山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

飯豊山と本山小屋夕景☆飯豊山9月中旬@日本百名山№54

2022-01-03 | 54飯豊山(秋)
誰もいない飯豊本山小屋に
到着したのはその日の12:30頃で
荷物を下ろし、少し休んでから
飯豊山山頂に向かうことにしました。
荷物を片づけていると
単独の登山者が入って来たので
挨拶すると、昨日ここに泊って、
大日岳を往復した帰りだそうで
今日は切合小屋に泊まるとのこと。
デポしたシュラフを回収し
下りて行きました。
やはり、大日岳を行程に入れると
2泊は必要ですね。
30分ほど休んで、カメラと水を持って
飯豊本山に向かいます。

視界の右にノコギリのような
ダイグラ尾根が見えてくると

真っすぐで穏やかな道を20分で
飯豊山山頂に到着しました。

スマホを自撮り棒で固定して
自撮りをしようとしている若者が1名います。
ザックが見覚えのある青色は
ブルーさんのものでした。
もちろん、写真撮影に協力し、
私も周りの山々を眺め、カメラに収め
時間がまだ早いので、ちょっと先の
駒形山まで足を延ばすことに。
飯豊連峰北側の全貌です。

ブルーさんは切合小屋まで下りるそうなので
ここでお別れです。
少し下りますが、
御前坂ほどのことはありません。
振り返って

荷物は軽いし、後は小屋に泊まるだけです。
足取りも軽く、駒形山に到着です。
間近になった
烏帽子岳・梅花皮岳・北股岳は
寄り添うように重なりました。

左のピークが飯豊本山で
黄色いザックのイエローさんが
こちら(駒形山)に
向かってくるのが見えました。

地蔵岳の上りでは、行けるとこまでと
話していたのに、ビックリです。
御西小屋に泊まると言い
スタスタと気持ちのいい稜線の道を
歩き去っていきました。
そうか、
気象条件がよく体力が残っていれば
御西小屋泊の手があったと
本山小屋に荷物を置いてきたことを
後悔してももう遅い。
泣く泣く本山小屋に戻ると
1階は4名様×2組で大賑わい。
時間はたくさんあるので
私は横になって休んだり
時々外で写真を撮りました。
飛行機雲

夕景1・飯豊本山

夕景2・大日岳

夕焼けと飯豊本山

その後も少人数の登山者が何組も入り
小屋の2階もいっぱいになりました。
夜中に起きてトイレに行くと
東と西に夜景が見え
喜多方と村上の灯りでしょう。
翌朝
縦走する4名様と下山する4名様が
日の出前から準備を始めたので
起こされてしまいました。
私は、
下山して喜多方の常宿に泊まるだけなので
ゆっくりでよかったのですが。
飯豊本山から先、大日岳は雲の中。

喜多方方面からの日の出

帰りは、薄曇りでしたので
前日ほどの写真はとれず残念ですが
その分
緩い下りの稜線歩きを堪能しました。
大日杉分岐から地蔵岳(左奥)を見下ろして

眼洗清水から地蔵岳への100mの上りは
最後の難関になりました。
2日間の歩数
1日目:36097歩
2日目:26030歩
大日杉登山口<2:20>地蔵岳<1:00>眼洗清水<2:00>切合小屋<1:00>御秘所<1:00>本山小屋
本山小屋<0:40>飯豊山山頂(往復)
本山小屋<0:30>御秘所<0:50>切合小屋<1:30>眼洗清水<0:50>地蔵岳<2:10>大日杉登山口
上り合計7:40(飯豊山頂まで)
下り合計6:10(飯豊山頂から)
*
2日目の歩数からすると
登山口から本山小屋まで約3万歩ですので、
御西小屋までは到達可能の範囲です。
次回はイイデリンドウの咲くころ
再挑戦したいものです。

喜多方に向かう途中
ソバの花が満開でした

end

切合小屋⇒飯豊本山小屋☆飯豊山9月中旬@日本百名山№54

2021-12-31 | 54飯豊山(秋)
切合小屋の先は主稜線となり
目を凝らすと山を覆う緑の中に
時々、人の姿があります。
にぎやか過ぎたり、寂し過ぎたりでず
ちょうど心地よい空間です。
深田久弥さんの
日本百名山より
玄さんの言によると、日本のどの山も皆つまらない。
飯豊のような山は他にないというのである。
夏の1週間、その玄さんの案内で私は飯豊の全主稜線を歩いて、
その言に偽わりのないことを知った。
<中略>
殊に感服したのは、その主脈の峰々がいずれも堂々と独立して、
まるで一城のあるじのように大きく見えたことである。
切合小屋から見える大日岳までの主稜線

右側の一番近いピークは草履塚
その右が飯豊本山です。
飯豊最高峰の大日岳はどのルートからも
少し奥にあって、
堂々とした姿にあこがれるけど
登るには1泊分多めの準備が必要で
今回の山旅では見送りです。
先ずは、草履塚から登り始めます。

相変わらず、青空を半分に切る雲。

視界が広いし
始まりは草原の道のようで

咲き残っていたヨツバシオガマと
せり科の白い花。

少し傾斜が増すと、石が混じる道となり

トンネルのようにえぐれた道を抜けると

一気に視界が広がり

草履塚の山頂です。
大日岳も少しだけ身近になりました。

草履塚のピークから少し進むと
急な下りが待っています。
これから歩く道が見下ろせます。

右下に、乳母権現
中央やや上に、御秘所という岩場。
その先が、最後の急登である御前坂。
稜線歩きでも上ったり下ったりがあると
しんどいのですが
こういう風景があると
疲れが吹っ飛びます。
一番下まで下りて、見上げると
この変化にとんだ道が
今回の登山のハイライトでしょう。

乳母権現を拝み、

ほっこりした後、すぐに御秘所に到着。
切合小屋から1時間かかりました。

御秘所は右が切れ落ちて
ひやひやします。
振り返ると、もっと緊張します。

岩場を超えると、御前坂の手前に
呼吸を整えるように平坦な道が少し

迷いようがありませんけど
りっぱな木柱が示す御前坂の文字が
そこだけきれいに
白ペンキに黒文字になっていて
管理人さんが塗り直したのか
丁寧な仕事をされていました。
御前坂は15分程度の上りですが
今までたまった疲労から
脚が思うように上がらず
亀の歩みになりました。
急登を登り切って見下ろすと

今まで歩いた主稜線は
三国岳につながる全貌が
手に取るようにわかります。
見とれて、10分くらい立ち止まり
写真を何枚か記録してから
先に進むと、テント場に

一人用のテントが一張あり、
テント場を独り占めですねと声をかけると
このテント場は荒天時には風が強いので
その時は避難小屋に入るようにと
切合小屋の管理人さんに言われたそうで
小屋に泊まると言った私に
その時はよろしくと頼まれましたが
この日の夜に強風は吹かず、
テントでゆっくり眠れたでしょう。
水場はここから100mほどで
少し下りたところにあるようです。
私は切合小屋で補給した水が
まだ十分残っていたので
立ち寄りません。

テント場から程なく
飯豊本山避難小屋に到着です。

切合小屋から2時間
大日杉登山口から7時間20分
かかりました。
小屋の中をのぞくと誰もいません。
小屋のすぐ横にある

飯豊山神社
つづく

眼洗清水⇒切合小屋☆飯豊山9月中旬@日本百名山№54

2021-12-25 | 54飯豊山(秋)
眼洗清水から切合小屋までは
標準タイム2:30の
約300mの上りになります。
林で視界が覆われるところもありますが
長続きはしません。
左に、飯豊連峰の南端・三国岳からの
稜線が伸びています。

目を凝らすと、一番左のピークに
三国岳避難小屋も見えました。
右の木の枝の間から、
視点が動いているために、先ほどより
飯豊本山と草履塚が近寄っているのが
わかります。

この辺りは厳しい冬のせいか
枝ぶりがみごとなダケカンバが
連なっていました。

眼洗い清水から40分で
御坪を通過します。

古めかしい祠があり
地名の由来が気になりましたが
わかりませんでした。
そのすぐ先で
久しぶりに主稜線の全貌が拝めました。

眼洗い清水から1時間で
御沢の別れという分岐となり

左に進むと少しきつい上りになりました。
15分ほど登ると再び、展望が開けて
飯豊本山と草履塚が近づき

変化のある足元に注意しながら

青空に生えるダケカンバ

爽やかな気候の中で
歩くごとに変化する風景を
楽しみました。
切合小屋の方へトラバースするように
坂が緩むと、小川をまたぎます。

水辺には

紫色のリンドウが咲いています。
ミヤマリンドウでした。

イイデリンドウは、
また今度来た時のお楽しみにとっておきます。
さっきから
空と雲が真っ二つに分かれ

紅葉の始まりがあり

大日杉分岐の標柱を右に折れると

白い土を踏んで行けば

切合小屋に到着です。

300mを2時間で上り
登山口からは5:20は
予想よりかなり早いペースでした。
気温は25℃。
水もあまり消費していませんが
ここは小屋のすぐ脇に水場があり

満タンに補充しました。
ガイドブックでは
メインルートではありませんが
歩きやすい道と
飯豊本山を左に回り込むように登る
このルートはお気に入りになり、
きっとまた登りにきます。
つづく

大日杉登山口⇒眼洗清水☆飯豊山9月中旬@日本百名山№54

2021-12-19 | 54飯豊山(秋)
飯豊の星と呼ばれるイイデリンドウは
咲き終わり、尾根道の紅葉にはまだ早い
9月中旬に飯豊本山を目指し
1泊2日の山旅に出かけました。
新型コロナの感染は未だ治まらず
県外に出かけることは躊躇され
新潟県と山形県・福島県の境にあること
夏の暑さと秋の寒さを避け
快適な山旅となることを第一目的とした
選択でした。
深田久弥さんの
日本百名山より
飯豊という個性的な山名で、私は古くからこの山に心を惹かれていた。
しかしそれは大へん不便で、普通ではちょっと行けないように印象された。
もちろんここに言うのは、神社のある飯豊本峰だけでなく、
その背後に連なる厖大な山塊のことである。
事実そこには道がなく、幾晩も露営の覚悟が必要であった。
現在は
迷うこともない登山道が整備され、
飯豊山頂付近では携帯電話もつながり
秘境感は薄らぎましたが
どの登山口からも日帰りが困難で
布団の用意された山小屋もなく
それなりの準備が必要であることに
変わりはありません。
今回の山旅に先立ち、3つの登山口から
日帰りで様子見をさせてもらい
上り下りが最も楽だった
大日杉登山口から出発します。
眼洗い清水までは、以前のブログ
飯豊連峰・地蔵岳編にありますので
早回しにいたします。
まず、登山者の中で2人がとても印象に残り
後で、登場しますので
名前を付けておきたいと思います。
ゆっくりと着実に進む年配の登山者
ザックが黄色だったので、イエローさんとします。
歩くスピードが速く、休みが多い
のこぎりタイプの若年登山者
ザックが青色だったので、ブルーさんとします。
この3人で地蔵岳までの急登を
眼で応援しながら登りました。
計画時点での予想通り
前回の真夏と比べて
ペースが速いのに、水の消費が少ない
快適な上り坂になりました。

スターート

気温は18℃
大日杉の案内板

前回は暗くてブレたため再掲
ざんげ坂

長之助清水

御田の杉

滝切合より
右が地蔵岳・中央が飯豊本山

切合小屋までの道

おおむねアルファベットのCを右下から
時計回りに進む
地蔵岳(標高1539m)

ここで3人目が登場し
ザックが大きかったのでビッグさん。
飯豊本峰で折り返し
切合小屋まで戻り泊まるとのこと
タフで元気な人でした。
飯豊山(東向きのお顔)

かたらいの丘

看板のみ撮影
眼洗い清水(標高1440m前後)

地蔵岳より約100m下る鞍部にある。

気温は21℃
ここまで登山口より3:20と
前回より大幅に時間短縮し
予想通りです。

気の早い紅葉
つづく