山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

300mの急登と山頂のにぎわい@高妻山☆日本百名山№33

2014-10-21 | 33高妻山(秋)
深田久弥さんの
日本百名山より
立ち連なった戸隠表山の端に、一きわ高く峰頭をもたげている高妻山、
その脇にかしずくようにつつましく控えている乙妻山。
あまりその名が知られていないのは、平野からすぐ眼につく山ではなく
ごくそばに近づくか、遠く離れなければ容易にその姿を見せないからである。
古くから私の好きな山であった。
(中略)
五地蔵からの二つのコブを超えて、高妻山への長い登りは急峻で、
実に辛かった。ようやく頂上に達して私の喜びは無上であったが、
もう乙妻山まで足を伸ばす元気がなかった。
高妻山のクライマックスは
九勢至から丸見えの
八丁だるみからの300mの急坂です。
 
写真の中央を > の形に登って行きます。
*
写真を上下の2つに分けて
登山道を拡大します。
 
登山者が大勢確認できます。
急坂の道中は所々で渋滞します。
どこか他の山で見たような
メガネの山女子を追い越しましたが
次の急坂の後に少し休んでいると
何度も追いつかれました。

私がよほど疲れた様子に見えたらしく
下りる人が親切にも
この後の最後の登りはもっと大変ですよと
満面の笑みで通り過ぎて行きました。

そんな些細なことを楽しんでいる内に
傾斜が急に緩やかになると

十阿弥陀と山頂が現れます。

山頂到着は11:30
戸隠牧場から4時間かかりました。
巨石が積み重なる山頂はいかめしく
単独峰らしい
さえぎるもののないすばらしい展望も
疲労感を満足感に変える薬になりました。
眼下の戸隠連山

山頂は大賑わいでした。
山頂のすぐ手前に
少し斜めになった
直径3mくらいの平らな岩があったので
昼食をとり、少し横になりました。
後立山連峰がうっすらと見えます。

すぐ隣に、高崎からの男性が休まれて
ゆっくり登ったので6時間かかったとのこと。
今までに登った百名山の話にも花が咲きました。
この山はとてもしんどいので
日本百名山でなければ
ほとんどの人は登らないだろうと話すと
横を通り過ぎる人もにっこり。
遠くでは女性の声で、
いままで登った山で一番大変だったと。
隣の方は、この山は大変だと聞いて
初めて筋肉痛に効くスプレーを持ってきたと
勧められて、使わせてもらいました。

下山はスプレーが効いたのか
六弥勒までのアップダウンに耐え1:30
短縮道で急坂の弥勒新道を1:30
合計3時間で下りました。

紅葉もあり

下山後の戸隠牧場の様子

弥勒新道は
木の根で滑るとの情報どおりでしたが
下る一方なので
転倒しないよう慎重に歩いても
時間短縮になりました。
単純な高低差は1160mですが
累積高低差は1500mはあります。
その数字以上に
疲れる仕掛けがたくさんある山です。
この日の歩数
29,125歩
小蓮華山に次ぐしんどい日帰り登山で
強い印象が残りました。
この山を選んだ深田久弥さんは
随分うらまれているかもしれません。
日帰りできるご近所の山で残るのは
もっとしんどい平ヶ岳のみとなりました。
最後は恒例のソフトクリームで締めます。

濃厚なミルク味でおいしかったのに
真っ白なはずが、
照明の加減で
緑色になってしまいました。
end

修行の尾根道を九勢至まで@高妻山☆日本百名山№33

2014-10-19 | 33高妻山(秋)
高妻山の五地蔵から先の
少し脇に入る道を行けば
五地蔵山1998mがあります。
広場もあり展望もよいらしいのですが
休んだばかりなので通過しました。
仏があるのは距離に関係なく
ピークごとにあるので
六弥勒はすぐに着きました。

こういうこともペースがつかめず
疲れが増す原因になった
かも知れません。
帰りは六弥勒から
弥勒新道と呼ばれる短縮道を
下りるつもりです。

標識もわかりやすく
間違えることはなさそうです。
五地蔵から登山道は
直角に曲がっているので
この辺りからは
妙高山・火打山・焼山がよく見えます。

七薬師もすぐそこです。

この後
気のせいか
アップダウンがきつくなり
若い人には何人か追い越されました。


しかし
だんだん先行者が見えるようになって
この山はしんどいのに
日本百名山の人気で
頑張る中高年の登山者が多いようです。
八観音は見落としました。

これは帰りに撮った写真です。
この辺りからは
紅葉の向こうに薄くなった霧を従え
黒姫山がどっしりと
構えているのがいい感じでした。


九勢至の石祠が見えると
堂々とした高妻山の高さが強調されて
圧倒されます。

10:30到着で
五地蔵から50分かかりました。
ここまで仏様4つで50分のペースでした。
アップダウンで脚は悲鳴を上げています。
この先はクライマックス。
残り1つに1時間かかりました。
つづく

修行の尾根道を五地蔵まで@高妻山☆日本百名山№33

2014-10-18 | 33高妻山(秋)
高妻山と戸隠山の分岐点である
一不動避難小屋には
6名くらいの方が休んでいました。
先日見たテレビでは
一不動にも登山道から離れて
古い石仏があるらしいのですが
長丁場のため、探す余裕はありません。
荷物は降ろさず
何枚か写真を撮って先に進みます。
百名山の話をしながら
滑滝から一緒に登った千葉の男性とは
ここでお別れです。
五地蔵山への道は
天に向かうように上って行きます。

青空と緑の草の境界線に
葉が落ちたダケカンバの白い幹が
秋の終わりを告げていました。
仏が祭られる場所といえば
登山道のピークだろうと
探しながら進むと
その通りにありました。
二釈迦の石祠

一不動は沢を登った鞍部です。
ここはピークですから
眺めははるかに良くなり
登ってきた大洞沢の紅葉の向こうは
戸隠牧場

いくつものピークが見える
この先の登山道。

ここからでは
鞍部の低さはわかりません。
上り始めてから
高妻山が初めて見えました。

この角度の
左右対称にスックとそびえる山頂が
一番美しかった気がします。
先に進むと
大洞沢の紅葉がさらにきれいに見え
登山道の先のピークも
その険しさが鮮明になってきます。

風景に見とれている間に
三文殊を見逃してしまい
その次の四普賢は
錆びた標識だけになっていました。

少しだけザックを下ろして休憩し
一不動からの登山道を振り返れば
随分上ってきました。

その鞍部の向こうの戸隠山への登山道も
険しそうな稜線です。
登る人も少ないという
修験の道らしい細い道の
静かな時間でした。
一不動からは細い道が続き
2ヶ所目の少し広い休める場所
五地蔵に到着したのは9:40。

四普賢で少し休憩したので
一不動から50分のほぼ標準タイムでした。
ノコギリ歯の尾根道は
まだ
つづく

十三仏の山を振出しの一不動まで@高妻山☆日本百名山№33

2014-10-16 | 33高妻山(秋)
日帰りで登れる日本百名山も
距離が遠いか歩きがハードな山
ばかりが残りました。
今回は戸隠連山最高峰の
高妻山です。
標高2353m
県境のため越後百山でもあります。
以前に妙高山から見た
雲海に浮かぶこの山が
高妻山だと思っています。

間違えていたらごめんなさい。
深田久弥さんの
日本百名山より
高妻は2353m、乙妻は2315m。戸隠・飯縄・黒姫連山での
最高峰であるのみならず、山の品格からいっても一番立派で
あるに拘わらず、登る人が少ない。
昔はこの高妻・乙妻も戸隠の御裏山と称して、修験者が登拝した。
一不動をお裏巡りの振出しとして、
二釈迦、三文殊、四普賢を経て五地蔵岳(1955m)に達した。
五地蔵から先は、六弥勒、七薬師、八観音、九勢至を通って、
高妻山の頂上には阿弥陀如来がまつってあったそうである。
登山口は戸隠牧場です。
朝7時に
登山用の無料駐車場は満車でしたので
車を停める場所を探して
少し時間をロスしてしまいました。
 
山小屋がないので
登山者の皆さんは早起きでした。
地図は当時ネットで調べ
登山の参考にさせてもらったものです。
記事再構成時に追加しました。

7時半に戸隠牧場を出発。
朝もやの中にも青空が見え
天気の心配はなさそうです。

正面はこれから歩く
一不動からの尾根道だと思われます。

牛が通れないゲートを
二つ抜けると

登山道は沢に沿って進みます。

沢の道は最初はゆったりで
最後は急登と決まっています。
皇海山の不動沢と同じで
時々、渡渉もあります。
ここはトチノキが多いと
ガイドブックに書いてありましたが
判別する知識はありません。
戸隠牧場から50分ほどで
テレビやWEBの写真で見たことのある
滑滝が現れました。

右の鎖を使って登ります。
岩を削ってあり
足を置く場所があるので
さほど難しくはありません。
下る方が鎖を使っても
大変そうに見えます。

滑滝から5分で次のポイント
高さ30mの一枚岩である帯岩を
横断します。

写真の左上に一段上がってから
鎖に沿って進みます。
鎖は一部途切れていますので
そこはゆっくりと進みます。
目の前の滝は不動滝でしょう。

滝の脇の岩を両手も使って上り
少し進むと氷清水があります。

うっかり通り過ぎるところでした。
この日はハードな行程のため
水をぎりぎりしか持っていません。
望遠レンズも留守番にしました。
水場のすぐ脇に
小さな花がたくさん咲いていました。

春の花ズダヤクシュに似ていますが
名前は調査中です。
沢の上の道の斜度は
思ったほどではなく
8:50に一不動避難小屋に到着です。
<小屋の画像消失>

戸隠牧場から80分
今日は先が長いので
少しペースが速かったかもしれません。
避難小屋には6名ほどの方が
一息ついていました。
牧場の向こうはまだ霧の中でした。

ノコギリ歯状の尾根道に
つづく