山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

濁沢大峰⇒檜尾岳⇒熊沢岳☆空木岳@日本百名山№61

2022-10-31 | 61空木岳(秋)
濁沢大峰(標高2724m)は
大きな岩の集合体です。

振り返ると北側に
ガスがかかり始めました。

しばらくは大きな岩の間を
右や左に回り込んで進みますが

何か所か、反対側に移るときに
岩を登ります。鎖がついていて
鉄棒を曲げた足場もあり
身体全体を使いますが
足がすくむ程のことはありません。

少しずつ下ります。

岩の道は細いですが、両サイドは
怖いほど切れ落ちてはいないので
慎重に進めば問題ありません。


檜尾岳への鞍部が見えると
東側に回り込む梯子や階段が急です。

ここが地図の1つ目の
!マーク地点だと思います。


鞍部までは200mほど下り
濁沢大峰を振り返ります。

山頂部が丸まった優し気な
檜尾岳まで200m上り返します。

左に見える山小屋は
檜尾避難小屋です。
上りはきついのですが
大岩は少なく、道は穏やかで

周りの景色を楽しみながら
濁沢大峰から1:10で
檜尾岳(標高2728m)に到着です。

東には丸い丘の上に檜尾避難小屋と
南アルプス越しに
富士山も見えます。
富士山のすぐ右隣は塩見岳です。
檜尾避難小屋は管理人さんが入ったと
聞きました。
振り返れば、濁沢大峰の先は
ガスがかかり始め

木曽駒ケ岳ははっきりと
確認はできませんでした。
そして、南の空木岳は
とうとう雲の中に入りました。

次の目的地の熊沢岳は
かろうじて見えています。
再び130mほど下ります。
檜尾岳を振り返ると、丁度
檜尾岳で下山するという2人が
山頂に立ったところでした。

鞍部まで下ると、また
大きな岩が目立ち始めました。

次の上りは、手前の三角の山
大滝山(標高2708m)です。

高低差は少ないのですが
急坂なのでしんどいです。

何とか登りきると

熊沢五峰はかろうじて見えますが
ますます雲が下がっている
気がします。

なんとか熊沢岳までは見えています。
熊沢岳の真下まで来ると

大きな岩があり
左の岩の手前を10mほど横切り
右の急な岩場を垂直に5mほど登ります。
どちらも鎖がついているので
慎重に進めば問題ありませんが
逆ルートで下る人は、出だしの岩が
張り出していて怖いかもしれません。
ここが地図の2つめの!マークです。
後は、彩り豊かな秋の山で
周りの大岩を楽しみながら

熊沢岳(標高2778m)に到着です。
檜尾岳から1:20かかりました。

つづく

極楽平⇒濁沢大峰☆空木岳@日本百名山№61

2022-10-28 | 61空木岳(秋)
千畳敷駅で
駒ケ岳ロープウェイを降りて
ほとんどの人が木曽駒ケ岳への
ルートである八丁坂に向います。
人気の山は14年前と同じ
長い人の行列が八丁坂にありました。
空木岳へは山に向かって左側の
極楽平に続く名もなき坂に
取り付きます。

進むにつれて、人の気配が減り
静かな山が迎えてくれます。

紅葉も見ごろで
バスを待った疲れを忘れます。
振り返ると千畳敷カールは
紅葉のピークではありませんが
秋らしい賑わいがあります。

人々は小さくなり
風景の一部になっていました。

大きな白い石を敷き詰めた道は
歩きやすく整備されていて
30分で極楽平(標高2827m)に
導かれました。

空木岳の標高は2864mですから
ほぼ同じ高度に達したことになります。
ガイドブックで難易度が4に
なっていた理由はこの後
自分の目や手足で確かめることに
なります。
極楽平は名前の通り
平らで平穏な場所です。
西には、御嶽山。

近くから見下ろす裾野の広さは
独立峰としての美しさが
一番引き立つものです。

北は、宝剣岳に向かう道。

この道は空木岳方面よりも更に
難易度が高いようです。
東には、シルエットの南アルプス。

真ん中より少し右に
富士山も頭を出していました。
南には、空木岳に向かう
なだらかな登山道。

天気予報は下り坂ですが
幸運にも360度の視界が確保され
ありがたい山旅が始まりました。
島田娘ノ頭に向かうと
空木岳への縦走路の全貌が
見えてきます。

平らで真っすぐではないと
覚悟していましたが
遠くから見れば
岩が美しい自然な造形に
うっとりします。
空木岳の左(東側)の長い尾根が
高低差2000m、移動距離10㎞の
池山尾根でしょう。

極楽平から平坦な道を
30分ほどで、島田娘ノ頭に
着きました。
豪快な岩石群の奥に

空木岳が見え、これだけで
来てよかったと思える
今年1番の写真が撮れました。

深田久弥さんの
日本百名山より
私たちは木曽殿越の鞍部へ向って急坂を下った。
それから先の行程は、鞍部から更に山稜を北へ登り、
二千七百米級の峰を幾つも上ったり下ったりして、
宝剣岳を超え、駒ケ岳本峰へ達した。本峰に立って振り返ると
経てきた長い山稜がうねうねと遠くまで続いていた。
その中に一きわ高く、空木岳と南駒ケ岳の二つが睦まじそうに
並んで立っているのを見逃しはしなかった。

島田娘ノ頭を過ぎると、道は
鞍部へと下っていきます。

写真は濁沢大峰の上りから
振り返って撮ったものです。
左に見えるのは
木曽駒ケ岳かと思い調べると
700m西にある木曽前岳でした。
下る途中で2組を追い越しました。
1組は檜尾岳から檜尾根で
下山するそうです。
日帰りで中央アルプスを楽しめる
気軽なルートを教えてもらいました。
鞍部から上り返す濁沢大峰は
三角のおにぎりの上に
たくさんの岩があり
白ゴマのふりかけに見えました。

山頂に近づくにつれ
白ゴマが大きくなり

極楽平から1:10で
大きな岩が積み重なった
濁沢大峰山頂に到着です。

ここで5名のグループを
追い越し、この後は
前も後ろも離れてしまい
自由だが、心細い道中になりました。
つづく

小黒川PA⇒千畳敷カール☆空木岳@日本百名山№61

2022-10-24 | 61空木岳(秋)
初めて登った日本百名山は
中央アルプスの木曽駒ケ岳でした。
角田山(標高482m)から山登りを始めて
だんだん高い山にあこがれ
初めての2000m峰が谷川連峰の平標山。
初めての3000m峰が木曽駒ケ岳。
一番やさしい山を選びました。
あれから14年が過ぎ
登った日本百名山は60座を超え
北海道と近畿以西を除くと
80座しかありませんので
4分の3の達成率になりました。
61座目に選んだのは
中央アルプスの空木岳です。
まずは、14年ぶりの千畳敷カールを
目指して、高速道路を
駒ヶ根インターに向います。
途中の小黒川パーキングで休憩すると
東に、南アルプスの山々が
くっきり見えました。電線が邪魔で
撮影スポットを捜すと、人が
エリアの外に出ることができる
ゲートがあり、田んぼの中から
迫力のある展望を満喫しました。

これで、
明日登る山から何も見えなくても
十分に記憶に残りました。
天気予報は下り坂です。
甲斐駒ヶ岳

仙丈ケ岳・藪沢カールと間ノ岳

(北岳は仙丈ケ岳の奥になります)
更に南の山々

今回の山旅から
AR山ナビというアプリが加わり
山の名前を調べるのが
すごく楽になりました。
翌朝5時から
菅の台バスセンターで
チケットの行列に並びました。

1時間でチケットを購入した後
今度はバスの行列に並びます。

結局、バスに乗れたのは
7時過ぎでした。
休日は混むだろうと
平日にしたのに、まったく
何とかならないものでしょうか?
行列の1つ前に並んでいる人が
3年前までは、チケットがないと
バスの列には並べなかったのに
今はノーチェックなので
2組に分れて
先にバスの列に並ぶ人が
いるのだとか?
バスはチケットの番号順に
乗せるようにするとか
もっと公平なシステムに
してもらいたいものです。

ロープウェーに乗れたのは
7:45

中腹の紅葉はまだ早いようです。

千畳敷駅に着いたのは
8時になりました。

予定より随分遅い出発ですが
慌てるほどのこともなさそうです。
つづく

門内避難小屋⇒北股岳☆北股岳@新潟百名山№23

2022-10-16 | 〇新潟100名山(下越)
飯豊連峰に出かける時
意識して、外していたのは
真夏の登山でした。
何回か下見をして
暑さでバテることがあり
1日で長い距離を歩くのは
涼しいときに限ると
思ってのことでした。
その為、あきらめていたものを
今回初めて見ることができました。
イイデリンドウ

リンドウ科の多年草
ミヤマリンドウの変種で
飯豊山固有の植物である。
花期は7~8月。
飯豊の星と呼ばれ
9月中旬にもかかわらず
一輪が咲き残っていました。
門内小屋の泊り客は意外と少なく
2階はほぼ使いませんでした。
山小屋がすいているのは
新型コロナの影響があると思います。
テント場にあったテント9張は
感染を恐れた人が何割かいたでしょう。
休憩と寝床の準備をした後
土曜日で管理人さんがいたので
いつもは飲まないビールを買い
小屋の外のベンチで
気持ちのよい風に吹かれながら
缶ビールを飲み
一緒に泊まる人と話が弾みました。
水の補給なしで5時間近く
活動できるのはうらやましいと
言われ
ハイドレーションパックにしたら
飲む水の量が減ったことを
教えました。今回の山旅では
頼母木小屋での水補給2回で
済みました。
夕暮れを見に、
門内岳(標高1887m)に登りました。
門内小屋から5分ほどで着きます。
山頂にあったのは赤い祠でした。

その奥には、右から
北股岳・梅花皮岳・飯豊本山です。
北西は登ってきた山道と
薄っすら広がる日本海

東は霞む山々と会津方面
真ん中は会津磐梯山

赤く染まる北股岳・梅花皮岳

遠くの飯豊本山

夕日を見守る
門内小屋とテント場の人たち

日没です。

1年前の飯豊本山避難小屋では
寝具が合わず、よく眠れませんでしたので
今回は2つのことを改善し
ぐっすり眠れました。
空気枕に薄い低反発マットをかぶせ
寝がえりの時の音を小さく
枕が動きにくくしました。
スリーピングマットを大きめの
エアーマットに変え、横向き寝でも
肩が床につかないようにしました。
翌朝
夜明け前の蔵王

沈む満月と
越後平野に灯る街路灯

寝具を小屋に預けて、荷を軽くして
夜明けとともに北股岳に向います。
最初は少し下ります。

ギルダ池は見過ごして
鞍部から登り返し

次第に北股岳が大きくなって

東側に大きな岩が見えると
北股岳(標高2025m)山頂です。

よく晴れて、遠くまで見通せます。
門内小屋から50分かかりました。
門内小屋で十分な休憩がとれて
荷物も軽く、標準タイムを
随分短縮しました。
登った道を振り返り

中央が門内岳
そこから尾根道を右に扇ノ地紙
その奥に、地神山と
朳差岳の山頂が重なります。
扇ノ地紙の右には
長く険しい梶川尾根

更に北には、右から

大朝日岳(朝日連峰)
月山(少し遠いので薄く見える)
以東岳(朝日連峰)
鳥海山(左端にうっすらと)
も見えました。
南東には、まだ歩いていない
飯豊連峰の最深部で

真下の梅花皮小屋から
梅花皮岳・烏帽子岳・飯豊本山が
重なって見えます。
その少し右に
御西岳に続く縦走路

少し画像が小さくなりますが

御西岳の右には
飯豊連峰最高峰の大日岳です。
(標高2128m)
深田久弥さんの
主脈の峰々が堂々と独立している
という言葉をかみしめて
車が自動運転で
南の登山口に周回すれば
南に下りるほうが楽なのにと
思いながら、来た道を戻りました。
1日目の歩数:26,011歩
2日目の歩数:30,634歩
(1日目は歩数計を起動しなかったため
2日目の歩数から推定しました。)
<上り>
足ノ松登山口⇒大石山⇒頼母木小屋⇒地神山⇒門内小屋⇒北股岳
   3:45 ⇒1:00 ⇒ 1:10 ⇒ 1:10 ⇒ 0:50
<下り>
北股岳⇒門内小屋⇒地神山⇒頼母木小屋⇒大石山⇒足ノ松登山口
0:50 ⇒0:45 ⇒1:10 ⇒0:50 ⇒3:10
上り合計:7:55
下り合計:6:45
(大石山と頼母木小屋での大休止は除きます)
疲れた脚で足ノ松尾根を下るのは
大変でした。
縦走するなら、北から入り南へ向かう事を
お薦めします。
end

大石山⇒地神山⇒門内岳避難小屋☆地神山・門内岳@新潟百名山№22

2022-10-13 | 〇新潟100名山(下越)
暑さのため大石山で
30分ほど横になって休んだ後
気を取り直して
穏やかな草原のお花畑を
頼母木小屋に向って進みます。


花の種類は2年前と同じなので
省略しますが、道端に
ハクサンフウロ

イワインチン


少し高いところに上がると
地神山までの道と
肩を並べたように感じましたが

近寄ってみれば、まだ
随分高いところにあります。

中央が頼母木山、右が地神山です。
暑さの中、ゆっくりと上り
大石山から1時間で
頼母木小屋に到着です。

(標準タイムは50分)
日陰で休みながら
管理棟の蛇口から流れ続ける
水を頂きました。
おいしい!
永遠に飲み続けられるほど。
飯豊のオアシスの看板に偽りなし。
晴れて、360度の展望は
見飽きることがありません。
堂々たる朳差岳

頼母木山から地神山に至る
緑色の壁

ここまで既に5時間近く歩いているので
弱気になり
管理人さんに、門内小屋まで
どのくらい上りますか?と聞くと
大したことはありません。
頼母木山と地神山を登れば
後は1800mの稜線ですとの答えに
勇気をもらい、重い腰を上げて
当初の予定通り、門内小屋を
目指して歩くことにしました。
まずは、頼母木山への上り

振り返って、

頼母木小屋と朳差岳
15分ほどの上りで
頼母木山(標高1730m)です。

地神山と地神北峰の左に
ようやく飯豊本山が見えました。
地神北峰へは
少し下って上ります。

頼母木山の上りで体が動き始めて
何とか進めそうです。
地神北峰で
丸森尾根からの道が合わさり
あんなに大きく遠く高かった
地神山がすぐ目の前にあります。

左奥の小さなピークは
梶川尾根が合わさる扇ノ地紙です。
頼母木小屋から1:10で
地神山(標高1850m)に到着です。
北側に展望はなく
上ってきた道は見えませんが

行く先の扇ノ地紙の右上に
ようやく、北股岳が現れました。
よく見ると、その右に
門内小屋も見えます。

そのすぐ上が門内岳です。
目的地が見えると
疲れも吹き飛んで
地神山から扇ノ地紙まで30分
扇ノ地紙から胎内山まで15分と
平坦で真っすぐな道を進むと

北股岳と梅花皮岳に挟まれた
吊尾根がだんだん大きく見え
北股岳と梅花皮岳の距離が縮まります。

最初は見えていた大日岳が
北股岳の奥に隠れました。

門内小屋の左下に
テント場が現れると

地神山から1:10で
門内避難小屋に到着です。

つづく

足ノ松尾根⇒大石山☆地神山・門内岳@新潟百名山№22

2022-10-10 | 〇新潟100名山(下越)
予約していたツアーの
南アルプスの山行が
山小屋での新型コロナ感染で中止となり
縁がなかったと残念に思いつつ
そのツアーはハードな行程だったので
ホッとしている自分がいました。
何か、その穴を埋めるものを探して
予約なしていける山を
思いつきました。
2年前の9月に出かけた
飯豊連峰の北の入り口:大石山
のもっと先に行ってみたい。
9月中旬に、再び
奥胎内ヒュッテに車を止めて
明るくなった空の下を

自転車を押したり、乗ったりで
標準タイム50分のところ30分で
足ノ松尾根登山口に到着です。

この日の登山口の広場には
自転車は8台くらいありました。
登山口には、2年前にはなかった
通過人数を数えるカウンターが
設置されていました。
「立ち止まらないでください」という
案内板を読むために
立ち止まってしまいました。
前回はガスで主稜線が見えず
残念でしたが
今回は天気も良く
遠景をメインにご紹介します。

登山口より55分で
姫子の峰です。

空は明るいのですが
主稜線にはガスがかかり
山の形もおぼろげでした。
前方に
三角形のピークが見えました。

あれが大石山でしょうか?
幾つもピークを越えて到着したような
気がしますので
手前のピークかもしれません。
天気も良くなり、主稜線は
はっきり見えてきました。

姫子の峰より1:20で
ヒドノ峰です。
涼しかったせいか
ここまでは標準タイムより
速いペースでしたが
追いついた人より
追い抜かれた人の数が
圧倒的に多かったことで
健脚の人の山という印象が
再び、確かめられました。
ヒドノ峰から40分で
イチジ峰に到着です。

背の高い樹木がなくなり
カメラの温度計は26.3℃ですが
直射日光が痛いほどの暑さです。
大石山の少し右には、
堂々とした山容の地神山。

上りには見つけられなかった
門内小屋が、帰りには
写真右の丸い山の左に
ちゃんと見えました。

灌木がだんだん減って
笹が広がってくると

右は地神山に続く縦走路

左に、鉾立峰と朳差岳

という新潟百名山に挟まれて

イチジ峰から55分で
大石山に到着です。

カメラの温度計は27.5℃まで
上がってきました。
山を登ってるときの温度としては
苦しむ暑さです。
前回はガスの中でやっと見えた
頼母木小屋が、大きな山に囲まれ
ポツンと立っていました。

暑さでとても疲れたので
日陰はありませんが
横になって休みました。
登山口から3:45は
前回とほぼ同じタイムでした。
つづく