山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

牛ケ岳まで歩いて得たもの@巻機山 日本百名山№5アゲイン

2013-10-10 | 05巻機山(夏・秋)
9合目のニセ巻機から巻機山山頂が
この山のハイライト
と言っていいでしょう。
 
真ん中の米子沢の水源は草地で
夏は緑一色ですが
秋には草紅葉となります。
 
風が吹くと
気持ちよく揺れて
ヒーリングタイムになります。
巻機山とニセ巻機によって
遠くの景色はさえぎられ
隔絶された世界です。
 
人間のつくったものは
木道と避難小屋だけです。
巻機山山頂から
団体さんが降りてきました。

駐車場の車の数に見合う
にぎやかさになってきました。
やはり皆さん早起きだったようです。
御機屋と呼ばれる
山頂の標柱のある広場は通過します。
 
登山口から3時間50分。
展望が良過ぎてのんびりしてしまい
ガイドブックの時間通りです。
今日の最終目的地は
牛ケ岳です。
このあたりの登山道には
イワショウブの赤い実がたくさんあり
夏に来れば
高山の花が咲いていることを
教えてくれます。
 
立ち枯れたキンコウカも
ありました。
この丘の上が最高地点です。
前回来たときは何もありませんでしたが
誰かが小さいケルンを作っていました。
 
通過しようと思ったら
360度の絶景にしばらく足を止め
写真を撮りまくりました。
道が少し広がっている程度で
ゆっくりするには狭いので
後から来た群馬県の人たちに場所を譲り
先に進みます。
朝日岳への分岐点で
数人が休んでいました。
ここも
静かな絶景のビューポイントです。
行く先には牛が岳が
牛の背中のようにどっしりと
構えています。
 
牛の背の上りのあたりは
笹の緑が途切れ
その茶色に切り取った形は
左向きの牛がひざまずいているように
見えました。
木道が続いていますが
緑の濃い場所は
木道が見えないほど笹が茂り
つまずかないように慎重に
歩かなければなりません。
牛ケ岳の山頂は
牛の背中の一番手前になります。
 
木の柱が横たわっています。
字も読めません。

さらに先には
展望台があるようです。
牛ケ岳山頂にザックを置いた女性二人とすれ違い
次第に大きくなる越後三山を正面に
まっすぐの道が下り始めるところに
展望台がありました。
御機屋から50分かけて到着し
遅い昼食をとりながら
ゆっくり休憩をしました。
展望台には
遭難のメモリアルプレートが
設置されており
山の危険に慣れないよう
気を引き締め直しました。
越後三山は初回で掲載しましたから
省略します。
魚沼こしひかりの産地
 
群馬県の山々
 
そして
巻機山と割引岳
 
帰りはガスで
展望がいまひとつになったので
淡々と下りました。
牛ケ岳展望台から御機屋まで30分
 
御機屋には
ザックにヘルメットをぶら下げた
人たちが下りるところでした。

どこから登って来たのでしょう?
そこから登山口まで2時間15分。
他の登山者は
早く下りたか・避難小屋に泊まるかのようで
またまた
静かな下山道でした。
この日の歩数
26,740歩
今年一番の距離。
この日に得たものは
今年一番の心地よい疲れでした。
end

開放感のある登山道>9合目まで@巻機山 日本百名山№5アゲイン

2013-10-08 | 05巻機山(夏・秋)
巻機山の6合目は
林の途中です。
先に進めば
再び視界がさえぎられますが
それも20分で上空の空が見え始め
30分で7合目に到着しました。
 
花が少ないので
ガイドブックより少し早いペースになり
登山口から2時間です。
ここからは
いたるところパノラマ状態です。
先客はご夫婦1組でした。
写真を撮っていたら
途中で先を譲っていただいた
もう1組が合流し
それでも静かな7合目です。
まったりとした時間の流れを
子供が来た?の声が遮ります。
まさか巻機山に子供が来るはずはない
甲高い声と色とりどりのキャップで
6人が並んで登ってきます。
近づけば
トレランの格好をした女子チームでした。
さわやかな挨拶を残し
風のように登っていきました。
 
10分も写真を撮っていました。
 
谷川連峰
雲たなびくあたりの一番低いところが
清水峠>谷川岳>一ノ倉岳>茂倉岳>
万太郎山>エビス大黒の頭>仙ノ倉山
180度の展望を満喫して先に進みます。
先は9合目まで見渡せます。
 
紅葉にはまだ早いので
ごく一部が色づき始めた程度です。
森林限界を超えたので
展望を楽しみながら登ります。
8合目到着
 
振り返るとこんな道でした。
 
8合目から見上げると
登っている人が見えました。
 
疲れも出てきて感覚的には
7合目から9合目の上りが
一番きついようです。
前回来たときにすでに
岩礫の斜面に草が生えるように
植生保護の養生をしてあったのですが
環境が厳しいためか
効果は見られません。
それでも
登山道としての階段を外れないように
進みます。
赤い実が空の青と草の緑の間に
生きていることを主張しています。
 
上るにつれて
草の紅葉も始まりました。
 
降りる途中
この少し下の方でナナカマドが
枯れて落ちそうな茶色い葉を
つけていましたから
この赤い実はナナカマドでしょう。
ここを超えると
米子沢の源流部を隔てて
巻機山の山頂部が姿を現します。
 
今回は最初から最後まで
雲に隠れることなく
かやぶき屋根を連想させる姿を
見せてくれました。
9合目のニセ巻機に到着です。
 
7合目から55分
登山口から3時間かかりました。
ゆっくり景色を堪能しながら登ったので
ガイドブックのペースに戻りました。
写真を撮っていると
山頂から戻ってくる道に
見たことのある帽子が見えました。
 
7合目で追い越された女子チームの内の
二人でした。
単純計算で2倍のスピードです。
脱帽
次回(最終回)
山頂から牛ケ岳
につづく

ブナ林を6合目まで@巻機山 日本百名山№5アゲイン

2013-10-07 | 05巻機山(夏・秋)
巻機山登山口のある桜坂駐車場は
この日は車が7割ほど埋まっていました。

巻機山の山頂は見えませんが
割引岳と天狗岩は姿が見えます。
 
割引岳はワレメキダケ(又はワリメキダケ)と読みます。
深田久弥さんの
日本百名山より
この描写から察して
私は牧之の指す破目山(ワレメキヤマ)とは
今の巻機山前峰の天狗岩に相違ないと思う
中略
割引山とはワレメキ山の聞き誤りに違いない
清水から仰ぐと天狗岩とその三角点の山は重なって見える
中略
誤ってその背後の山がその名を負ったのだろう
のんびりした時代と
方言に悩まされた測量担当者が
思い浮かびます。
ほとんどの皆さんが登る
井戸尾根コースですが
単純標高差1200m以上
累積高低差は1500mくらいです。
 
スタートは7:37
桜坂駐車場は3合目付近で
しばらくは
ブナやミズナラの林の中を
大きな石が
ゴロゴロと露出した登山道です。
こういう道は
上りは問題ありませんが
下りで疲れが加速します。
30分ほどで4合目の標柱です。
 
花の出迎えは
アキノキリンソウでした。
 
そのほか
ムラサキシキブの実が
色鮮やかで
弥彦山でよく見かける
クルマバハグマ
オクモミジハグマ
なども咲いていました。
豪雪地帯のため
大木はありませんが
太さがそろったブナの美林が
目の保養になります。
 
登山口からずっと
このくらいの角度で登りましたから
最初の休憩をとりたいなと思うころ
前方が明るくなり
5合目に到着です。
 
登山口から55分かかりました。
ガイドブックには1時間とありましたので
今日は長丁場ですから
いいペースでしょう。
出発時間が中途半端だったのか
下る人3人とすれ違っただけで
登る人や休んでいる人は見かけませんでした。
静かです。
5合目からは右に
山頂の稜線から下りる大きな谷に
米子沢を見ることができます。
遠眼鏡をのぞけば
岩肌に滝のような水が流れ
涼しげです。

この日は稜線に雲がかかり
青空なのに展望がないという
悪い予感が浮かびました。
5合目からの展望を満喫したら
再び
ブナの美林を楽しみながら
30分で6合目になります。
 
今度は左側に
ヌクビ沢・割引沢の間に天狗岩が

そして割引岳がその奥に見えます。

すみません
両方が入ったいい写真がありませんでした。
こちらの沢は
流れる水が少ないようですが
沢でこれだけの傾斜があれば
上級者向きというのは理解できます。
 
行程の節目節目で
山の大きさを感じることのできる風景が
長い道のりを分割してくれて
疲れをリセットできるのが
この山の優しさかもしれません。
つづく

山頂は百名山の展望台@巻機山 日本百名山№5アゲイン

2013-10-04 | 05巻機山(夏・秋)
新潟県の巻機山
以前に登ったのは夏の8月でした。
山頂は流れる雲で
見えたり見えなかったり
ましてや
展望はありませんでした。
とても暑くて
持っていった水がぎりぎりだったと
記憶しています。
観光地でもある福島県の浄土平と
比べれば
ひっそりと静かな山旅です。
今回は
晴れて空気が澄み
新潟・群馬・福島の山々を
登った記憶をたどりながら
目で楽しむことができました。
この日写真で判別できた
日本百名山を北から時計回りで
ご覧ください。
1.       越後駒ケ岳
 
牛ケ岳からは
中ノ岳(右)と八海山(左)を従え
越後三山がひとつのまとまりとなって
迫力がありました。
午後になってしまったので
薄くガスが上がってきましたが
日帰りですからしかたありません。
この間にあるはずの
会津駒ケ岳と平ケ岳は残念ながら
写真に写っていませんでした。
2.3.燧ケ岳と至仏山
 
よく見られる角度とほぼ同じ向きなので
見慣れた形をしています。
4.日光白根山
 
標高がひときわ高く
山頂が3つに割れて目立ちます。
5.皇海山
 
雲間から頭だけなのでわかりにくいのですが
方角からほぼ間違いないと思います。
6.武尊山

剣ケ峰から見た幅広の堂々とした形とは
違うシルエットになっています。
右側の低い方のピークが剣ケ峰。
7.8.富士山と谷川岳
 
富士山が谷川岳の左に雲に浮かんで見えました。
たまにしか見えないようなので
登頂2回目で見えたのは幸運でした。
富士山との距離は180kmくらいだそうです。
9.八ヶ岳(未登頂)
 
万太郎山とエビス大黒の頭の間
八つの峰の形は
登っていないので
見慣れないものです。
群馬から来た人たちは
形からして間違いないと言ってました。
10.浅間山(未登頂)
 
仙ノ倉山に重なっていますが
標高が500mほど高いので
山頂が覗いています。
草津白根山からは大きく見えました。
11.苗場山
 
みつまたかぐらスキー場と
平らな山頂湿原が目印です。
紅葉が始まったようです。
秋の晴れた日に
もう一度登ってみたいと思います。
12.13.妙高山と火打山
 
双子の山みたいです。
長岡から上越市に向かうと
最初に妙高が見えその後ろに火打
すなわち東西という感覚ですが
地図を見れば火打の方が海側(北西)でした。
雨飾山はこの先ですから見えません。
(おまけ)
北アルプス
 
遠くてわかりにくいので
この写真だけ
コントラストを上げてみました。
自宅からの距離が
そんなに遠い訳ではないのですが
日本アルプスで登ったのは
今のところ木曽駒ケ岳だけです。
この写真のようにまだ遠い存在です。
登った山を探すのに時間がかかるほど
新潟と群馬・福島の日本百名山は
たくさん登りました。
地図を持ってくれば
もっと小さく見える百名山も
見つけられたでしょうか?
巻機山の魅力は
次回に
end

機織り伝説の巻機山の青空 日本百名山№5

2012-03-01 | 05巻機山(夏・秋)
前巻機(ニセ巻機)から
ようやく動き出したO君。
歩みはのろいが
文句を言わず
歩調を合わせます。
毎回途中離脱では困ります。
おかげでのんびりと
山頂の風景を楽しむことができました。
 
山頂方向は雲がかかっていますが、
なんだかかやぶき屋根のような
昔話の世界が想像できました。
ニセ巻機から45分で
坂を登った標柱の前の広場に着きました。
* 
山頂と書いてありますが、
どうも奥(先)のほうが少し高いようです。
どっかり腰を下ろしたO君を置いて
少し先に進んでみました。
最高点に続く稜線は
草原の散歩道のようでした。
涼しい風が通り過ぎます。

緑のベルベットと
ルノワールの絵のような日差し
最高点は少し盛り上がった他より高いところ
という以外何もありません。
 
前方には、牛ケ岳。
上りに時間がかかったので
見るだけにしました。
遠くの登山者が小さく見えました。  
うらやましい。
ニセ巻機も穏やかな形状です。
帰りにはあの道を
登らなければなりません 。
山頂で1時間を過ごし、
O君の回復を待って
下りることにしました。
今日は
下から雲が次々湧いてくるので、
ほとんど空が見えなかったと、

何度も振り返りながら
ニセ巻機を通り過ぎます。
これで山頂がもう見えなくなると
最後に振り返ったとき
この青空がありました。
 
巻機山には青空がよく似合います。
また来いよと
言われたような気がしました。
登りより下りのほうがひざに負担がかかります。
O君は階段を1歩ずつ踏みしめ
最後は牛歩のように、
やっとのことで登山口に戻りました。
山頂まで無理を強いたことを反省しつつ、
この後
O君の途中リタイアがなくなったことを
ご報告しておきます。
所要時間はほぼ
越後駒ケ岳と同じだったと
記憶しています。
ただ
山頂の草原がすがすがしく
しんどいけれど
また登りたいと思う山でした。
∨ 
end

機織り伝説の巻機山 日本百名山№5 その1

2012-02-28 | 05巻機山(夏・秋)
自宅から2番目に近い日本百名山が
巻機山です。
標高2003m。
標高の割りにどこから登っても
歩行距離が長く高低差もある
巻機山の名前の由来である「機織り御前」
という美女が機織りをしていたという
伝説のある気高い山です。
越後駒ケ岳を登ってから2週間後の
高山植物の花は終わり、
まだ秋とは言えない季節に
登山口に立ちました。
新潟県南魚沼市清水にある
桜坂駐車場の登山口から登ります。
高低差1400m
コース距離10km
ということは
急な坂が続くと予想されます。
手前のバス停に
詳しい案内図がありました。  
 
桜坂駐車場を奥に進むと
登山口で、登山届けのポストがあります。
 
登り始めれば予想通り。
森の中の上り坂を
ひたすら歩いて高度を稼ぎます。
何ヶ所か展望が開けるのですが、
雲がかかり
写真も撮れませんでした。

八合目の登山道の傍らに
キバナニガナ  
 
やがて
ニセ巻機(9合目)に着きます。

すでに疲労困憊。
脚が悲鳴をあげています。
今日も同行者はO君でした。
今回も
ここで待ってると言い張るので、
なだめたり
すかしたり
何故かと言うと
ここからは下って登るんです。
下らなければ高低差100mなんですが、
それに
登り坂全体が見えて、
しり込みしたくなります。
景色は最高なのですが、
 
写真は下りきった山小屋付近から
登りを撮影したものです。
つづく