山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

天馬の背中の先に見えるもの@会津駒ケ岳 日本百名山№26

2013-08-16 | 26会津駒ケ岳(夏)
中門岳にて

にぎやかに談笑中の登山者に
軽い挨拶をし
風景写真を撮っていると
雲のあいだが少しだけ青いので
珍しいものでも撮るように
シャッターを押していました。

足元には
モウセンゴケに
花芽のようなものが見えます。

何か言いたそうな男の方と
目が合って
騒がしくてすみませんと
おっしゃるので
楽しそうでうらやましいですと答え
時間には余裕があるので
途中の風景も堪能しながら
戻ることにしました。

コバイケイソウは当たり年でした。

空は次第に青さを増し
駒ケ岳の山頂が姿を現しました。
左端に遠く見える山です。

この後戻る途中
ずっと駒ケ岳山頂を見ながら
歩くことができたのは
中門岳まで来た
ご褒美をいただいたようです。



だんだん近づく
会津駒ケ岳
堪能していただけましたか?
駒ケ岳山頂をバイパスする道から
振り返ると
中門岳に至る尾根の西の斜面が見えました。
穏やかな尾根に似合わぬ
急な斜面です。
駒ケ岳山頂を反時計廻りに進めば
モミジカラマツの真っ白な花
 
駒の小屋が見えてきました。

ちょうど90分の時間限定の旅が終わり、
駒の小屋からも
駒ケ岳山頂や長い稜線が
くっきり見えています。

午後からの方がよいという
天気予報の言うとおりでした。
密度濃い90分でした。
少し休んで
帰りは来た道を戻ります。

下りは1時間50分
春夏秋冬
それぞれに魅力がありそうな
また来たいと思う名山でした。

最後に
会津駒ケ岳の夏の象徴は
やはり
ハクサンコザクラ
でしょう

今日の歩数
25,450歩
end

中門岳のわずかばかりの青空@会津駒ケ岳 日本百名山№26

2013-08-15 | 26会津駒ケ岳(夏)
深田久弥さんの
日本百名山より
前面に眼のさめるような景色が現れた。会津駒ケ岳の全容である。
どこが最高点か察しかねるような長大な山が伸びていて
それがおびただしい残雪で輝いている。
会津駒を天馬の疾駆するさまに見たのはその時である。
写真を二枚つなぎ合わせてもその全容を収めかねた。
会津駒ケ岳の
駒の小屋から会津駒ケ岳山頂に
向かいます。
駒の小屋の標柱には
駒ケ岳山頂0.7km中門岳2.9km
中門岳往復6kmは平地で約90分の距離です。
チングルマの群落を見て

山頂を右に見ながら時計廻りに進むと

木陰にはアキノキリンソウが咲き
T字路を右に曲がると

駒の小屋から15分ほどで
会津駒ケ岳山頂です。

とても急いだので
普通に歩くと20分くらいかかるでしょう。
さほど広くはない砂利の空き地は
西吾妻山の2倍くらいでしょうか。
立派な3本組の木柱が立っていますが
人影はありません。

木製のパノラマガイドもありますが
西には尾瀬の・北には越後の山並みが
見えるはずの展望は
この日はありません。

駒の小屋周辺の風景がよかったのと
ガスで見えないと予想していたので
そんなにガッカリしませんでした。
登山道ですれ違った人たちの話では
ガスで何も見えず
中門岳にも行かなかったということでした。
駒ケ岳山頂から
中門岳方向の道を下ると
次第にガスが消えて
緑の長い稜線が見え始めました。

5分後
まだ雪が残っています。

遅い春にお花畑
コバイケイソウの群落

ハクサンコザクラの群落

道があまりにも長いので
チラホラにしか見えませんが
密度は濃いです。
池塘を眺めながら
終わりの見えない木道が続きます。
10分後

数は少ないけれど
イワカガミやワタスゲも見られます。
15分後

木道の終わりが見通せないので
あとどのくらいか
だんだん不安になります。
23分後

ツボスミレ・ワタスゲが
木道の近くで見られます。
27分後

シャクナゲの咲く小さな丘の先に
登山客の声がして
斜めの木柱が写真で見た最終目的地
中門岳です。
山頂と言うよりも
大きな池のあるくぼ地のようです。
真ん中が凹んだ山もありますから
問題はありませんが。
わずかばかりの青い空が
入りませんでした
つづく

特別な場所・不思議な季節@会津駒ケ岳 日本百名山№26

2013-08-14 | 26会津駒ケ岳(夏)
会津駒ケ岳の
森の中の登山道に咲いている花は
地味なものが多く
エゾスズラン

ツルリンドウ

その他には
ソバナ
アクシバ
ツルアリドオシ
ギンリョウソウ
マイヅルソウ
アカモノ
など
少し前に新潟の山で見た花が
並びます。
駒の小屋を見上げる休憩スペースには
森の中とは違う花が咲いていました。
初めて見た
ツルコケモモ

尾瀬で見た
キンコウカ

ネバリノギラン

秋の月山で見たのは実だった
イワショウブ

<月山にて>

西吾妻山に少しだけ咲いていた
ミヤマリンドウ

この山にはたくさん咲いていました。
花の百名山に
タテヤマリンドウと書いてあるので
勘違いして
タテヤマリンドウと思っている
人が多いようです。
一般的ではありますが
この山のシンボルのように
たくさん咲いていた
イワイチョウ

チングルマ

足元に今咲いている花だけで
お腹いっぱいになりました。
元気を出してあと少し
駒の小屋を目指します。
小さい丘の先に見えました
駒の小屋

その先には
帰り道の登山者が
大勢写真を撮っていました。

先に進むと
木道の脇だけにコバイケイソウが咲き
周りは一面のみどり。

山小屋が見える風景は
どこかで見たようではあるが
何かのようだと形容しづらい
ここに来ないとわからない
特別な場所・不思議な季節
でありました。
たった1株だけの紫
ハクサンチドリ

ツボスミレ

が出迎えてくれるとすぐ
駒の小屋に到着です。

駒の大池
会津駒ケ岳山頂は
ガスって見えません。

登山口から2時間40分。
同行者はもう動けないと
泣きが入りました。
仕方ないので
最小限の荷物を持ち
90分で戻ると言い残し
会津駒ケ岳山頂・中門岳に
向かいます。
つづく

分け入っても分け入っても青い山@会津駒ケ岳 日本百名山№26

2013-08-13 | 26会津駒ケ岳(夏)
春の花を求めて
会津駒ケ岳へ出かけました。
深田久弥さんの
日本百名山より
私が初めてこの山を親しく望んだのは尾瀬の燧ケ岳の頂上から
であった。北にあたって長い山稜を持った山が見える。
一頭地を抜いた峻抜な山の形には見えないが、その尾根の長い
おだやかな山容が私を魅了した。
昨年秋の紅葉の会津駒ケ岳です。

尾瀬の燧ケ岳から撮りました。
8月に入り、
春の山は限られてきて
もっと早く出かける予定が
集中豪雨で国道252号線が
通行止めとなり
開通を待って出かけました。
最短ルートの滝沢登山口から登ります。
林道の通行止め地点からすぐ
取付点の階段があります。

いきなり手すり付の階段から
登る山は初めてです。
西吾妻山と違い
登山道が土で覆われて
歩きやすいのですが
最初から
傾斜がきつい印象です。

種田山頭火の俳句
分け入っても分け入っても青い山
を思い出してしまいました。
やはり
土と木の根の登山道は
山に包まれたような安心感があります。
最初のきつい直登の後は
ほぼ一定の傾斜になり
九十九折に進んでいきます。
地味ですがところどころ
花が群れています。
オトコエシ

ヌスビトハギ

日当たりのよいところは
下刈りがされて
歩きやすい道が続きます。
 
500mごとに木の標柱があり
確実に進んでいることがわかり
安心です。

1時間20分で水場に到着です。

駒の小屋までの
中間地点といってよいでしょう。
2~3人掛けのベンチが3脚あり
二人が休んで
二人が水場へ向かうところでした。
水場まで少し下りますが
片道2分くらいだそうです。
くだりで会った方に聞くと
とても冷たくておいしい水だそうです。
ここまで広場のようになった
休憩場所はありませんでしたので
ほっとする場所です。
この少し先で
林が針葉樹に一変します。

と同時に
登山道が階段工事中になりました。
木枠が並べられています。

下りでは、ヘリで石を落とし
それを均している作業を
目にすることになりました。
工事期間が9月下旬になっていましたから
紅葉までに完成させるのでしょう。

木の間から
なだらかな稜線が見えるとすぐに
木枠でつくった休憩スペースに
ベンチがあります。
青い山の頂きが
ときどき雲のあいだから姿を現し
ここから見る会津駒ケ岳の稜線は
ニセ巻機から見る巻機山のように
おだやかなものでした。
これまでの深い森と対照的な
起伏のない草原の風景が広がります。

もうすぐ駒の小屋です
つづく