山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

山の名前に誘われて 雨飾山 日本百名山№15

2013-01-19 | 15雨飾山(夏)
深田久弥さんの
日本百名山より
ついに私は久恋の頂に立った。
しかも天は隈なく晴れて秋の午後3時の太陽は
見渡す山々の上に静かな光をおいていた。
すべての頂には憩いがある梢にはそよとの風もなく
小鳥は森に黙した。風化し磨耗した石の祠と
数体の小さな石仏の傍らに私たちは身を横たえて
ただ静寂な時の過ぎるのに任せた。
古い石仏は越後の方へ向いていた。その行く手には
日本海を越えて能登半島の長い腕が見えた。
深田久弥さんが最初に登ろうとした頃は
はっきりした道もなく
3度目にようやく頂を得たそうで
その喜びが
文章の間からあふれてくるようです。
雨飾山という名前が
いつ誰によって名付けられたのか
はっきりしていません。
ずいぶんロマンチックな名前ですが
訪れるには不便で
急登の山道が続く
不思議な山です。
8月上旬
新潟県側の雨飾温泉からだと
かなりしんどい登りになるようなので
糸魚川経由で長野県小谷村の登山口
雨飾高原キャンプ場から登りました。
雨飾山
標高1963m
コースの高低差832m
コースの道のり9.2km

登山口の駐車場で
京都ナンバーの車に出会った話は
ブログを始めた頃の記事に
書きました。
登山開始は9:00過ぎ
林道から木道となり
(大きな葉になった水芭蕉)
 
湿原の中や木の橋を渡り
やがて急な登りになります。
登山口から1時間で
山頂方向の見通しがきき
白い岩肌の岩壁の上に
3つのピークがありました。
 
ここから少し下ってから登り返すのですが
山頂の右に続く登山道は
どう見てもこの先は急登です。

20分ほど下って
荒菅沢といわれる水場に到着。
 
深い谷のため
雪渓からドライアイスのような
冷い蒸気が漂っています。
 
夏ですから涼しいのはありがたいけど
急登で温まった体は
あまり涼しさを感じません。
さて一番きつそうな登りは
1時間以上かかり
途中には様々な花が
咲き乱れて
疲れを癒してくれました。
コキンレイカ



 
笹平から県境の稜線へ
割りと平坦な道が続きます。
荒菅沢が見える鞍部を過ぎると
最後の登り道がはっきりと見えます。
 

雨飾山の頂上は2つのコブがあり
南峰より北峰を望む

南峰の標柱

北峰の祠・石仏・地蔵
(奥に見える南峰の標柱)

雲がかかって
遠くまでは見通せませんでしたが
 
火打山方向に焼山の頂上が
不思議な色に染まって見えました。

山頂から見える笹原の道が
女性の横顔に見えます。
ちょうど口のところに
ご夫婦の登山者が通りかかり
あわてて写真を撮りました。

登り3:00
下り2:20
当日の歩数:18,512歩
今なら
花の写真でいっぱいでしょうが
この頃はまだ
登ること自体を楽しんでいました。
日本百名山№16からは
既に記事にしたので
日本百名山ブレイバックは
この山で終わりにします。
次回はどこに行くのでしょうか?
end