山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

平ヶ岳山頂周遊☆平ヶ岳9月下旬@日本百名山№55

2022-01-10 | 55平ヶ岳(秋)
深田久弥さんの
日本百名山より
平が岳は、日本百名山を志した最初から私の念頭にあった。
あまり人に知られていないが、十分にその資格がある。
(中略)
第二、その独特な山容。長く平らな頂上は甚だ個性的である。
苗場山も平らであるが、少し傾いている。
平が岳はほとんど水平である。会津駒から、燧から、至仏から、
武尊から、この平らな頂上を眺めて、私はいつかその上に立ちたい
と願っていた。しかし、それはあまりに遠すぎた。
燧ヶ岳の熊沢田代にて

平ヶ岳(左のピーク)

たまご石からは水場経由で
平ヶ岳山頂に向かいます。

分岐点には太い標柱があり
迷うことはありません。
水場

ウッドデッキがあり
水は小川の流水を利用するのだと思います。
小川の橋を渡り、姫池からの道に合流し
草紅葉の木道に出ると

燧ケ岳や至仏山などの尾瀬の山や
越後三山が見えるらしいが
この日はガスの中。
真っすぐ進むとウッドデッキがあり

この右奥が三角点と
2141mとある山頂らしい木柱です。

ただ、ガイドブックにも地図にも
ここの標高は2140mとあり
本当の最高点は
この行き止まりの場所のようです。

左の大きな看板と奥の通行止めの木柱が
気になり、写真右端の木柱に
何が書かれているのか
見逃してしまいました。

ネットで画像を検索しても答えは見つからず
人の盲点に立つ不思議な木柱です。
気になります。

(拡大鮮明化しても良く分かりません)
粘っても晴れそうにないので
姫池に向かいます。
そこは地元の強みで
いつかまた来ることもあるかも
と気軽になれます。
他のお客さんは、
昨日は燧で明日は会津駒だとか…
うらやましくもしんどそうな
元気あふれる方が多いみたいです。

平らと言っても、
多少の上り下りがあり

姫池に着きました。

イラストの地図には
オコジョの絵がありましたが
今までまったく出会っていないので
私的には雷鳥以上の希少生物です。
ガイドブックにあった
姫池越しの平ヶ岳山頂の写真。

残念ですがその文字で想像します。
湿原の脇には広い木製の休憩スペースがあり
平ヶ岳のまさに平べったい山容に癒される。
周辺にはお花畑が広がっている。
ここで丁度、
鷹ノ巣コースから登ってきた人に
出会いました。
(今9時ですが)朝早く出発されましたか?
と聞くと
朝の3時に出ましたとのこと。
やはり日本百名山では最も
過酷な日帰りの山のようです。
バスの時間はまだ余裕がありますが
下山することにしました。

途中で、宿のご主人の話にあった
みごとなヒカリゴケを堪能し

送迎バスの待つ登山口に着きました。

少し晴れてきたでしょうか?
秋の平ヶ岳を約6時間の周遊でした。
この日の歩数
23145歩
そのあとは
悪路の林道をマイクロバスで宿に戻り
車で家に帰ろうとしたところ
同宿の東京からの若者が定期バスで
JRの駅まで戻ろうと思っていたが
運休になっているらしく
こころよく
上越新幹線の浦佐駅まで
送り届けました。
道中にて新潟の山や
その年に登った山の話をしたら
八幡平のドラゴンアイのリベンジで来年
もしかしたら会いましょうと
約束をして別れました。
お互いに楽しい山旅を続けましょう。
end

中ノ岐コース⇒玉子石☆平ヶ岳9月下旬@日本百名山№55

2022-01-07 | 55平ヶ岳(秋)
飯豊山を登り、新潟県境の日本百名山は
残る1つが平ヶ岳です。
メインルートの鷹ノ巣コースは
日本百名山の中で
最も過酷な日帰り登山と言われ
今までに検討しつつも
いつも先送りにしておりました。
新型コロナのため県外には出かけられず
銀山平温泉に宿泊して短縮ルートを採用することにし
入念に、準備したはずが
2つもほころびが出てしまいました。
1)ゴートゥートラベルの地域限定版である
新潟県民対象の県民割で
宿泊すると5000円が割引になるはずが
わずか数日の違いで、対象外になってしまった。
2)そして、天気予報が急変した。
宿にした奥只見山荘を夜明け前の
4時にマイクロバスで出発し
途中から中ノ岐川沿いの私道を1時間半、
揺れる体を踏ん張って座席シートに沈めました。
悪路で知られた皇海山の林道を上回り、
出発前に、朝食は食べないほうがいいと
言われたのも納得です。
林道の途中で、バスの前に
鹿が現れ、しばらく同行するという
ハプニングもありました。
深田久弥さんの
日本百名山より
小出から枝折峠を越えて石抱橋までバス、
それから舟で近年ダム湖になった北ノ又川の支流中ノ岐川に入った。
(中略)
そこから名だたる越後の山の藪との悪銭苦闘が始まった。
とうとうその日は尾根の中途にやっとテントを張るだけの
窮屈な場所を見つけてそこに泊まらざるを得なくなった。
翌日も猛烈な藪潜りが続いた。方角が分からなくなると、
木によじ登って行衛を定める。
ようやく池ヶ岳の気持ちのいい草原に出てホッとした。
池ヶ岳は現在の池ノ岳だと思います。
中ノ岐ルートは、深田さんの登った
二岐沢や1887m三角点を通りませんが、
藪は同じ山の藪ではあります。
バスは登山口に1番乗りして

トイレがすぐに混むから
先に済ませるようにと案内があり、
それに従うと
その後のバスの客は長い行列を作りました。

空がしだいに明るくなると
雲が空全体を覆っているのが分かりました。

宿でもらった地図によれば
玉子石の分岐まで2時間の急登とあり
一歩先に出て、集団と距離をおきます。
集団と言っても
ツアー客のような大グループはいません。
出発後すぐに橋を渡り

20分ほどで登山口方向を見下ろすと、
山あいを流れる中ノ岐川に
マイクロバスの白い屋根が見えました。

お客さん全員が戻るまで
登山口で待機しているそうです。
登山道はよく整備されていて

大雪に耐えて育った樹木を愛で
林の中を一定のペースで上っていくと

登山口から50分で
クロベの大木という休憩場所らしき
スペースに出ました。


クロベとは葉裏が白くない檜⇒黒檜
本州・四国に分布する日本固有の常緑高木
下りに見たクロベの大木の上部

曲って折れて痛々しい状態です。
その後も一定のペースで上り
わずかに見られた赤い紅葉


ここでは足元に続く笹は
刈り払われて歩きやすいのですが
越後の藪の本体は
このちょっと背の高いびっしり生えた
笹ではないかと思います。
谷川連峰の茂倉岳でも蓬峠に笹原が広がり、
刈り払われていないところは
プールの中を歩くような抵抗感がありました。
登山口から1時間50分で
草紅葉広がる玉子石分岐に到着です。

ガスっていて展望はありません。

木道が左右に続いており
案内に従い、玉子石に向かいます。

程なく卵型の石が姿を見せました。

周りに大きさを比較できるものがないので
登山用ポールを置いてみました。
上の石がなぜ落ちないのか
近くで見てもわかりません。
ガイドブックには
その背後の池塘の景観が美しいと
ありましたが、ガスってよく見えません。

うっすらと池塘があるのがわかる程度でした。
残念です。
つづく