊主の岩山@浅間山☆日本百名山№30

2014-06-08 | 30浅間山(春)
深田久弥さんの
日本百名山より
私が初めて浅間に登ったのは高校1年生の夏であった。
(中略)
小諸からの登山は牙山や黒斑山などの岸壁を見上げ
高山植物の咲き乱れる湯ノ平高原を通って、変化の多い
楽しい道であった。そこから頂上のドームにかかって
絶頂の火口壁で噴煙に襲われて逃げまどったことを
今でも覚えている。
100年以上も前の
おおらかな自己責任の時代でした。
今回は火山性ガスの臭いは
ほとんどしませんでしたが
登山規制により
山頂部は無人の静けさでした。

湯ノ平から浅間山への道の
Jバンドの分岐を過ぎると
登山道は次第に角度を増します。

林を抜けると
火山礫の赤茶けた風景に変わります。

緩やかに右にカーブして登る道は
富士山の登山道を思い出させます。
ここまで
登山者が少ないと思っていたのですが
皆さんもっと早出のようで
下りの団体さんとすれ違ったり
前を歩く登山者が多く見えるように
なりました。
疲れたら
外輪山や賽の河原の風景を眺め
高度を上げていきます。


外輪山のピークに
団体さんが見えました。

空気が薄いからか・疲労のためか
ゆっくり休んでいる人もいて
道を譲ってもらったら
ひと声を掛けて進みます。
高度を上げることで
前方の緑がひも状から帯状になって
その上に日本百名山が2つ。
左の四阿山と正面の草津白根山です。

草津白根山の右奥には
谷川連峰が白く浮かんでいますが
写真では判別できません。
手前の鬼押し出しに至る賽の河原と
空の青さできれいな
三色旗になりました。
湯ノ平口から山頂近くの避難壕まで
1時間で到着です。
滑りやすいザレた道でしたが

休める場所も目標になるものもない
一本道で
少しペースが速くなってしまいました。
そのおかげで
帰りの草すべりで苦労しました。


後はほとんど水平の道を
浅間山山頂を左に見て
前掛山まで20分です。
 
急に
風が強くなってきて寒くなったので
一枚重ね着をしました。
さすがに
半そでの人はいません。
前掛山にある標柱は
浅間山になっています。

よく見なかったけど
どこかに
前掛山とも書いてあったような
気がします。
標柱の先の休めそうな場所で
お昼にして
この日初めての休憩です。
時間の経過とともに
雲が出てきて
南は遠くまでの展望はありませんが
佐久平を見下ろして
開放感はいっぱいです。

剣ケ峰も随分下に見えました。

この日のまとめ
水平移動距離12km
累積標高差551+560(草すべり)+αm
所要時間
上り3:10・下り3:10
歩数
26,437歩
この数が疲労度と比例しているのは
間違いありません。
昨年の巻機山・牛ケ岳と同等です。
天空からの浅間山

最終話(花編)に
つづく

草すべりから湯ノ平まで@浅間山☆日本百名山№30

2014-06-06 | 30浅間山(春)
トーミの頭からの浅間山は
迫力のある浅間山の大きさと
眼下に広がる湯ノ平

左に黒斑山からJバンドに至る外輪山と
賽の河原

どこを切り取っても絵になりますが
スケールが大きすぎて
全体を捉えられる広角レンズが
ありません。
ゆっくり写真を撮っていたら
ちょうどいい休憩になりました。
ここから湯ノ平まで
草すべりという急坂を下ります。
黒斑山との分岐を右に曲がると
急な下りが始まります。

トーミの頭は
包丁で切ったような直線でそそり立ち

遠くに剣ケ峰の
ゴツゴツした岩が
山を噴き飛ばした噴火の激しさを
物語っています。

樹木の生えていない急斜面は
草で覆われ
足を踏み外せば
下まで落ちそうな気がします。

はるか下に
湯ノ平の薄い緑を目指して
下ります。

薄い緑の木はカラマツで
新芽の出始めだからです。

途中に1ヶ所
岩がせり出していて
3点確保しながら
ゆっくり慎重に越えました。
下り終わって見上げると
穏やかな草の斜面です。

高低差280mを
湯ノ平口まで30分かかりました。
帰りの上りを考えると
憂うつな気分でしたが
実際に
上りは大変でした。
ゆっくり休める平らな所がなく
道は九十九折になり
登るほど角度が急になります。

いつものペースで歩き
十分疲れたところで
高低差280mの急登です。
何よりも
トーミの頭を真上に見上げ
なかなか近づかないことが
精神的にダメージとなり
途中から足元だけを見て
一歩ずつ進むようにしました。
1時間かかって登りました。
湯ノ平口で
天狗温泉浅間山荘からの道に
突き当たり
浅間山の山頂は左に曲がります。
湯ノ平はカラマツの林で
地面に緑はあるのですが
時期が悪かったのか
ほとんど花は見かけませんでした。
林の隙間から見える
浅間山や外輪山を見上げながら
ゆるい上りをゆっくりと進むと
Jバンドへの分岐点の手前に
お地蔵さんが並んでいました。

次回は浅間山の山頂まで
花はまとめて最終話に掲載します。
つづく

針葉樹林をトーミの頭まで@浅間山☆日本百名山№30

2014-06-05 | 30浅間山(春)
浅間山登山口の車坂峠は
標高1973mにあり、
浅間山の外輪山にある
トーミの頭まで高低差327mです。
表コースで行く登山道は
赤黒い土と針葉樹の林の中です。

笹で覆われた斜面を
いつものように花を探しながら
ゆっくりと登ると
10分ほどで車坂山となり
すぐに下り始めます。

鞍部は深くはないのですが
下山の最後に上りがあるのは
きびしいなと思いながら
先を見ると
見渡す限りの森で
正面の山は
外輪山の黒斑山でしょう。

穏やかな山容です。
浅間山の姿は見えず
火山の面影はありません。
登山口から25分ほど歩き
上りの傾斜が少しきつくなると
展望のよい広場がありました。
振り返ると
大自然に囲まれて
アサマ2000スキー場が目立ちます。

花の百名山に選ばれた
高峰山から水ノ塔山・籠ノ登山の
広いエリアで緑が誘っています。
今回は日帰りなので
寄り道する訳にも行きませんが
花の他にも
浅間山が近くに見える
楽しめそうなエリアです。
表コースに花は見えません。
針葉樹の林が深くなり
登山道には
踏み固められた雪が残っています。

帰りは中コースにしましたが
樹木が密集して
地面の温度が上がりにくいため
もっと雪が多くて
滑りやすいので大変でした。
前に見える外輪山が近くなると

 その右端に
くびれたように低くなっている所が
ありました。
たぶん
そこに向かって行くのだと
予測したとおり
立ち枯れた樹木が増えてくると
その鞍部の向こうに
黒く浅間山の山頂部が見えました。

左の崖のようなところに
人が立っています。
あそこから見える風景は
すばらしいに違いありません。

やがて
林の中の避難小屋を過ぎると
むき出しの赤い火山岩が広がる
赤ゾレの頭となり
正面には
大きな浅間山の姿が
足を止めます。
目は釘付け。

トーミの頭に向かう
石がゴロゴロして歩きにくい
急坂を一歩ずつ登り

振り返ると
立ち枯れた樹木の向こうに見える
赤ゾレの頭からの道は
谷川岳の双耳峰を結ぶ道と
同じカーブを描いていました。

登山口からここまで1時間、
印象的なスポットが多く
楽しめるルートです。
最近は
写真を撮りながら進むので
ほとんど
休憩を取らなくなりました。
つづく

遠くから眺めていた@浅間山☆日本百名山№30

2014-06-03 | 30浅間山(春)
日帰りで行ける
日本百名山も残り少なく
キリのよい30座目は
とても印象に残る山になりました。
浅間山
2568m
噴火レベルによる登山規制のため
今は前掛山2524mまで
登ることができます。

地図の左から右へ
今回は日帰りのため
Jバンドを通りませんでした。
深田久弥さんの
日本百名山より
日本中部の山に登る人は、それがどこの山であろうと
そこから浅間山を見逃すことはないだろう。
その孤立した大きな山容と、まるで自己標識のように
煙をあげているので、すぐに見当てることができる。
厳冬の横手山の頂上から真向かいに
真っ青な空にモクモクとキャベツのような煙を噴いていた浅間、
晩秋の八ヶ岳の上から佐久平を距てて、
大きなシルエットになって暮れていった浅間、
浅間ほどどこからでも見える山はない。
近くの日本百名山から見た
浅間山の雄姿
草津白根山より

日本百名山では一番近いのですが
雲がかかってしまいました。
四阿山より

嬬恋村の畑を従え
どっしりと裾野を広げる雄姿
美ヶ原より

雲の上に浮かび
細い煙が火山のしるし
巻機山より

谷川連峰仙ノ倉山のはるか遠くに
影のように重なっている
帰りの市街地より
左が黒斑山・右が浅間山。

ネットの写真を見ていたら
浅間隠山から
4月下旬の残雪のころか
11月下旬初雪が降ったころに
上半分に雪をいただく浅間山の姿を
見てみたくなりました。
それはまた後日。
朝早く起きることができたので
日の出前に出発し
西に向かう車内に後ろから
朝日が差してきました。
小諸の登山口まで220km
3時間の道のりは
体調もよく
薄いガスで展望も少ないので
休まずに進むことができました。
気温が高い日が続き
水蒸気が暖められて
太陽とともに上がっていくと
くっきりとした展望は
あきらめなければなりません。
思ったより早く
高峰高原ホテルに着きました。

まだ七時過ぎで人影もまばら。
長袖でも寒いくらいですが、
風はほとんどなく
快適な気象環境です。
駐車場はビジターセンター前の
いいところがまだ空いています。
公衆トイレは改修工事中で
ホテルの脇に仮設の公衆トイレが2つ
設置されていました。
高峰高原ホテルにある
石版に南向きの風景が描かれています。

薄いガスで
はっきり見ることはできませんが
八ヶ岳と蓼科山に
かすかに残雪が見えます。
気を取り直して
登山口に進むと
大きな案内板がありました。

浅間山は
地図の左上の六分の一ほどしかなく
浅間連峰の見所は
奥が深いようです。
まだ朝早いから。
表コースの方角の木の影が長いんです。

つづく