揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>
晴天のつづく新潟の4月
高い山の雪は深く
まだ遠出はできません。
弥彦山の花も3年間で
多くの種類を確認できましたので
新発見は少なくなりましたが
写真力が上がって
美しく撮れたものも紹介します。
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昨年4月に撮った写真で
花の名前がわかったものが
ひとつあります。
*
サルトリイバラ
ユリ科のつる状低木
東アジアの暖温帯に分布する
みずみずしい透き通った緑に
水滴がついて
すがすがしい春を感じました。
フデリンドウを眺めていたら
若葉の下に
偶然見つけたものです。
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ナツトウダイ
トウダイグサ科の多年草
茎に輪生する5枚の葉の上に
分かれた茎の先に
1つずつ花をつけ
その花が
昔の灯りである灯台に似ている
5本の茎の真ん中に
黄色い花のようなものがありましたが
何なのか・・・調査中
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白いスミレ
ツボスミレのような紫色の模様がなく
正面から見ると真っ白でした。
横から見ると
少し紫色が入っています
名前は調査中
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ミヤマハコベ
近寄って写真が撮れたので
植物図鑑の写真を
差し替えたいと思います。
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イチリンソウ
白い花ですが
花が開く前の薄紅色が
きれいでした。
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シュンラン
雪が少なかったからか
今年はまっすぐに
育っていました。
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ギフチョウ
何回もお食事中の
邪魔をしてしまいました。
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里山で見ることができる花
*
人と植物の共生の証として
珍しい花ではなくても
種類や数がたくさんあると
うれしくなります。
end
弥彦山では
まだ見ていない
『雪国植物園の花☆三百選』に
載っている花を求めて
菩提寺山に来ました。
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小川の脇で
ネコノメソウに混じって咲く
コシノチャルメルソウ
ユキノシタ科の多年草
新潟県が分布の中心で
富山県・山形県にも分布し
林内の湿地に生える
果実が淡い桃色でラッパ状に開き
チャルメラの形に似ている
赤いひげのようなものが花です
一番下の花はもう
チャルメラの形になっています
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この旅の目的の花
アズマシロガネソウ
キンポウゲ科の多年草
秋田県から福井県の日本海側に分布する
花の高さは10cmくらいですが
斜面のちょうど目の高さに
生えているものが
薄日が差してきれいでした。
暗い道の脇に
群生して咲いているところもあり
妖精が集まって
見上げているようで
幻想的な雰囲気でした。
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ユリワサビ
アブラナ科の多年草
北海道から九州に分布し
湿った林内の斜面や沢に生える
根はわさびのように大きくならないが
食用となり辛味がある
弥彦山で見た
同じアブラナ科の
オオバタネツケバナに似た花ですが
葉の形はわさびに似ています。
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弥彦山から
そんなに離れていないのですが
たくさん咲いている季節の花を
見るという楽しみが
増えました。
*
お土産に
石油の里の物産館で
アクリルでできたカタクリの花を
買いました。花は
本物のカタクリと同じ くらいの 大きさです。
教室に飾ることにします。
end
菩提寺山の下りで使ったコースの
ハイライトは
白玉の滝でした。
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滝の上=水が落ちる地点から
舗装道路を少し下ると
左に駐車場があり
その駐車場から
滝に向かう道があります。
すぐに見えるのは雌滝
その奥に雄滝があるそうです。
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雌滝は水量が少ないためか
音もなく穏やかに流れる水が
苔むした岩と
滝の左側の手すりのついた階段で
奥に進むと程なく
水音が大きくなり
雄滝が現れます。
*
滝つぼに飛び散る水は
水量が少ないので
迫力がありませんが
千住博さんの絵画をまねた
構図にしてみました。
*
滝口を見上げると
水がまとまって流れているため
滝らしく撮れました。
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白玉の滝は
滝口の高さまで登って
視点を変えて見ることができ
滝の景観を
存分に楽しむことができます。
*
滝口を横から見て
*
見下ろす滝つぼ
この日は
人が少なく
ゆっくり写真を撮りながら
堪能することができました。
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石油の里に戻るルートで
最後の見所は
イーリスガルテンという
湿原植物園です。
*
英語ならアイリスガーデン
日本語ならあやめ園ですが
まだ早い春なので
水芭蕉が元気に
大きくなっていました。
ザゼンソウも仲間に加わって
早春の湿原の雰囲気を楽しめます。
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この後少し遠回りして
山道に入って
石油の里に戻りました。
*
里山でしたが
2つも登ったので
この日の歩数は2万歩を超え
疲労困憊でした。
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最終回
初めて見た山野草に
つづく
登山道がたくさんある山では
山頂からの下り口の表示が
わかりにくいことが多いと思います。
上りと下りで別の道を使うと
たまに迷ってしまいます。
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菩提寺山の下りで
へそ清水に向かいます。
標識は見つかりませんでしたが
地図によれば
来た道から右に向かうようなので
小屋の右の道を下ります。
たまたま
前を歩く人がいたので
その後ろに
続いて行くことにしました。
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下り始めてすぐに
お地蔵さんのT字路になり
標識の木柱がありました。
ここからは
分岐点では必ず標識があったので
迷うことはありませんでした。
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お地蔵さんの仏路峠から
20分くらい
幅の広い登山道を下ると
見守り地蔵で再びT字路になり
ここから砂利の林道です。
たまたま
車も1台通り過ぎました。
満開の桜の脇には
山野草を栽培しているような畑と
山小屋らしき建物があり
番犬がいました。
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標識のとおり
再び林道から脇の山道に入ると
へそ清水があります。
乾燥した尾根道や林道から
小川の流れる沢の道に入ると
ほっと一息つきたくなります。
*
地面はネコノメソウが敷き詰められ
ようやく
花の咲いた山野草との
出会いの期待が高まります。
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切通しになった道を通り過ぎると
小川は水量を増し
花探しに夢中で
気がつきませんでしたが
いつのまにか
道は舗装道路になっていました。
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次の見所である
白玉の滝の看板がありましたが
滝がよく見えるような
撮影スポットになる場所や
下に降りる道は
近くにありません。
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つづく
菩提寺山の登山口は
いくつもあるのですが
そのひとつのある
石油の里付近の空気の中に
なんとなく
鉄と油を感じるのは
気のせいでしょうか。
約20年前まで
石油を掘っていたそうです。
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新津の石油の里にある
観光物産館に
今まで見たことのない大きさの
地図がありました。
大きい割りに情報が少ないので
写真に撮ると
字がまばらで
とても小さくなってしまいました。
道は正確にトレースされていると
思います。
*
地図の右下に
反時計回りで歩いたときの
所要時間が書いてあり
素直に
その通りに歩くことにしました。
上りは迷わないように
分岐が少なく単純な道を
選びます。
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石油の里ですから
登山口では
遺跡のような鉄の残骸が
映画のセットのように
眺められます。
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何に使ったものか?
犬のようにも見える装置が
仲良く2つ並んでいます。
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石油井戸の装置も
突然時が止まってしまったように
使った状態のまま
錆び付いていました。
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石油の遺跡を通り過ぎると
普通の里山の尾根道になります。
植物は進むにつれ変化し
林の樹木越しに
まわりの山々が控えめに見えます。
35分くらいで
展望台に到着です。
西側に日本海が見えるはず・・・
カメラの決めた明るさでは
風景が真っ白になってしまいました。
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展望台を過ぎると
尾根道は斜度を増し
小さなアップダウンが続くので
心地よい疲労感のはずが
この日は
護摩堂山で
強いウォーミングアップをしたので
オーバーワーク気味です。
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看板の時間通り
1時間で山頂に到着しました。
お世話になったブログにあった
山小屋は在室中のようで
楽しそうな話し声が聞こえました。
ただ
山頂は人影も少なく静かです。
雪のある冬の方が
にぎやかだそうです。
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東側の展望が見事です。
山の形や雪のようすが
わかりやすいように
少しコントラストを上げました。
<五頭山>
会津に向かう谷の
左に五頭山と右に菅名岳
手前には五泉市街が
ゆったりと広がります。
これが
ふもとの家の形が見える身近な山
里山の魅力だと思います。
<飯豊連峰>
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つづく
雪割草やカタクリのピークが過ぎると
弥彦山の春は
落ち着きを取り戻します。
*
スミレの花が盛りですが
どこにでも咲いていて
カタクリほどに山肌を染めることもなく
花の形や色が珍しくないから
足を止める登山者は
ほとんどいません。
*
小さい花ですが
太陽の光が当たれば
こんなに輝いて見えます。
岩肌や草の影でも咲く
生命力のある花のようです。
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弥彦山にも
白っぽいカタクリがありました。
やはり葉の色は独特の
絵の具の緑色でした。
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久しぶりに
4月の花に登録したいものが
見つかりました。
*
アラゲヒョウタンボク
スイカズラ科の落葉低木
花は2つ仲良く咲いていて
赤い実がなると
小さいひょうたんのように見えるので
この別名がある。
6合目の橋の脇に
花の色が地味なので
ひっそりと咲いているように
見えました。
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ヒメカンスゲ
カヤツリグサ科の多年草
どこにでもあって
写真になりにくい植物です。
黄色がきれいに撮れたので
図鑑に載せることにします。
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オクチョウジザクラ
バラ科の落葉低木
チョウジザクラが
日本海の積雪地に適応したもの。
背丈が低く
枝や幹がよくしなる。
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弥彦山で
次はどんな花が
楽しませてくれるのか
見知らぬ花の発見は
ささやかな喜びに変わります。
end
角田山のカタクリは
階段の段差でさえ咲き競い
大群落は
日当たりの違いなどにより
それぞれの場所で時間差で
登山客を魅了しています。
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宿題のカタクリを探して
紫色のじゅうたんを見回していると
ありました。
遠くて見逃してしまいそうですが
登山道から5m以上離れたところに
2輪。
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花用のカメラで
望遠でも小さくて
とても見れる写真にはならない
と思ったのですが
このカメラの望遠マクロは
時々恐るべき性能を発揮してくれます。
*
こちら向きの1輪
少し紫色がついています。
真っ白ではありませんでした。
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後ろ向きの1輪
残念ながら後ろ向きですが
花は白く
茎は薄緑
葉は緑
絵の具で描いたような
カタクリでした。
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この日は
何本のカタクリを見たのでしょうか
どこかで
1万本に1本だと聞きましたから
2万本以上見たかもしれません。
結局
この2本だけが
去年の宿題の答えでした。
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帰り道の灯台コースからは
海が広がります。
*
この海岸の岩は
子供のころ夏休みに家族で遊んだ
遠い記憶が残っています。
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宿題が終わり
この日はとても暑かったので
ご褒美をいただきました。
*
ジェラッテリア・レガーロ
岩室温泉の近く
田んぼの真ん中にある
アイスクリーム屋さんです。
たくさんの車が止まっていて
人気のお店のようです。
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自販機で
カップのダブル
350円を購入し
ジェラートのディスプレーで
前の人たちの頼む品物を聞きながら
選択しました。
*
イチゴミルフィーユと
森の木の実の・・・・・・
ミルクが1番人気と
書いてありましたが
思い切って外してみました。
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道路わきのテラス席で
いただきます。
正面に角田山を望む
最高の席でした。
*
イチゴミルフィーユは
甘く滑らかで
牛乳の風味が残っています。
森の木の実の・・・は
ナッツのインパクトのある
好きな味でした。
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のんびり食べている間も
車が次々入ってきます。
女性と子供のお客さんが
ほとんどでした。
end
昨年の春は
宮前コースを入れて
角田山の8コースをすべて歩き
知る人ぞ知る花の名山を
堪能しました。
その中で
心残りとなった
昨年の宿題を終えるために
今年も
再び出かけることにしました。
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昨年と週単位の違いしかないのに
花のようすがまったく違うことに
驚きながら
ショートカットで
気に入った場所を巡ってみました。
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出発は
日本海の海水をなめる様な
灯台コースを選択します。
まずは灯台から
佐渡に一番近い角田浜で
青い海の向こうに白いドンデン山が見えれば
それだけでも
来た甲斐があったというものです。
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急な階段を登ると小さな展望台。
お約束の角田浜です。
残念ながら
この日も
海や空の色がいまひとつでした。
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この先の稜線はうねっています。
ピークを超えるたびに
違う風景が飛び込んできます。
左に黒い大きな岩が二つ見えます。
行ったことはないけど
テレビで見た
光岳の白い岩を連想します。
*
その下には沢が見えます。
もうじき
山全体が生き返りますが
今は
若草が緑色に染める沢が
オアシスのようです。
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登山道の正面には
これから向かう登山道の核心部に
小さく人影が見えました。
高低差はさほどではありませんが
岩が露出して歩きにくく
角田山では特別な場所です。
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渡り廊下のような尾根道の全貌
正面から見ると
上り勾配が小さく感じるので
足元の石に注意して
ゆっくりと進み
まわりの景色を
堪能することができます。
*
特に渡り廊下の中間の少し高いところが
お勧めです。
360度見渡すと
海あり山あり谷ありの
変化に富んだ自然に魅了されます。
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この後
岩盤の坂道を登れば
登山道は林に囲まれ
春はお花畑の角田山です。
*
宿題は終わった
と言っていいかどうか?
もやもやしていますが
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つづく