山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

馬籠宿の展望台☆恵那山@日本百名山№57

2022-07-04 | 57恵那山(春)
神坂峠から中津川インターへの帰り路に
案内板があったので、寄ってみました。
旧中山道の馬籠宿に

深田久弥さんの
日本百名山より
島崎藤村の「夜明け前」を読んだ人は、
美濃の十曲峠を登って木曾路にかかる入口の馬籠を忘れないだろう。
その馬籠から南に当って、大きく恵那山がそびえる。
幼少時代の藤村があけくれ眺めた山である。
カーナビで馬籠宿を調べると
たくさんの候補があり、物産館のある
馬籠宿下入口を選択しました。
片側1車線の広い道を
神坂峠パーキングエリアの脇を通り
中津川インターへの帰り道を分岐してから
5分で物産館に着きました。
神坂峠パーキングのスマートインター化は
工事期間が延長されて
まだ完成していませんが
完成すれば、馬籠宿も恵那山も
もっと便利になると思います。
何年も前から期待していたのに
残念です。
カーナビの目的地が下入口となっているのは
馬籠宿が坂道にあるからです。
いきなり、石畳の坂道を登ります。

時刻は午後3:30、観光タイムは過ぎたようで
人影はまばらです。

上の方から
編み笠を被ったカップルが下りてきたので
後ろ姿を撮らせていただきました。

新婚旅行の記念でしょうか?
道の両側に並んだお店も
書き入れ時が終わり、のどかです。

栗の入ったアイスクリームが名物らしく
店員さんがひとり、声を出して
客引きをしていました。
もう少しで、立ち寄るところでしたが
最近は健康のため、甘いものは控え気味で
登山の後の甘味も我慢です。

甘いもの屋にお煎餅の他
伝統工芸の店も並んでいました。
下入口から15分弱で
展望台に着きました。

立派な石垣です。
展望台の正面に
恵那山がどっしりと構えています。

写真の左端の辺りが神坂峠だと思います。
見下ろせば、右下が馬籠宿
左上が恵那山です。

恵那山を頂点とした大きな山のうねりが
中津川に向かって下っていました。
古の中仙道の旅人も見たであろう
鍋をひっくり返したような大きな山は
人の心に深く刻み込まれ
旅の苦労とともに、いつまでも
話のタネになったことでしょう。
馬籠宿の下りで
恵那山が見えると看板のあったところから

恵那山は
見上げる姿が印象深い山でした。
名残惜しいけれど
帰り道が遠いので
駆け足の観光でした。
end

テングの頭⇒恵那山山頂☆恵那山@日本百名山№57

2022-07-02 | 57恵那山(春)
テングの頭付近にて、バイカオウレンが
咲き競っていました。
もっと下でも見かけましたが、これが
この日一番の咲きっぷりでした。

バイカオウレン
キンポウゲ科の多年草
葉の形がウコギに似て
ゴカヨウオウレン(五加葉黄連)ともいう
日本原産で、本州・四国に分布する
山地から亜高山帯にかけて林の下に生える
上りでは
意識しなかったので見落としましたが
帰り道にテングの頭付近にて
テングナギがのぞける場所がありました。

高低差はあるものの、広さがないので
驚きも今一つでしょうか。
恵那山を見上げ

緩やかな笹原の道を進むと

次第に傾斜がきつくなり
登山道のすぐ脇の残雪を見て

シラビソの若木の林の中の道を
ゆっくり登れば

前宮ルートとの分岐に着きました。
テングの頭から約1時間です。

この先は
長い山頂部につけられた平坦な道を
枯れ木が林立するところや

二乃宮社から
祠を順番にたどり

途中、
恵那山最高点の標高2191mに
立ち寄り、

恵那山山頂2190mを
1mほど見下ろし

前宮ルート分岐から20分で
避難小屋が立つ山頂手前の広場です。

ここで休むと
しばらく動けなさそうなので、そのまま
立派なトイレ脇から木道を歩き


恵那山奥宮本社が見えるとすぐ
恵那山山頂です。

前宮ルート分岐から30分でした。
先客は4名ほどで
展望台に上がっても、展望はありません。

混んではいないけれど狭いので
避難小屋まで戻り、昼食休憩にしました。

建物に奥の岩場からの展望がよいと
書いてあったので、上がってみましたが、
遠くの山々は雲に隠れ
残念ながら何も見えませんでした。

天候次第ですが
ほとんど展望がなかったことで
コース全体に地味な印象です。
この日、最後の最後の下りの
富士見台パノラマコースの最高点にて

やはり
遠くの山々は雲に隠れていました。
富士見台に足を延ばすのは取りやめです。
深田久弥さんの
日本百名山より
その山頂を辞して、高低のある長い頂稜を辿り、神坂峠へ続く尾根を下った。
その夜は峠の近くの小屋に泊り、翌朝そこからすぐ近くの富士見台を散歩した。
広々とした高原で、夏は牧場になる。その原から幾度も私は恵那山を眺め返した。
雪を点綴した頂の長い恵那山は、まるで長城のように悠然とそびえ立っていた。
車を止めさせてもらったお礼に
山小屋で、ノンアルコール飲料と
ピンバッチを購入しました。
恵那山のバッチは売り切れで
富士見台のバッチは人気がないのか
たくさん残っていたので、

購入したら
ご主人に大変喜ばれました。
上り:神坂峠⇒鳥越峠⇒大判山⇒テングの頭⇒分岐⇒山頂
  0:40⇒ 0:40⇒ 1:00⇒ 1:00 ⇒0:30
下り:山頂⇒分岐⇒大判山⇒鳥越峠⇒神坂峠
  0:30⇒1:30⇒0:40⇒0:40
上り合計:3:50 下り合計:3:20
萬岳荘のご主人には
早いねえと褒められました。
この日の歩数:38,826歩
高低差は少ないし、歩き易い道だったので
あまり疲れはなかったけれど
距離が長かったため
歩数を見て驚きました。
この後の寄り道は
山頂を極めたことよりも
感動!あり
つづく

鳥越峠⇒大判山⇒テングの頭☆恵那山@日本百名山№57

2022-06-29 | 57恵那山(春)
鳥越峠からは緩やかな上りになります。

青空が見えてきて、ホッとしました。

ミツバツツジが彩りを加え
足元にはイワカガミが咲いています。


恵那山の広い裾野を感じる笹の道が続き
鳥居峠から20分でウバナギです。

ナギとは
頻繁な土砂崩れで土壌が露出している場所のこと。
ウバナギからやや傾斜が急になり

再びガスがかかって
大判山(標高1696m)に着きました。

晴れていても展望はないようです。
神坂峠登山口から1時間半たちましたが
高低差が少ないので休まずに進みました。
帰り道にて、大判山より鳥越峠方向には
ウバナギの標識から見えたナギとは別の
赤いナギが見えました。

登山道は緩く上り下りを繰り返し
鳥越峠から富士見台パノラマコース最高点への
100mの上りがはっきり見えます。
(写真中央から右上に向かって)
大判山から少し下ると
木製の距離表示がありましたが

文字が劣化して、よくわかりません。

アルミの梯子を超えて
大判山から30分で林の中に
こだまエリアという小さな広場があります。

朝に雨が降ったので地面が濡れていて
腰を下ろす所はありませんでしたが
日陰になっているので小休止とし
ほぼ同じペースの男性2人組に
先行してもらいました。
休日の割に登山者が少ないのは
難易度が変わらない複数のルートが
あるせいでしょうか?
この先は少し傾斜がきつくなります。

青空に励まされて
先に進むと
テングナギを中腹から見下ろせる
展望地点があり


遠くには
伊那谷に薄雲がかかっていました。

更に傾斜がきつくなり


大きな岩を左に回り込むと
すぐ
テングの頭に到着です。

笹の背が高くて
テングナギを見下ろすことはできません。
大判山から1時間かかりました。
標高1820mは神坂峠コースの高低差の
約半分をようやく超えたことになります。
既に登山口から2時間半が経過していました。
つづく

神坂峠⇒鳥越峠☆恵那山@日本百名山№57

2022-06-26 | 57恵那山(春)
日本百名山の中で、日帰りで登れるのは
遠くの山だけになってしまいました。
長岡から中津川までは高速道路で
片道4時間はかかります。
そこから更に山道を1時間以上という
苦行に近い遠出になりました。
最短コースではありませんが
古い歴史ある神坂峠(みさかとうげ)から登ります。
深田久弥さんの
日本百名山より
東海道から分れて中仙道へ入り、木曽路にかかろうとする所に、
関守のように立っているのが恵那山である。
大昔は中仙道は恵那山のすぐ東北に当たる神坂峠を越えて伊那谷に出た。
神坂(みさか)という名は日本武尊が東征の帰りに通過したからだと
伝えられている。事実、万葉集にも「千早ぶる神のみさか」という歌が
載っている。この御坂は和同年間には主要道路であったのだが、
南北朝分裂の争乱の頃から、この道は廃れて、
今の木曽路が中仙道として選ばれるようになった。
だから昔の神坂の旅人は倦くほど恵那山を眺めながら通った。
梅雨や暑さを避けて、5月下旬に
久しぶりの長距離ドライブでした。
こまめに休憩をとり
睡魔は避けられましたが
中津川インターの手前にある
中央自動車道の恵那山トンネル8650mは
1975年の開通時、日本一の長さでした。
これだけ長いのに
全線で車線変更禁止になっていて
前のトラックを追い越すことができないので
通過時間を長く感じ疲れました。
天気予報は悪くなかったのですが、
中津川に近づくと雨になり
登山道上りの景色は期待薄です。
中津川インターから車で山道を上り
神坂峠まで着くと、駐車場は
道路側に車が並び、奥に入れない状態で
何台かの車がどうしようか思案して
道路に止まっていました。

(写真は帰りに撮ったのでガラガラです)
しかたなく、奥の萬岳荘まで進み
食事の支度をしていたご主人に聞くと
駐車してよいとのことだったので
ありがたく止めさせてもらいました。
到着から、だいぶ手間取りましたが
手早く登山の準備をして
萬岳荘を朝の6:15に出発です。

車道を10分ほど歩いて戻り

神坂峠登山口にいた数名の先客に
あいさつをして登山開始です。

こんもりとした丘を登り始めると
ゆったりと開けた笹道を進みます。

ガスに包まれて視界はほとんどありません。
緩く上下しながら登っていくと
神坂峠から20分で
富士見台パノラマコースの山頂です。

ガスで何も見えませんが
開放感のある場所でした。

幸いにも、帰りには
ゆったりとした山並みが見えました。

振り返って、神坂峠方向には
日本百名山が23座見られるという
富士見台でしょうか?

恵那山も鍋をひっくり返した
ゆったりとした山容です。

神坂峠コースは
高低差が一番少ないのですが
尾根道には微妙なアップダウンがあり
途中の大判山が下に見えます。

鳥越峠まで100mほど下りますので
帰りの最後にこの上りがあるのは
つらいものがあります。
と言っても、朝の時点では
何も見えていませんので、無心に
先に進むだけです。

神坂峠から上った高さ以上に下り
40分で鳥越峠(標高1550m)に到着です。

標識には、恵那山2190mまで
3時間とあり(ガイドマップでは3:30)、
標高差640mは弥彦山1つ分ですから
気楽に考えていました。

つづく