山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

薬師岳⇒観音ヶ岳☆鳳凰山10月上旬@日本百名山№56

2022-01-22 | 56鳳凰山(秋)
鳳凰山の薬師岳で初めて見る
南アルプスの大パノラマ
白峰三山(左から、農鳥岳・間ノ岳・北岳)

仙丈ケ岳(左)から観音ヶ岳(右)

飽きることなく眺め、写真を撮り、
空腹を満たす20分ほどの休憩をした後
白砂の庭園越しにある
鳳凰山の最高峰:観音ヶ岳に向かいます。
花の百名山でもあるこの山では
タカネビランジの赤紫の花が
おすすめのようです。
7月下旬の花期には大勢の高山植物愛好家で
あふれるのでしょうか?

右前方には八ヶ岳と北杜市

そこに流れる釜無川を下ると
笛吹川と合流して甲府盆地です。
背の低いダケカンバの黄色い葉と
ハイマツの緑・白砂の道を進み

振り返ると
薬師岳の先に富士山があり

登るにつれて
富士山も上がっていきます。

薬師岳から40分で
観音ヶ岳山頂です。

*

最初は誰もいませんでしたが

地蔵岳や甲斐駒ヶ岳を眺め

写真を撮っていると
地蔵岳のすぐ下の
賽の河原と呼ばれる砂場を
登ってくる人が何人か見えました。
〇が人です。
深田久弥さんの
日本百名山より
ウェストンの地蔵岳の初登攀は、
彼の伴った漁師たちの間にセンセーションを起こした。
彼等はウェストンに向かって、
あなたはあの神聖なむずかしい岩の上へ初めて立ったのだから、
山麓にお社を建てて神主になれと勧めた。牧師ウェストンにとって、
こんな珍妙な宗教的申し出は始めてだった。
地蔵岳から上って来た人に話を聞くと
賽の河原はなかなか足が進まず
体力を消耗したとのこと。それでも、
青木鉱泉を明るくなったらすぐに登り始め
中道の私とほぼ同じ時間をかけて、
観音ヶ岳まで来たのですから
驚異的なペースです。
私と同じく、初めての南アルプスだそうですが
来年は、北岳を日帰りで登るのだとか。
ほぼ地元の長野県の方でした。
北岳の写真は何枚も取りましたが
ここからの写真が一番クリアでした。

右肩に北岳肩の小屋が見えます。
山頂部を拡大すると
人の姿らしきものも写っています。

随分離れていますが
同じ時間に南アルプスを共有した
山友としておきます。
下りも中道を下りる予定でした。
まだ早いので、地蔵岳から
ドンドコ沢を下ることも考えましたが
最後に、青木鉱泉から中道登山口まで
40分上ることがあまりにも大変そうで
誘惑に負けず、当初の予定通り
ピストンの山旅となりました。
薬師岳に戻ると、無人でした。

ダケカンバに囲まれた薬師岳小屋と
砂払岳はすぐ下にあります。


 この日も快適な温度で、
登り始めは14℃、稜線で24℃
水の消費は少なく、水の補給で薬師岳小屋まで
下りる必要はありません。
ただし、夏場の暑いときは水場が小屋だけです。
下るときには特に注意してください。
富士山に向かって下りて行きます。

ダケカンバの先のカラマツの森へ。
この日の歩数
31008歩
上り:中道登山口<3;00>御坐石<1:20>薬師岳<0:40>観音ヶ岳
下り:観音ヶ岳<0:30>薬師岳<0:40>御座石<1;40>中道登山口
合計7:50(上り5:00・下り2:50)
2021年の締めくくりとして
南アルプスの山並の雄大さに
触れることができて
大満足の山旅でした。
帰りのサービスエリアにて
信玄餅ソフト

これは少し甘すぎかも?
end

御座石⇒薬師岳☆鳳凰山10月上旬@日本百名山№56

2022-01-16 | 56鳳凰山(秋)
深田久弥さんの
日本百名山より
こんな伝説を読んだことがある。
(中略)
法王及びその従者は奈良田滞在中に芦安から北の山に登られた。
即ち現在の鳳凰山であって、それは法王山から来たものである。
そして今も残っている北御室、南御室、御座石などの名は、
その当時の名残りだと伝えられている。
法王とは奈良時代の孝謙天皇のことで
史上6人目の女性天皇です。
天皇がお座りになるには
あまりにも大きい石だなぁと思いつつも

この石の上なら
素晴らしい風景が見えるのかもしれません。
御座石で小休止して

更に上り始めると、傾斜が増して
背後に富士山が現れました。

前方も緑の中に
黄色い紅葉が山を彩ります。

赤い紅葉は少ないけれど
これはナナカマド。

北アルプスで見慣れたダケカンバが増えて

秋の山らしくなってきました。

白い砂と

大きな岩が目立つと

薬師岳の山頂はあと少しです。

この辺りで帰りに

人生初めて、生の
オコジョ見ました😍 
あまりに素早くて
カメラを手にしたときは既に
ハイマツの下に逃げられてしまい

しばらく待ちましたが
その後は出て来ず
写真はありません。残念
雷鳥や白いカタクリは複数回の
目撃をしましたので、
それよりはるかに希少価値のある経験であり
一度も遭遇しない方もいらっしゃいますでしょう。

大きな石と白い砂が広がる
薬師岳山頂です。

御座石から1:30は標準タイム通りで
登山口から4:30かかりました。
広河原のある白鳳渓谷を挟み
向こうには大迫力の白峰三山

こちら側の鳳凰山の稜線は最高峰
観音ヶ岳に延びています。

薬師岳山頂には
10人くらいの登山者が
思い思いにくつろいでいました。
つづく

中道登山口⇒御座石☆鳳凰山10月上旬@日本百名山№56

2022-01-14 | 56鳳凰山(秋)
1年に1度は
日本アルプスの空気を吸いたい山好きとして
今年は新型コロナでどうしようと悩んでいたところ
ワクチンが効いてきたのか
新規感染者が急激に減少傾向となり
出かけることにしました。
南アルプスには足を踏み入れたことがなくて
思い切って、南アルプスのなかでも
アクセスのよい鳳凰山を日帰りで登ります。

青木鉱泉からドンドコ沢経由の1泊2日の
周遊コース(青色)が基本ですが、累積標高差1859m
標準タイムで上り7:40、下り4:50は
普通の人には日帰りが不可能です。
それで
中道コース(赤色)を往復で、累積標高差1589m
標準タイム上り5:50、下り4:10に挑戦します。
すなわち、地蔵岳をあきらめました。
深田久弥さんの
日本百名山より
その時私たちは韮崎でガイドを雇って、青木湯からドンドコ沢を登った。
手を使って攀(よ)じ上るようなこの急坂は、
山に初見参の今君(今日出海)には少し残酷すぎるようであった。
「初っぱなからひでえ所へ連れて行きやがった」と彼はその後よく述懐したものである。
ドンドコ沢とはどんな意味か知らないが、何となくこの急峻な沢の感じが出ている。
その夜は北御室小屋で明かし、翌日地蔵仏の下まで行ったが、巨岩へは登らなかった。
小林君(小林秀雄)はそれが山の病みつきとなって、
その後屡々(しばしば)私と山行を共にするようになった。
小林秀雄さんは、高校の国語の教科書で読んだ
「無常という事」しか知りませんが、
勝手にインドア派と決めつけていました。
意外な発見でした。
韮崎の街は初めて訪れます。
サッカーの中田英寿さんの出身高校があること
くらいしか知りませんでした。
食べログで調べると、もつ煮とうどんが上位にあり
個人的に、お店を探して時間を合わせて食べに行くほど
の好物ではないので、
全国チェーンの牛丼屋に入りました。

店の大きなガラス窓から、すぐそこに
黒々とした山並みが見えたので
お店の人に聞くと、わからないとのこと。
たぶん、右側の三山が鳳凰山だと思います。
駐車場からは北に、八ヶ岳が見えました。

韮崎からは八ヶ岳がほぼ縦位置に
かたまって堂々としています。
翌朝5:20、
中道登山口を日の出前に出発します。

暗かったので写真は帰りのものです。
薬師岳山頂まで4:30とあり
ガイドブックより短い時間に…
喜んでいいのか?

登山道は沢路でも尾根道でもなく
カラマツの林の中を、
真っすぐだったり、九十九折だったり

ゆっくりと高度を上げていきます。

登山口から1:40ほどで、右前方に
日差しを受けた地蔵岳のオベリスクが
林の隙間からのぞきます。

同じく右にある
御座石温泉からの尾根道に高さで近づきつつあり

あれは燕頭山2105mの辺りでしょうか?
案内板はすべて距離ではなく、
時間で表示されており

長丁場ですので抑え気味のペースで来ましたが
私にはちょうどいい・わかりやすいものでした。
少しずつ、登山道に石が多くなり

そして大きくなっていきます。

樹木の高さが低くなり

黄色い広葉樹も見られるようになると

登山口から3時間で大きな石が現れました。
御座石です。


ひたすらカラマツ林を登るので
同じような写真ばかりですが
歩きやすい道で距離と高さを稼ぐのは
帰り道が楽そうで安心です。
つづく