山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

最後は苦笑い@至仏山 日本百名山№24

2013-07-22 | 24至仏山(夏)
長くなってしまいましたが
もう少しお付き合いください。
小至仏山から少し下ると
ぴたりと風が止みました。
東側の斜面に入ったようです。
ゆっくり写真が撮れます。
待ちかねた
オゼソウ

*

今回はこの花を見に
この時期に来ました。
もっと大きいのかと思っていましたが
このくらいがちょうどいいですね。
近寄ってみたくなる花でした。
イカリソウ

クモイイカリソウ独特の
葉の縁が赤茶色ではありませんが
ほとんどのイカリソウにある
葉の縁のトゲが見当たりません。
つるんと丸い葉でした。
これも希少種でしょうか。
ハクサンコザクラ

この花は緑の草原にあると
色がとても美しい
今頃は
火打山の天狗の庭は最高でしょう。
 
数年前の火打山です。
ちょうど今頃
ハクサンコザクラが一面に咲いていました。
奥の白い点はワタスゲです。
シナノキンバイ

木道が現れ

まだガスっていますが
家族連れがベンチで休んでいて
尾瀬ヶ原がうっすらと見えました。
小湿原もあります。

ガスっているので幻想的で
時が止まったようです。
ベンチがあれば
ゆっくり休みたいところです。
再び下りになりますが
展望が開け
雲が引いて
遠くの山が顔だけを隠して
視界いっぱいに広がります。

尾瀬ヶ原もきれいです。
 
この後
樹林帯に入りますが
遠くの山並みがときどき目に入ります。
関東最高峰の日光白根山は
ついに雲から顔を出してくれました。

草津白根山や平標山で見た花が
ここでもたくさん咲いていました。
ゴゼンタチバナ
ツマトリソウ
マイヅルソウ
ミツバオウレン
カラマツソウ
(写真は省略します)
これだけ花の種類が多い山は
初めてです。
来た甲斐がありました。
距離も高低差もそれほどではないのに
体力を奪われましたが
鳩待峠で待っていたのは
青空でした。

なんで今頃晴れるかね~
靴の泥を落とすのに行列し
花豆ソフトクリームに未練を残し
乗り合いタクシーで
帰路につきました。
晴れた日にまた来いと
言われたような終わり方でした。
本日の歩数
22,442歩
end

ロックガーデンと強風@至仏山 日本百名山№24

2013-07-20 | 24至仏山(夏)
至仏山の山頂が空いていたのは
訳がありました。
鳩待峠から直接登った登山者が
強風のため
小至仏山で引き上げたようです。
一人歩きの山女さんのブログで
知りました。
そんなことは知らぬまま
小至仏山に向かいます。
登りでは気にならなかった
濡れてすべる大きな岩や小さな石に
足をとられながら進みます。


西側の斜面から
真っ直ぐ歩くことが困難なほどの
強風が吹き付け
薄紅色のシャクナゲが咲いていますが
写真が撮れる状況ではないので
通り過ぎます。
深田久弥さんは
この西斜面から初登頂されたそうですが
その足跡を
今日は目でたどることもできません。
岩の多い道は
ルートを間違えやすいのですが
このルートは
登山道がロープではっきり区別され
迷うことはなさそうです。
一瞬、雲が切れて
視界が広がりました。
本来ならこの正面に
武尊山が見えるはずですが
残念ながら
そこまでの時間は与えられませんでした。
 
写真を2枚撮るくらいの間ですから
1分くらいだと思います。

強風は小至仏山まで続きましたが
所々
岩の陰で可憐な花が
精一杯咲いていました。
過酷な環境を乗り越えて
花を咲かせる植物を
岩で風が弱まり
何とかカメラを取り出せるものだけですが
写真にしました。
ホソバツメクサ
ナデシコ科の多年草

キバナノコマノツメ
スミレ科の多年草

ホソバヒナウスユキソウ
キク科の多年草


小至仏山の標柱には
ご夫婦が休まれていました。
この間30分ほど
一人もすれ違いませんでした。

振り返っても
雲の中に至仏山は見えません。
どこまで
この強風とすべる岩が続くのか?
オゼソウが撮れたに
つづく

高天ケ原の高嶺の花@至仏山 日本百名山№24

2013-07-18 | 24至仏山(夏)
登山道の階段の傾斜が緩むと
 
ガスの中に岩と花の世界が広がる
至仏山の高天ケ原です。
雨の中の登りがきつかったのと
山頂が近いという安心感で
ほっと気が緩みます。
ガスっていますが
見渡せば右も左も
高嶺の花が咲いていました。

*

いつの間にか雨も止んでいます。
所々に
大きな岩がアクセントとなり
自然にできた庭園のようです。

高天ケ原の花たち
小さい花専用のカメラが
お休みになりましたので
少し物足りない写真になりました。
登山道の近くの花しか撮れませんので
一番きれいな花という訳にはいきませんが
雰囲気は伝わるでしょうか。
ヨツバシオガマ
ゴマノハグサ科の多年草
 
タカネシオガマ
ゴマノハグサ科の一年草

ホソバコゴメグサ
ゴマノハグサ科の一年草

ジョウシュウアズマギク
キク科の多年草
雨に打たれて
色が変わってしまったようです。

コメツツジ(ツツジ科の落葉低木)
タカネバラ(バラ科の落葉低木)

チングルマ
バラ科の落葉小低木

ムラサキタカネアオヤギソウ
(タカネシュロソウ)
ユリ科の多年草

コバイケイソウ
ユリ科の多年草

シナノキンバイ
キンポウゲ科の多年草

ヒメシャクナゲ
ツツジ科の常緑小低木

写真を撮りながら
ゆっくりと
至仏山山頂に到着です。

登山口から2:30かかりました。
山頂の人影はまばらで
10人前後だったでしょう。
天気がよければ
座る場所を探すのが大変なほど
名山にしては狭い山頂です。
それはよいのですが
ガスって展望はありません。
深田久弥さんの
日本百名山より
美しい尾瀬の第一印象を至仏の頂上で得たことは私の幸福であった。
空は完全に晴れ、秋の陽のサンサンと降る中に私たちは1時間半も
山頂にいて、周囲の山を数えながら倦きることがなかった。
展望はありませんが
深田さんが初めて登った頃の
尾瀬の静かなときを体感しました。
強風の小至仏山に
つづく

雨とすべる蛇紋岩@至仏山 日本百名山№24

2013-07-17 | 24至仏山(夏)
尾瀬の
山ノ鼻から至仏山登山口まで
尾瀬植物研究見本園を歩きます。

振り返ると
燧ケ岳も雲の中でした。

雲の中を歩く覚悟を決めて登ります。
深田久弥さんの
日本百名山より
燧の火山岩に対して至仏は古生層に属しているそうで、
森林限界が低くそのため灌木帯が広くて、豊富な高山植物を
保有している
至仏山は花の百名山でもあります。
山には随分雨が降りましたから
階段の水溜りは想定内です。

雨が降ったりやんだりで
レインウェアを着れば暑いし
脱げば濡れるし
数少ない至仏山登山者の皆さんも
苦労されています。
それでも
登山道に咲く花に励まされ進めば
30分ほどで森林限界を超え、
時折、雲が薄くなって
尾瀬ヶ原が霞んで見えました。

高天原の手前までの登山道の
花たちをまとめて 紹介します。
雨でカメラを出すのが ためらわれ
撮らなかった花もありました。
ダイモンジソウ
ユキノシタ科の多年草

ウラジロヨウラク
ツツジ科の落葉低木

イワシモツケ
バラ科の落葉低木

イワイチョウ
ミツガシワ科の多年草

ミネウスユキソウ
キク科の多年草

シブツアサツキ
ユリ科の多年草

オトギリソウ
オトギリソウ科の多年草

オトギリソウは
葉の色まで確認しませんでしたから
ミヤマオトギリかもしれません。
この写真を撮ったとき
この日一番の強い雨でした。
1時間ほどで
中間地点の標柱に着きました。
尾瀬ケ原はまだ霞んでいますが
だいぶ下に見えます。

こんなに花が見れたのに
花の百名山は
これからのお楽しみ。
その前に
前門の虎のような大雨の蛇紋岩です。

蛇紋岩は
登るのにそんなに困りませんが
降り続く雨は足取りを重くします。
レインウェアを上下使ったのは
久しぶりです。

蛇紋岩の壁を越えた後にある
高天原への階段はガスって
永遠に続くように見えましたが

雨は小降りになり
傾斜も緩くなってきました。
振り返って見ると
 
まだ続きます
ここで
小さな花用のカメラが電池切れです。
雨の中で使ったので
水が入り壊れたかと思いましたが
家に帰って確認したら
ちゃんと動きました。
高嶺の花へ
つづく

梅雨は明けたが至仏山 日本百名山№24

2013-07-15 | 24至仏山(夏)
至仏山2228m
が後回しになったのは
トップシーズンの鳩待峠が
交通規制になるからでもあります。
尾瀬は4回目になりました。
秋以外では初訪問です。
深田久弥さんの
日本百名山より
至仏山とはいい名前である文字もいいし発音もいい
文学的でもある。おそらく至仏は宛字であろう。
昔の人は山には素朴な直接的な名をつけるのが例で
ひとり至仏だけに文学的な名をつけるはずがない。
直線距離は近いのですが
自宅からは
遠回りの道しかありません。
鳩待峠の出発は9:30
 
山の鼻から高天原へのルートは
上り限定のため
反時計回りで周遊します。

山ノ鼻までは50分の下りです。
オフシーズンの秋とは違い
木道に自然に行列ができます。

珍しく川の近くで休憩しました。
雨の多い季節でしたから
水が多いのかと思ったら
いたって普通です。

林の中のためか
花は少なかったのですが
少しだけ紹介します。
ヤグルマソウ
ユキノシタ科の多年草

オオレイジンソウ
キンポウゲ科の多年草

ケナツノタムラソウ
シソ科

*
シャクナゲ
ツツジ科

シャクナゲは山頂付近に
きれいな花がたくさん咲いていました。
山ノ鼻のテントの花
軽装の来訪者でにぎわっています。

夜は静かなのでしょうが。
少しだけ寄り道をして
尾瀬ヶ原に入ります。
ニッコウキスゲの黄色が華やかです。

花を入れるため
手を伸ばして撮りましたので
少し傾いていますが
お許しを
振り返ると
至仏山は雲の中。

覚悟はしてきたんですが・・・
紫色の花はカキツバタ

すごく遠くに群生している
カキツバタもありました。
枯れた茶色の世界専門でしたから
とても新鮮で
雲の中を心配するのを
忘れてしまいました。
所々に色づく花が見えます。
近寄れないので
小さい写真でご容赦を。
トキソウ
ラン科の多年草

サワラン
ラン科の多年草

キンコウカ
ユリ科の多年草

満開にはまだ早いようで
気のはやい個体が少しだけ
黄緑色だよと教えてくれました。
不思議な形の植物があったので
写真を撮っていると

何の花ですがと聞かれ
判りませんと正直に答えると
イカリソウがどうのこうのと
検討会を始めてしまいました。
イカリソウとは形が違いますが?

帰って調べました。
マイサギソウ
ラン科かな?
どの花も形が違っていましたが
2枚目の写真の小判型が根拠です。
希少種だそうですが
違っていたら教えてください。
蛇紋岩の登山道に
つづく