山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

鷲ヶ峰と夕焼け@霧ケ峰☆日本百名山№35

2015-09-14 | 35霧ケ峰(夏)
霧ケ峰を1周した後
NHKの山番組で紹介された
鷲ヶ峰から車山に縦走するコースで見る
霧ケ峰を見下ろす展望スポットに向かいます。
八島湿原の駐車場から25分で
一番近い展望台に着きました。
その先の鷲ヶ峰の雄姿

鷲ヶ峰の山頂

そして
鷲ヶ峰からの
雲の模様を写しとる霧ケ峰

登っている途中で
諏訪湖もちょっとだけ見えました。
深田久弥さんの
日本百名山より
暑中休暇も終わり、登ってくる人も少なくなって、
高原には、賑やかだった盛宴の後のような哀傷があった。
あんなに旺んだったシシウドも醜く枯れて、
そのあとへ薄紫の可憐な松虫草が一面に咲き乱れた。
九月の初めずっと雨が続いて、ようやく晴れ上がった日、
原へ出てみておどろいた。一帯の緑は狐色に変わっていた。
高原はもう薄(すすき)の秋であった。
<霧ケ峰の8月の花>
赤・青・紫色
カワラナデシコ・ワレモコウ・トリカブト・ハクサンフウロ・
ホタルブクロ・ネジバナ・ヤナギラン・シモツケソウ・ウツボグサ・
マルバハギ・ヤマトラノオ
シオガマギク
ゴマノハグサ科の多年草
北海道から九州地方の山地の草地に生える

マツムシソウ
マツムシソウ科の越年草
北海道から九州地方の山地の草原に生える

コオニユリ
ユリ科の多年草
北海道から九州・朝鮮・中国に分布する

黄色・緑色:
アキノキリンソウ・ハバヤマボクチ
ハナイカリ
リンドウ科の越年草
アジア・ヨーロッパの温帯に広く分布する
山地の裸地や砂礫地に生える

白色
イブキボウフウ・ヤマハハコ・イワショウブ
*
ウスユキソウ
キク科の多年草

たくさん種類があり
今回は情報不足により一般名とします。
ヨツバヒヨドリ+アサギマダラ

アサギマダラを見るときはいつもこの2ショットです。
ウメバチソウ
ユキノシタ科の多年草
東アジアに広く分布する

まぶしいくらいの白い花が
登山道のすぐ脇にたくさん咲いていました。
この日の夕方
時間とともに観光客も少なくなって
静かになった
車山の肩で風景を眺めていると
車山の向こうに
蓼科山の山頂が初めて
薄っすらと姿を現しました。

これなら
夕焼けがきれいに見えるかもしれないと
ビーナスラインの
車道の脇にある駐車スペースに車を止めると
八ヶ岳の山腹がオレンジ色に染まってきました。

残念ながら
この後は雲が出てきて
日没まで見ることはできませんでしたが
翌日の天気への期待が高まりました。
end

物見岩から八島ケ原湿原に戻るまで@霧ケ峰☆日本百名山№35

2015-09-11 | 35霧ケ峰(夏)
深田久弥さんの
日本百名山より
実際この広い地域には何でもあった。森林が見たければ、
蝶々御山と物見山の鞍部の細道を辿って東側へ下れば、
そこは樹木で覆われていた。沢が欲しければ東俣へ入ればいい。
そこには清冽な流れが薄暗い谷底を流れていた。
有名な諏訪の大祭の御神木は、この東俣御料地から
伐り出されたのだそうである。
物見岩から
7月中旬には青空の下で
ニッコウキスゲで黄色く染まる
蝶々御山に向かう道も
今はアキノキリンソウが咲き
秋の気配がしています。


風景を見渡しながら進む登山道は
惜しまれるほど短く
蝶々御山に着いてしまいました。

車山の気象観測ドームが少し大きくなり
休む人たちには余裕が見えます。

この先、車山山頂までは
手に取るほどの距離ですが

最後の斜面は
スキー上級者専用の
急坂に違いありません。

スキー場のリフトを横目に
段差のある階段を一歩ずつ踏みしめ
休みを兼ねて振り返れば

足元の車山スキー場の向こうに
雲に隠れた蓼科山が
雄大な裾野を広げていました。
そのふもとには
高原のリゾートらしい白樺湖が
アクセントになっています。

車山山頂は老若男女の観光客で
混雑していました。

晴れていれば
360度のパノラマで
八ヶ岳や日本アルプスが
見えるはずですが
青空の面積が大きくなってきたものの
この日は展望が望めません。

出発点の八島湿原でさえ
霧に霞んでいました。

車山肩に下りる道は
石がゴロゴロで歩きにくいのですが
眺めは最高です。

ワイドに楽しめる
ビーナスラインの風景は
絵になりました。
この車山肩からの下り道は
沢に沿っていて草も背が高く
風景は望めません。
周遊ルートとして逆周りで
ここを最後の上りにすると
登山道は傾斜もあるので
つらい終わり方になってしまうでしょう。
すれ違う人をねぎらいながら
淡々と下りました。
沢渡の橋を過ぎると
幅が広く平坦な歩道となり
しばらくして
御射山遺跡を左に通り過ごすと
二股の道を左に折れ
八島湿原の木道になります。
(この写真は鷲ヶ峰の方から撮りました)

この写真では
奥からひらがなの「く」の形に
右下に進みます。
途中で看板があり

あと130歩の余力がなくて
寄り道を断念しました。
見渡せば
咲いている花が増えますが
秋の気配を感じる木道です。

程なく
八島湿原の出発点に戻りました。
時間にして4時間ほどですが
この日の歩数は
27,376歩もありました。
この後の
鷲ヶ峰方面のおまけを含めて。
鷲ヶ峰と夕焼けに
つづく

八島ケ原湿原から物見岩まで@霧ケ峰☆日本百名山№35

2015-09-09 | 35霧ケ峰(夏)
深田久弥さんの日本百名山では
霧ケ峰を遊ぶ山と表現しています。
以下日本百名山より
当然それは
豊かな地の起伏と広な展望を持った高原状の山であらねばならない
霧ケ峰はその代表的なものの一つである。
(中略)
八島平と呼ばれる大きな湿地は、以前は沼だったのが
次第に蘚苔類の成長によって湿地に変わってきたそうで、
その沼の名残りが八島池・鎌ケ池となって一隅に残っていた。
ひっそりと静かで、しかも明るい沼であった。
私の購入したガイドブックには
車山の肩の小屋から
左回りに一周する
周遊コースが載っていました。
初めて訪れる山ですから
基本どおりに一番低い場所から
上り始めることにしました。
八島湿原と呼ばれるそこは
観光地として人気があるので
狭い駐車場は順番待ちで
交通整理されていました。

この日は天気予報どおり
曇っていましたので
車で上るほど
ガスが広がっています。
霧ケ峰は1周しても4時間ほどなので
家を遅く出発したのですが
車の出入りも多く
あまり待たされずに駐車できました。

道路の下のトンネルを貫けると
すぐ
湿原の入り口になっています。

方向指示や花の名前の表示板が整備され
準備なしで来ても楽しめそうです。
少しだけ迷いましたが
正面の丘を登っていく
右回り(時計回り)のコースにしました。

車山の山頂を眺めながら
丘を登っていくことが
新鮮な気持ちを刺激してくれると
思ったからです。
たくさんの種類の花が咲いていました。
紅が鮮やかな
ヤナギラン(8月下旬)
初めて見たのが、この満開の時期でよかった。

群生していましたが
近寄れなかったので
これはと思うような写真がありません。

時期によるのか、場所によるのか
薄いピンク色の花もあるようです。

車山を右に見ながら進む木道は
どう見ても反対周りの人と多く
すれ違います。
やはり左回りが本命なのでしょう。

鎌ケ池が見えてくるとすぐ
キャンプ場の建物があります。

ここで八島湿原を1周する観光コースと
分かれます。
案内表示はあるのですが
迷っている人も見かけました。
物見岩に向かう道は
林の中を上っていきます。


気持ちのよい草原に出ると
物見岩の向こうに
車山の気象観測ドームが見えました。
振り返ると中央に八島湿原が
その右奥は鷲ヶ峰。

曇っていたので
写真は暗く写っていますが、
緩やかな起伏のある高原は
進むほど風景が変わり
すれ違う人たちも明るく
高山とは違う楽しみがありました。

物見岩

つづく