山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

八甲田大岳~毛無岱~酸ヶ湯温泉@八甲田山☆日本百名山№47

2019-10-30 | 47八甲田山(秋)+酸ヶ湯
深田久弥さんの
日本百名山より
大岳に登ったら、
帰りはぜひ反対側の井戸岳を経て毛無岱に下ることをお勧めしたい。
これほど美しい高原は滅多にない。
豪華な絨毯を敷いたようなその原には、可憐な沼が幾つも点在し、
その脇には形のいい匐松が枝を広げている。
周囲には丈の低いアオモリトドマツが風情を添え、
その結構な布置といい、背景の効果といい、
まことに神の工(たくみ)を尽した名園のおもむきがある。

この日の八甲田大岳の山頂は
風は気にならず
雨も降っていませんが
気温6.8℃
寒いので雨具を着ています。

今は山の形すら判りませんが、
晴れていれば
津軽平野の向こうに
太平洋と日本海がつながって
見えたかもしれません。
登った記念の写真を撮ったら
次の目的地に向かいます。
登って来た道の反対側=北
井戸岳に向かって
笹に囲まれた急坂を下ると

すぐに
ログハウス風の
大岳鞍部避難小屋があります。

八甲田大岳の山頂はまだ雲の中です。

長めの小休止の後
再び
笹と背の低いアオモリトドマツに囲まれた道を
酸ヶ湯温泉へ下っていくと
だんだんすれ違う人が増えています。

ここからは
カメラをα6000に切り替えました。
少しですが、青空も見え始め
木道が現れると上毛無岱です。
北は
ロープウェー山頂駅のある田茂萢岳

上毛無岱の真ん中にある
展望所デッキから振り返ると
八甲田山のいくつかの峰が
奥ゆかしく頭を隠して並んでいました。

一番右が大岳です。

また少し樹林帯を進むと
木製の階段となり
不快ではない渋滞が始まりました。
そして
いつかテレビで見た
下毛無岱が見えてきました。

皆さん
何度も写真を撮っています。
もちろん私も。

下毛無岱の展望所デッキまで進み
振り返ると

これもいつかテレビで見た風景です。
たまたま歩いている人が写っていますが
拡大しても誰だかわからないと思います。
申し訳ありませんが、
誰もいないときはないので
ご理解ください。

花の百名山によれば、ここは
夏にはキンコウカの花で
黄色に染まるそうです。
快晴時の午後3~4時がベストだとか。
また来れるとうれしいのですが。
再び樹林帯に入ると
この日初めて
本格的な雨が降ってきました。
八甲田の天気は
目まぐるしく変わります。
30分ほどで
酸ヶ湯温泉と駐車場が見えてきました。

大岳山頂から2:30かかりました。
この日の歩数
12,159歩
いつもと違うところに入れていたので
いままでとの比較はできません。
酸ヶ湯温泉で汗を流してから
再び長いバス旅が始まりました。
今回は
ナナカマドの紅葉には
ほんの数日、遅かったようです。
毛無岱では少し晴れ間もあり、
深田久弥さんの言う
神の工(たくみ)を尽くした名園を
堪能しました。
end

酸ケ湯温泉~八甲田大岳@八甲田山☆日本百名山№47

2019-10-27 | 47八甲田山(秋)+酸ヶ湯
深田久弥さんの
日本百名山より
八甲田という名称が、この山の性質を現わしている。
前岳、田茂范岳、赤倉岳、井戸岳、大岳、小岳、石倉岳、高田大岳の八つの峰と、
その山中の所々に湿地、つまり田が多いので、八甲田と名づけられたと伝えられる。
(中略)
山として高いとはいえないが、
これらの多くの峰々が頭状花序のように集った一つの山として見る時、
やはり名山として推すに足りよう。
酸ヶ湯温泉から八甲田大岳への最短コース
地獄湯の沢を
仙人岱に向かって登ります。

この日の天気予報は曇りです。
雨具なしで登れることがありがたいのですが
今日も見上げる山は雲に隠れています。

緑豊かな林の中を進むと15分で
火山性ガスの影響で
立ち枯れたダケカンバ?に囲まれた
植物の生息できないエリアがあり

心なしか足早に通り過ぎます。

進むほどに
登山道の周囲の樹木も
赤みを帯びた葉が多くなり
右手の硫黄岳の向こうから
太陽が薄日を射すと

緑の山に散りばめられた黄色の葉が
浮かび上がります。
地獄湯の沢を見下ろせば
秋色の森に囲まれて
沢の黒い石が異様に映ります。

一度だけ
しっかりした丸太橋を渡ります。

このあたりの石は乾いているからか
真っ黒ではありません。

*
沢の向こう側

所々に陽があたり
沢の下に建物が見えました。

酸ヶ湯温泉かと思ったら
八甲田ホテルでした。
宿泊料が酸ヶ湯温泉の倍以上する
高級なホテルだそうです。
ツアーじゃあ泊まれないね
の声がありました。
登山道が次第に傾斜を増して
アオモリトドマツの森を抜けると

酸ヶ湯温泉から2時間で
仙人岱に着きました。

湿原の中央に小さな広場があり
八甲田清水が湧き出していました。
夏にはサクラソウ科のヒナザクラが
群生しているそうです。
八甲田山は花の百名山でもあります。
ここまでは、紅葉の季節なのに
すれ違う登山者が少なく
ストレスはありません。
標準時間は1:30ですから
ゆっくりしたペースです。
晴れていれば見えていたかもしれない
高田大岳への道を左折し
八甲田大岳に向かい
ほんの少しの樹林帯を抜けて
森林限界を超えると
石詰めの土砂流出防止柵沿いの急登です。

花の季節には
高山の花が咲いている山肌を想像し
旧噴火口の鏡沼が見えると、

まもなく
八甲田大岳の山頂です。

昨日の岩木山に続き
ガスで何も見えませんでした。

台風が去った後なので
もう少し晴天を期待していたのですが
残念です。
酸ヶ湯温泉から3時間
のんびりしたペースです。
つづく

酸ケ湯温泉@八甲田山☆日本百名山№47

2019-10-23 | 47八甲田山(秋)+酸ヶ湯
深田久弥さんの
日本百名山より
八甲田が美しい風景として広く知られだしたのは、
十和田湖と共に国立公園に指定されてからである。
三十数年前私がそこを訪ねた頃は、
あの広い高原に細々とした道しかなく、殆ど人に出あわなかった。
国立公園以後は車道が開かれ、
春、夏、秋を通じて観光客を満載したバスが幾台となく走るようになった。
八甲田、奥入瀬、十和田を結ぶルートは、一種の流行的観光地となった。
(中略)
一番高いのは大岳である。
その麓にある庶民的温泉酸ヶ湯から女子供でも楽に登ることができる。
雨の岩木山からバス移動で
八甲田山のふもとにある
酸ヶ湯温泉に到着したのは
夕方遅くで
午後7時からの夕食が決まっていて
雨で濡れた登山道具を
乾燥室で広げるので精いっぱいでした。
山旅の夕食は
コンビニなどの弁当クラスと相場は決まっていますので
カメラなど持たずに食堂へ行ってみると
大きなお盆に
きれいに盛り付けられた料理が
並んでいました。
メインの牛の陶板焼きは
肉のボリュームもあり御飯が進みました。
ということで
写真は当日のメニューだけで
ご勘弁ください。

朝のお弁当も
おにぎりに漬物程度が普通のところ
豪華なお弁当でした。

歩きながら食べにくいのが難点ですが
部屋で食べて、おいしかったです。
温泉は自慢の千人風呂です。
こちらもカメラを持っていく訳にもいかず
ご勘弁ください。
温泉はビリビリくるような強い酸性で
強烈な臭いを伴うもので
短時間でも十分温まります。

翌日は、早めに起きたので
従業員だけの静かな館内を写真に収めました。

玄関からの正面

ねぷた

レトロな階段

出発前の旅館の外観

左奥の八甲田山の最高峰である大岳は
雲に隠れていました。
帰りのバスから一瞬・雲がとれて
大岳が顔を出しました。

お土産は館内で十分な品ぞろえで
試食のできるりんごから
青森県産のときを購入しました。
さわやかな香りと甘みの
青りんご系です。

*
受付のカウンターに
10月3日の紅葉の見ごろは
毛無岱

の文字がありました。
皆さんのお目当てはこれです。

旅館の周りも
色づき始めていました。
end